TK MUSIC CLAMP
CLAMP TALK :CHAGE
- 中居:
- 打ち上げっていうのはツアーが終わってからみんなでで
すよね。
- CHAGE:
- 必ず一回コンサートが終わったら必ず飲むでしょ。
で、もうほら、17年 やってるから、ライヴやると、テンション下がんな
いのよ、終わっても。
- 中居:
- そのままのテンションで。
- CHAGE:
- そのまんまのテンションで飲み屋いっちゃいますか
ら。で、今の若い人た ちっ ていうのは、よくイベンターの方とかとお話
をする機会あってね、「今の若いミュージシ ャンの方は楽です」と。
- 中居:
- どういうことですか?
- CHAGE:
- 「ケアが楽です」と。要するに「ライヴ終わったら、
コンビニとか行ってその ままホテルの部屋に戻ってゲームしてるから、イベン
ターは楽なんです」と。「ただし、 CHAGEさんぐらいに長くなってくると、もの
すごくキツいんです」。朝帰りじゃない。 「家庭が崩壊するんです」って。だか
ら、そのイベンターの人が「今日は誰?」「CHAGE さんだよ」「えっ!?」って。子
供が悲しそうな顔で「パパ遅いよね、今日は」とかって 。
- 中居:
- 朝まで飲みます?
- CHAGE:
- 今はそうでもないけど、昔は飲んでた。今、幾つだっ
け?
- 中居:
- 今、僕24です。
- CHAGE:
- あ、俺が24の時はすごかった。
- 中居:
- バリバリですか?
- CHAGE:
- うん。だからもう、朝5時6時まで飲んでて、次の日コ
ンサートでもライヴでも 。二日酔いっていうのがあんまりなかったから。で、
ちょっと二日酔いしても、リハーサ ルで汗ガァーッてかいたら抜けちゃう。で、
またライヴやっちゃうっていう。でも、今 はもうダメだね。
- 中居:
- そのマルチマックスとライヴをやってる時のCHAGEさん
と、チャゲ&アスとして やってるCHAGEさんの音楽、ライヴに対する姿勢ってい
うのかな?
- CHAGE:
- そうですね。いや、だから、チャゲ&ア
スってみなさんもう御存じになっちゃ って、まさかこうなるとは思ってませんで
したからね、自分でもね。まさかアジアまで行 くとは思ってなかったもん、デ
ビュー当時。東京出て行くのが精一杯だと思ってたから ね。それがアジア行った
りロンドン行ったりしてるでしょ、今。で、まああの、そうい う感じで。なんか
「チャゲ&アスだからこうじゃなきゃいけない」とかさ、そういうも のがやっぱ
り。期待感がすごくあるんですよ、お客さんの中にも。「もうチャゲ&アス さん
のステージだから、完璧なものを見せてくれるだろう」みたいな。だから、それ
に 合わせて俺たちも作らなきゃいけないんですけど。マルチマックスはどっち
かっていう と、もう「俺たち本人が楽しもう」と。「もう、相手がどう思おう
が、お客さんがどう 思おうが、とにかくステージ上が一番楽しんで」っていうこ
とを。だから、完全に別け てる。だから、チャゲ&アスに関しては、見せてるっ
ていう意識がすごくあるけど。
- 中居:
- ああ、魅せるライヴ。
- CHAGE:
- うん、魅せるライヴ。マルチの場合は「俺たちが遊
ぶ」と。それだけ。だから ステージ上がっちゃえば、俺たちが主導権握るんです
から。舞台監督なんて関係ないんで すからね。リハーサル中はうるさいですけ
ど。もう始まっちゃえばこっちのもんですか らね、主導権はもう。だから、それ
を完全に利用して、もうお客と一緒に遊んでるとい う。
- 中居:
- どっちのが心地いいですか?
- CHAGE:
- だから、両方気持ちいいです。プロとしてね、これは
両方とも気持ちいいです 。チャゲ&アスの完璧なもの追及して行く、お客さんを
納得させるステージングするとい う、それはものすごく面白いし、攻め方とし
て。で、また逆にマルチみたいに今日、何 が起こるか自分でもわかんないってい
うね。ま、曲順は決まってんだけど、ヘタしたら 曲順も変えちゃうかもしんない
ぐらいの、そういうなんかぜんぜん違うアンテナでやっ てるという。
- 中居:
- 筋書のないものだったりするんですよね。
- CHAGE:
- 同じ音楽でね、非常に羨ましい。自分で有難いなと
思ってる。だからやってい けるのよ、これだけ。だから、みなさんが本当に
「チャゲ&アス、今ちょっと休んでるん ですから、CHAGEさんも休めば?」ってよ
く言われるんだけど、なんかね、そうやってチ ャゲ&アスのプロジェクトを一つ
終わると、またそうやってマルチのほうにいっちゃう のね。
- 中居:
- そのマルチマックスの活動も長いですよね?
- CHAGE:
- もう7年。
- 中居:
- そうですよね。
- CHAGE:
- サングラスつけ出した時からですからね。
- 中居:
- そうですよね。それで時折1年休んだり、2年振りだった
り3年ね、また復活した り。なんかコンサートなんか、自分が好きなコンディ
ションの時に、なんか自由な感じが やっぱりするんですよね。
- CHAGE:
- そうそう、なんかね、変な話だけど、自分から音楽っ
ていうのを取り上げられ たら、何もないことにやっと気付いてね。
- 中居:
- え?どういうことですか?
- CHAGE:
- だから、やっぱり自分のCHAGEっていう中で、音楽って
いうのをもし誰かから「 ダメ!」とかいって取り上げられたとするじゃん。そし
たら、他に何も出来ない、何も ない自分にやっと気付いてね。だから、音楽があ
るからいろんな他のことも出来るし。 で、音楽が常にベースになってて。だか
ら、音楽がもしなかったら、ひょっとしたらこ んな番組も、お喋りなんかもでき
ない。アガっちゃって出来なくなるだろうし。
- 中居:
- そんなことはないでしょう。
- CHAGE:
- いや、本当、本当。…それはないか。いや、でも本当
に音楽を中心にすべてが 集まってたっていうのにやっと気付いてね。これは、こ
の前リバプール行った時、やっと 気付いたんだよ。遅いよな。普通、大学の時に
気付けっていう。
- 中居:
- へぇー。リバプールにも行かれたん
ですか。なんか、すごく刺激された、みたい な話をですね。
- CHAGE:
- うん。やっぱり俺にとっては聖地じゃない、やっぱり
ビートルズが生まれ育っ たところだから。で、そこの風にやっぱり吹かれるって
いうのは。やっぱりアーティスト しかわかんないかもしんないけど、なんか、そ
ういう景色とかでインスパイアされる。 で、それが曲を生む、詞を生むという面
白さを改めて体験したし。普通だったら、もし 俺が音楽やってなかったら、「リ
バプール行ってきたんだよ」ってダラダラダラダラ説 明して、相手に、中居に喋
る。ひょっとしたら30分ぐらいかかるかもしれない、それは 。それで、中居は
「もういいよ、CHAGEさん」みたいな感じになるかもしれないけど、 それが歌
だったら3分なら3分で全部の関係を押さえられるわけ。これが面白い。で、メ ロ
ディがのって、詞がのって、みたいな。そういうのが出来るから、なんかないも
のか ら作り上げていく音楽っていうのは面白いなぁと思ってね。見えないじゃ
ん。本人しか わかんないじゃん、だから、よくレコーディングとかスタッフたち
が決めるんだけど、 日程とかだいたい。でも、その時とか曲も何もないわけです
よ。
- 中居:
- ゼロの段階なわけですよね。
- CHAGE:
- ぜんぜんないですよ。でも、スタッフは勝手に「一週
間後にスタジオ押さえま した」とか言って。「曲、お願いします」。まったくな
い。でも、もうそういうもので「 あ、明日だ」とか思って「あ、じゃあ作ろうな
か」みたいな。
- 中居:
- へぇー。いや、でも、そんな簡単にい
きもんなんですか?実際の話。
- CHAGE:
- やっぱだから、それし
かないから、表現方法がもう。だから、絵も書けないし 、写真だってまだアマ
チュアだし、コンピューター、ワープロなんかも本当ひどいもんだ し。やっぱり
メロディを作るという作業はやっぱり面白いね。だって、自由だもん。誰 も「こ
れはいけないよ」って言わないじゃん、音楽に関しては。つまり、まあ、パクっ
ちゃいけないよ、それは。メロディパクっちゃいけないけど、ドレミファソラシ
ドと7 つの組み合わせで、たった7つの音でこれだけすごい自由なものができるっ
て面白いじ ゃん。
- 中居:
- ああ、そういうのわからないでもないなぁ。じゃあ、も
しマルチのツアーが終わ った段階でまたチャゲ&アスとしての?
- CHAGE:
- そうね。いや、今度だから、次は年明け。まあ、俺が
1月ぐらいまで頑張って、 今度は飛鳥にバトンタッチして、あいつがいろいろと
またソロ活動を本格的にやるから ね。で、チャゲ&アスで合体するのは夏以降
じゃない?だから、また面白いのよ。俺 が今マルチですごく刺激されてるし。飛
鳥もソロでこれから頑張るだろうし。これがま た夏以降また合体するわけですか
ら。また面白いチャゲ&アスができるよね。
- 中居:
- CHAGEさんは何に向かってんですかね?
- CHAGE:
- 何に向かってんだろうね?火の鳥探してんだよ……。な
に言ってんだ?でも 、不老長寿というか、死なない薬って嫌だよな。永遠の生命
をもらうって。
- 中居:
- いや、でも、自分が生きてることに満足してたり。
- CHAGE:
- だからほら、皇帝とか偉い人はそういうものを求めた
りするわけじゃん。自分 が老いてきたら若さが欲しいとか、そのためにどんなこ
とでもする、みたいな。でも、手 に入れた瞬間て、それってすごいつまんないも
んだと思わない?だから、今の音楽も そうなんだけど、つまんないって否定する
わけじゃないよ。でも、ものすごい不可能を 可能にしてんの、今の音楽って。不
可能なものないのよ。何でも出来ちゃうの、音楽、 今の技術。ものすごい進歩な
のよ、これ。
- 中居:
- え?不可能を可能っていうのは?
- CHAGE:
- だから、ビートルズの時代までいっちゃうと、やっぱ
り技術的な問題で「これ は出来ません」「こういうこと出来たらいいなぁ」とか
いうのが当時は出来なかった、技 術的な問題で。今、出来ちゃうの、全部。
- 中居:
- あ、まあ、その器材ももちろんそうですし。
- CHAGE:
- 音的なものも機械で。それはね、考えたら恐いことだ
よ。
- 中居:
- なんでも可能というか、出来ちゃう。
- CHAGE:
- そうそう。出来ようとしてんの、今それがまた。何で
も出来ちゃうから、「こ ういう音が欲しいんだよ」「わかりました。カチャカ
チャカチャ」いろんな音混ぜて「こ れですか?」「ああ、これこれ」。なんかつ
まんなくない?っていう。
- 中居:
- その過程がね、またよかったりね、しますしね。
- CHAGE:
- だからなんか。線を引く勇気。音楽でもそうだけど、
やっぱり上見るとキリが ない。どんどんあるわけ。なんでも出来ちゃうから、
「いや、ここまでにしようよ」。「 ここまでにしようよ」って言う勇気ね。俺た
ちは今回アナログにしたから、もうアナロ グっていのは完全に限られたものでし
か出来ませんから。それで今回やったから気持ち よかったね。
- 中居:
- まあ、ぜんぜん違うでしょうね。
- CHAGE:
- 違ういますね。
- 中居:
- 勝手が違うんじゃないかなと思います。
- CHAGE:
- まあだから、デジタルも、僕らデビューして17年。初
めはアナログ盤だったの ね、レコード盤。
- 中居:
- ですよね。
- CHAGE:
- それがいきなりCDに変ったじゃん。こういうものすご
い音楽の革命をモロ受け て見てきて、「え?レコードが消えた?」って感じじゃ
ん。レコード屋じゃなくてCDショ ップって。だんだんCDがドンと店の中心になっ
て。そういうのも見てきてるし。
- 中居:
- どうなんですか?そのCDとレコードの違いっていうんで
すかね?
- CHAGE:
- 僕はだから、CDはCDでものすごいやっぱり音のクォリ
ティいいし、すごいそれ は認めてるけど。今回また、あえてアナログ自分たちで
やってきて、アナログ盤も出すん だけど。あの、やっぱりね、A面聴く。針を落
とす。で、A面が終わる。腰を上げる。プ レイヤーのところに行って裏返す作
業。またB面をかけるという。この時間がやっぱり 、最近すごく欲しいなと思っ
てね。今、CD立てじゃん、ザッと。でもアナログ盤はA面B 面て感じだから。今
回、自分のアルバム、CDも出してるんだけど、アナログの曲順でや ってるから。
6曲目で裏返して欲しいって気持ちになってるから。
- 中居:
- でも、それわかるな。
- CHAGE:
- あのね、CDはね、貸し借りできるのよ。平気で友達に
貸したり出来るのよ。「 うん、いいよ」って。でも、レコードってね、貸し借り
はできないね。
- 中居:
- できないですね。
- CHAGE:
- 恐いんですよ。「レコード貸して」「えぇ!?」みたい
な。昔から。「おまえ、 傷付けるなよ」みたいな。「あ、この前ありがとう」っ
て返してもらったらガァーッって 傷が付いてて「なんだよ!?これ」みたいな。だ
からね、そのへんの価値観。アナログ 盤のなんか。もっとすごい人は手袋してか
らやったりする人もいますしね。「おまえは 刑事か!?」っていうぐらい。
でも、いいですよ。なんか暖かい。なんか人間が作ったものだなっていう感じ が
する、アナログ盤て。
- 中居:
- まあ、活動的にはね、音楽的にはやりたいことがどんど
んどんどん出てくるでし ょうけども、例えばアジアに進出する、どこどこに進出
する。日本を制覇して、じゃな いですけども。
- CHAGE:
- いや、そんなことないよ。もうあの、進出とかね、そ
ういうのがもう。だから 俺、やっぱりアジアはね、すごいよ。アジアって面白
い。
- 中居:
- 伝わります?
- CHAGE:
- 伝わる。昔のね、20年ぐらい前のお客さんのエネル
ギーがまだ残ってる。俺た ちがデビューする前ぐらいのお客さんの熱さ。「俺た
ちで音楽を作るんだ!」「お客さん も一緒になって作るんだ!」みたいな勢いをア
ジアに感じる。今、ある。だからね、5年 後ぐらいに日本はね、足元すくわれる
よ。今、パワーすごい、アジアのパワー。だから 、なんか日本て「俺たちが主導
権握ってるよ」みたいな感じであぐらかいて、ファース トクラスに乗ってるよう
な気分でいるけど、そんな気持ちでいたら、そのうちポーンと 足元すくわれてし
まうよ。だって、向こう、英語喋れるんだよ。日本だけだよ、いちば ん世界に遠
いの。考えたら。
- 中居:
- そうかもしれませんよね。
- CHAGE:
- 英語喋れない人がいっぱいいるんだもん、日本に。で
も、アジアの人ほとんど 喋れるんだよ。母国語と一緒に英語も喋れるからね。
- 中居:
- その音楽に関しては、日本だけが世界的にね、広がりっ
ていうのが狭いかもしれ ないですよね。
- CHAGE:
- ちょっとね、考えたほうがいいと思うね。なんかすご
い、アジアはもう今どん どんきてるよ。
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