TK MUSIC CLAMP

Vol.57

CLAMP TALK


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CLAMP TALK :CHAGE



中居=中居正広
CHAGE=CHAGE

中居:
打ち上げっていうのはツアーが終わってからみんなでで すよね。

CHAGE:
必ず一回コンサートが終わったら必ず飲むでしょ。 で、もうほら、17年 やってるから、ライヴやると、テンション下がんな いのよ、終わっても。

中居:
そのままのテンションで。

CHAGE:
そのまんまのテンションで飲み屋いっちゃいますか ら。で、今の若い人た ちっ ていうのは、よくイベンターの方とかとお話 をする機会あってね、「今の若いミュージシ ャンの方は楽です」と。

中居:
どういうことですか?

CHAGE:
「ケアが楽です」と。要するに「ライヴ終わったら、 コンビニとか行ってその ままホテルの部屋に戻ってゲームしてるから、イベン ターは楽なんです」と。「ただし、 CHAGEさんぐらいに長くなってくると、もの すごくキツいんです」。朝帰りじゃない。 「家庭が崩壊するんです」って。だか ら、そのイベンターの人が「今日は誰?」「CHAGE さんだよ」「えっ!?」って。子 供が悲しそうな顔で「パパ遅いよね、今日は」とかって 。

中居:
朝まで飲みます?

CHAGE:
今はそうでもないけど、昔は飲んでた。今、幾つだっ け?

中居:
今、僕24です。

CHAGE:
あ、俺が24の時はすごかった。

中居:
バリバリですか?

CHAGE:
うん。だからもう、朝5時6時まで飲んでて、次の日コ ンサートでもライヴでも 。二日酔いっていうのがあんまりなかったから。で、 ちょっと二日酔いしても、リハーサ ルで汗ガァーッてかいたら抜けちゃう。で、 またライヴやっちゃうっていう。でも、今 はもうダメだね。

中居:
そのマルチマックスとライヴをやってる時のCHAGEさん と、チャゲ&アスとして やってるCHAGEさんの音楽、ライヴに対する姿勢ってい うのかな?

CHAGE:
そうですね。いや、だから、チャゲ&ア スってみなさんもう御存じになっちゃ って、まさかこうなるとは思ってませんで したからね、自分でもね。まさかアジアまで行 くとは思ってなかったもん、デ ビュー当時。東京出て行くのが精一杯だと思ってたから ね。それがアジア行った りロンドン行ったりしてるでしょ、今。で、まああの、そうい う感じで。なんか 「チャゲ&アスだからこうじゃなきゃいけない」とかさ、そういうも のがやっぱ り。期待感がすごくあるんですよ、お客さんの中にも。「もうチャゲ&アス さん のステージだから、完璧なものを見せてくれるだろう」みたいな。だから、それ に 合わせて俺たちも作らなきゃいけないんですけど。マルチマックスはどっち かっていう と、もう「俺たち本人が楽しもう」と。「もう、相手がどう思おう が、お客さんがどう 思おうが、とにかくステージ上が一番楽しんで」っていうこ とを。だから、完全に別け てる。だから、チャゲ&アスに関しては、見せてるっ ていう意識がすごくあるけど。

中居:
ああ、魅せるライヴ。

CHAGE:
うん、魅せるライヴ。マルチの場合は「俺たちが遊 ぶ」と。それだけ。だから ステージ上がっちゃえば、俺たちが主導権握るんです から。舞台監督なんて関係ないんで すからね。リハーサル中はうるさいですけ ど。もう始まっちゃえばこっちのもんですか らね、主導権はもう。だから、それ を完全に利用して、もうお客と一緒に遊んでるとい う。

中居:
どっちのが心地いいですか?

CHAGE:
だから、両方気持ちいいです。プロとしてね、これは 両方とも気持ちいいです 。チャゲ&アスの完璧なもの追及して行く、お客さんを 納得させるステージングするとい う、それはものすごく面白いし、攻め方とし て。で、また逆にマルチみたいに今日、何 が起こるか自分でもわかんないってい うね。ま、曲順は決まってんだけど、ヘタしたら 曲順も変えちゃうかもしんない ぐらいの、そういうなんかぜんぜん違うアンテナでやっ てるという。

中居:
筋書のないものだったりするんですよね。

CHAGE:
同じ音楽でね、非常に羨ましい。自分で有難いなと 思ってる。だからやってい けるのよ、これだけ。だから、みなさんが本当に 「チャゲ&アス、今ちょっと休んでるん ですから、CHAGEさんも休めば?」ってよ く言われるんだけど、なんかね、そうやってチ ャゲ&アスのプロジェクトを一つ 終わると、またそうやってマルチのほうにいっちゃう のね。

中居:
そのマルチマックスの活動も長いですよね?

CHAGE:
もう7年。

中居:
そうですよね。

CHAGE:
サングラスつけ出した時からですからね。

中居:
そうですよね。それで時折1年休んだり、2年振りだった り3年ね、また復活した り。なんかコンサートなんか、自分が好きなコンディ ションの時に、なんか自由な感じが やっぱりするんですよね。

CHAGE:
そうそう、なんかね、変な話だけど、自分から音楽っ ていうのを取り上げられ たら、何もないことにやっと気付いてね。

中居:
え?どういうことですか?

CHAGE:
だから、やっぱり自分のCHAGEっていう中で、音楽って いうのをもし誰かから「 ダメ!」とかいって取り上げられたとするじゃん。そし たら、他に何も出来ない、何も ない自分にやっと気付いてね。だから、音楽があ るからいろんな他のことも出来るし。 で、音楽が常にベースになってて。だか ら、音楽がもしなかったら、ひょっとしたらこ んな番組も、お喋りなんかもでき ない。アガっちゃって出来なくなるだろうし。

中居:
そんなことはないでしょう。

CHAGE:
いや、本当、本当。…それはないか。いや、でも本当 に音楽を中心にすべてが 集まってたっていうのにやっと気付いてね。これは、こ の前リバプール行った時、やっと 気付いたんだよ。遅いよな。普通、大学の時に 気付けっていう。

中居:
へぇー。リバプールにも行かれたん ですか。なんか、すごく刺激された、みたい な話をですね。

CHAGE:
うん。やっぱり俺にとっては聖地じゃない、やっぱり ビートルズが生まれ育っ たところだから。で、そこの風にやっぱり吹かれるって いうのは。やっぱりアーティスト しかわかんないかもしんないけど、なんか、そ ういう景色とかでインスパイアされる。 で、それが曲を生む、詞を生むという面 白さを改めて体験したし。普通だったら、もし 俺が音楽やってなかったら、「リ バプール行ってきたんだよ」ってダラダラダラダラ説 明して、相手に、中居に喋 る。ひょっとしたら30分ぐらいかかるかもしれない、それは 。それで、中居は 「もういいよ、CHAGEさん」みたいな感じになるかもしれないけど、 それが歌 だったら3分なら3分で全部の関係を押さえられるわけ。これが面白い。で、メ ロ ディがのって、詞がのって、みたいな。そういうのが出来るから、なんかないも のか ら作り上げていく音楽っていうのは面白いなぁと思ってね。見えないじゃ ん。本人しか わかんないじゃん、だから、よくレコーディングとかスタッフたち が決めるんだけど、 日程とかだいたい。でも、その時とか曲も何もないわけです よ。

中居:
ゼロの段階なわけですよね。

CHAGE:
ぜんぜんないですよ。でも、スタッフは勝手に「一週 間後にスタジオ押さえま した」とか言って。「曲、お願いします」。まったくな い。でも、もうそういうもので「 あ、明日だ」とか思って「あ、じゃあ作ろうな か」みたいな。

中居:
へぇー。いや、でも、そんな簡単にい きもんなんですか?実際の話。

CHAGE:
やっぱだから、それし かないから、表現方法がもう。だから、絵も書けないし 、写真だってまだアマ チュアだし、コンピューター、ワープロなんかも本当ひどいもんだ し。やっぱり メロディを作るという作業はやっぱり面白いね。だって、自由だもん。誰 も「こ れはいけないよ」って言わないじゃん、音楽に関しては。つまり、まあ、パクっ ちゃいけないよ、それは。メロディパクっちゃいけないけど、ドレミファソラシ ドと7 つの組み合わせで、たった7つの音でこれだけすごい自由なものができるっ て面白いじ ゃん。

中居:
ああ、そういうのわからないでもないなぁ。じゃあ、も しマルチのツアーが終わ った段階でまたチャゲ&アスとしての?

CHAGE:
そうね。いや、今度だから、次は年明け。まあ、俺が 1月ぐらいまで頑張って、 今度は飛鳥にバトンタッチして、あいつがいろいろと またソロ活動を本格的にやるから ね。で、チャゲ&アスで合体するのは夏以降 じゃない?だから、また面白いのよ。俺 が今マルチですごく刺激されてるし。飛 鳥もソロでこれから頑張るだろうし。これがま た夏以降また合体するわけですか ら。また面白いチャゲ&アスができるよね。

中居:
CHAGEさんは何に向かってんですかね?

CHAGE:
何に向かってんだろうね?火の鳥探してんだよ……。な に言ってんだ?でも 、不老長寿というか、死なない薬って嫌だよな。永遠の生命 をもらうって。

中居:
いや、でも、自分が生きてることに満足してたり。

CHAGE:
だからほら、皇帝とか偉い人はそういうものを求めた りするわけじゃん。自分 が老いてきたら若さが欲しいとか、そのためにどんなこ とでもする、みたいな。でも、手 に入れた瞬間て、それってすごいつまんないも んだと思わない?だから、今の音楽も そうなんだけど、つまんないって否定する わけじゃないよ。でも、ものすごい不可能を 可能にしてんの、今の音楽って。不 可能なものないのよ。何でも出来ちゃうの、音楽、 今の技術。ものすごい進歩な のよ、これ。

中居:
え?不可能を可能っていうのは?

CHAGE:
だから、ビートルズの時代までいっちゃうと、やっぱ り技術的な問題で「これ は出来ません」「こういうこと出来たらいいなぁ」とか いうのが当時は出来なかった、技 術的な問題で。今、出来ちゃうの、全部。

中居:
あ、まあ、その器材ももちろんそうですし。

CHAGE:
音的なものも機械で。それはね、考えたら恐いことだ よ。

中居:
なんでも可能というか、出来ちゃう。

CHAGE:
そうそう。出来ようとしてんの、今それがまた。何で も出来ちゃうから、「こ ういう音が欲しいんだよ」「わかりました。カチャカ チャカチャ」いろんな音混ぜて「こ れですか?」「ああ、これこれ」。なんかつ まんなくない?っていう。

中居:
その過程がね、またよかったりね、しますしね。

CHAGE:
だからなんか。線を引く勇気。音楽でもそうだけど、 やっぱり上見るとキリが ない。どんどんあるわけ。なんでも出来ちゃうから、 「いや、ここまでにしようよ」。「 ここまでにしようよ」って言う勇気ね。俺た ちは今回アナログにしたから、もうアナロ グっていのは完全に限られたものでし か出来ませんから。それで今回やったから気持ち よかったね。

中居:
まあ、ぜんぜん違うでしょうね。

CHAGE:
違ういますね。

中居:
勝手が違うんじゃないかなと思います。

CHAGE:
まあだから、デジタルも、僕らデビューして17年。初 めはアナログ盤だったの ね、レコード盤。

中居:
ですよね。

CHAGE:
それがいきなりCDに変ったじゃん。こういうものすご い音楽の革命をモロ受け て見てきて、「え?レコードが消えた?」って感じじゃ ん。レコード屋じゃなくてCDショ ップって。だんだんCDがドンと店の中心になっ て。そういうのも見てきてるし。

中居:
どうなんですか?そのCDとレコードの違いっていうんで すかね?

CHAGE:
僕はだから、CDはCDでものすごいやっぱり音のクォリ ティいいし、すごいそれ は認めてるけど。今回また、あえてアナログ自分たちで やってきて、アナログ盤も出すん だけど。あの、やっぱりね、A面聴く。針を落 とす。で、A面が終わる。腰を上げる。プ レイヤーのところに行って裏返す作 業。またB面をかけるという。この時間がやっぱり 、最近すごく欲しいなと思っ てね。今、CD立てじゃん、ザッと。でもアナログ盤はA面B 面て感じだから。今 回、自分のアルバム、CDも出してるんだけど、アナログの曲順でや ってるから。 6曲目で裏返して欲しいって気持ちになってるから。

中居:
でも、それわかるな。

CHAGE:
あのね、CDはね、貸し借りできるのよ。平気で友達に 貸したり出来るのよ。「 うん、いいよ」って。でも、レコードってね、貸し借り はできないね。

中居:
できないですね。

CHAGE:
恐いんですよ。「レコード貸して」「えぇ!?」みたい な。昔から。「おまえ、 傷付けるなよ」みたいな。「あ、この前ありがとう」っ て返してもらったらガァーッって 傷が付いてて「なんだよ!?これ」みたいな。だ からね、そのへんの価値観。アナログ 盤のなんか。もっとすごい人は手袋してか らやったりする人もいますしね。「おまえは 刑事か!?」っていうぐらい。 でも、いいですよ。なんか暖かい。なんか人間が作ったものだなっていう感じ が する、アナログ盤て。

中居:
まあ、活動的にはね、音楽的にはやりたいことがどんど んどんどん出てくるでし ょうけども、例えばアジアに進出する、どこどこに進出 する。日本を制覇して、じゃな いですけども。

CHAGE:
いや、そんなことないよ。もうあの、進出とかね、そ ういうのがもう。だから 俺、やっぱりアジアはね、すごいよ。アジアって面白 い。

中居:
伝わります?

CHAGE:
伝わる。昔のね、20年ぐらい前のお客さんのエネル ギーがまだ残ってる。俺た ちがデビューする前ぐらいのお客さんの熱さ。「俺た ちで音楽を作るんだ!」「お客さん も一緒になって作るんだ!」みたいな勢いをア ジアに感じる。今、ある。だからね、5年 後ぐらいに日本はね、足元すくわれる よ。今、パワーすごい、アジアのパワー。だから 、なんか日本て「俺たちが主導 権握ってるよ」みたいな感じであぐらかいて、ファース トクラスに乗ってるよう な気分でいるけど、そんな気持ちでいたら、そのうちポーンと 足元すくわれてし まうよ。だって、向こう、英語喋れるんだよ。日本だけだよ、いちば ん世界に遠 いの。考えたら。

中居:
そうかもしれませんよね。

CHAGE:
英語喋れない人がいっぱいいるんだもん、日本に。で も、アジアの人ほとんど 喋れるんだよ。母国語と一緒に英語も喋れるからね。

中居:
その音楽に関しては、日本だけが世界的にね、広がりっ ていうのが狭いかもしれ ないですよね。

CHAGE:
ちょっとね、考えたほうがいいと思うね。なんかすご い、アジアはもう今どん どんきてるよ。

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