TK MUSIC CLAMP
CLAMP TALK :小泉今日子
- 中居:
- 今まで培ったオーラみたいなのも、ちょっと喋ってみる
となかったりしますけ ど ね。あの、芸能生活は?今、チラッとあれし
ましたけど。
- 小泉:
- もう15年かな。
- 中居:
- 15年。
- 小泉:
- いつの間にか。
- 中居:
- あっという間でした?
- 小泉:
- あっという間ですね。そう、15の時から何となく始め
て。
- 中居:
- 人生の半分?
- 小泉:
- 半分なの。30でしょ、今。で、そう思うとね、「う
わぁ、すごいことやっちゃっ た」って感じがするんだけど。「嫌だなぁ」って感
じしません?人生の半分を芸能界 で過ごしたっていうことは、なんか。なんか嫌
だなぁ。
- 中居:
- なんで嫌なんですか?
- 小泉:
- 何となく。
- 中居:
- それ、おかしいですよ。
- 小泉:
- いや、でもほら、ずっとね、家族で仲良く暮らしてた時
のことって、ずっと自分 の中に残ってて、そこ、基本じゃないですか。それで、
やっぱりそこが一番大好きな場 所だし。でも、それより、これからこっちが増え
ちゃうんだよ。
- 中居:
- 今後も多分、続けてくうえでやっぱり
増えますよね。
- 小泉:
- だから、なんかね、淋しい気分だった、それに気が付い
た時。
- 中居:
- もう遅いですね。
- 小泉:
- もう遅いね。
- 中居:
- え?じゃあなに?ちょっと後悔じゃないですけども。
- 小泉:
- いや、後悔はべつにないんだけど、なんかこれから長く
なる、こっちの先の人生 を、やっぱり楽しんで生きていかないとなぁ。より楽し
んでっていうふうに、30歳の誕 生日に思った私って感じ。
- 中居:
- いや、でもね、その15年。僕は15年間ずっと見てきたわ
けじゃないですけども、 すごくね、楽しくなんか、自分からもうとにかく楽しく
やってる雰囲気っていうのがね 、すごくあるんですよ。だから、なんか誰にも強
制されず、自分がやりたい、楽しむた めにやってるのか楽しくてやってるのは定
かではないですけど、そういうイメージが強いんでね。
- 小泉:
- そうですか。
- 中居:
- ぜんぜん今までも十分楽しんで?
- 小泉:
- そう、楽しかったんだけど、けっこう若い時とかは反抗
心とかがいっぱいあって 、なんか。
- 中居:
- え?例えばどんな?
- 小泉:
- 例えば「アイドルとは?」とか、そういうふうに見られ
ることが多かったじゃな いですか。だから、その「アイドルとは?」っていうも
のの外に出てやろう外に出てやろ うっていう楽しみ方をしてたのね。
- 中居:
- 脱線してやろう?
- 小泉:
- そう。だから、なんか変な髪形してみたりとか、変なメ
イクしたりとか、変な格 好したりして。
- 中居:
- かなりイッちゃってるやつ多かったですよね。
- 小泉:
- そう。だから、発言とかも、思いきって変なこと言って
みたりとかね。なんか、 そんな意識してたわけじゃないんだけど、その反抗心っ
ていうのが楽しみに変わってそ ういていたのね。でも、それってすごく楽しかっ
たんだけど、結局でも何かを越えたい からそうしてたじゃない、きっとね。で
も、最近やっとその越えたいものっていうのが 、いい意味でなくなってきて、本
当に自分の人生のためにもっと楽しもうっていう気分 に変わってきたっていう感
じ。そういうのありませんか?
- 中居:
- 僕なんかまあ、僕だけに限らず、SMAPもやっぱりそうい
うのあったかもしれない ですよね。
- 小泉:
- あるよね。そういうのがやっぱりSMAPも伝わってくる。
- 中居:
- なんか今までね、引かれたレールというか、そういうも
のから脱線したいじゃな いですけども。やっぱりそのアイドルじゃないですけ
ど、僕なんかが出た時っていうの もアイドルっていうね、イメージがやっぱり強
かったですから。
- 小泉:
- そうだよね。
- 中居:
- そのイメージを壊したいっていうのがね。そういうのは
やっぱり、日頃からありましたね。
- 小泉:
- でも、そこで得たものって、きっと大きいでしょうね。
- 中居:
- 大きいですね。
- 小泉:
- だから、その、ほら、アイドルなのにお笑い出来るとか
さ。ああいうのって強いですよね。
- 中居:
- どうなんでしょうね?強いんですかね?
- 小泉:
- いや、でも、やっぱり本当にちゃんとしてないと出来な
いことじゃなない。ちゃ んとしてないとっていうか、いろんなこと考えたりと
か、頭良くないとそれこそ出来な いこともあるし。
- 中居:
- でもキョンキョン、吉本の新喜劇出てましたよね?
- 小泉:
- ああ、なんかね、昔。
- 中居:
- ありましたよね。
- 小泉:
- あのね、隠し芸大会かなんかに。
- 中居:
- ええ。僕、あの時に、なんかすごい悔しかったんです
よ。
- 小泉:
- やりたかった?
- 中居:
- いや、だから、あれもけっこう前じゃないですか。まあ
でも、その時のキョンキ ョンて、そんなにもうアイドルとかね、昔のイメージ
じゃなかったんですけども。
- 小泉:
- そうですね。
- 中居:
- 「なんだ!?そんなことまでしちゃうのかよ!?」っていう
ね。なんかルール違反 をしてるっていうかね。そういうことやられて、なんか悔
しいじゃないですけどもね。 あの時、自分から?
- 小泉:
- いや、なんか「こういうのやりませんか?」って言われ
て、私も嫌いじゃないので「あ、やります」って言っていそいそと大阪に。
- 中居:
- でも、ああいうのも今までの形式ではやっぱり考えられ
ないようなことですよね 。
- 小泉:
- そうですよね。変ななんかチチクリマンボとかやらされ
たもん。
- 中居:
- 何の抵抗もなく?
- 小泉:
- ええ。
- 中居:
- じゃあ、事務所とか何かないんですか?「これやったら
イメージが崩れるんじ ゃないか」って。昔からそう思ってたんですけど、メイク
にしろ衣装にしろ、イッちゃっ てるやつ多かったじゃないですか。
- 小泉:
- なんかね、途中で諦めたみたい。「この子はそうやって
『こうしろ、ああしろ』って育てると、絶対にどっかでケツまくる」じゃないけ
ど………、なんかちょっと下品 な言葉でしたかしら?なんかね、あの、「じゃあ
いいや、もう辞めちゃう」みたいな 、どっかそういう危険を持ってる子だったん
だと思うのね。
- 中居:
- 事務所サイドとか周りのスタッフは察知したんでしょう
ね。
- 小泉:
- だから、わりと本能的にみんなもそれを感じて、「じゃ
あ、この子から出てくるものをサポートしてあげよう」っていうふうに。わりと
だから良かったですね。
- 中居:
- じゃあ、ウマい具合に、まあウマい具合って言ったら失
礼ですけども、自分にとっても周りの人にとっても、いい感じに年を重ねてるっ
ていうのかなぁ。
- 小泉:
- そうですね。自然にやってこれた。
- 中居:
- すごい自然ですよね。まあ、自由気ままっていうわけに
はいかないでしょうけども、自分のやりたいことであったりっていうのはやっぱ
り突き通してやってきたんでしょうね。これからどうなんですかね?どうなっちゃ
うんですかね
- 小泉:
- どうなのかな?
- 中居:
- 赴くままなんでしょうね。
- 小泉:
- うん。
- 中居:
- さきほどほら、「今までの15年は楽しかったけども、そ
れ以上により楽しいこれからを迎えたい」って言ったじゃないですか。どうすれ
ば楽しくなるんですかね?
- 小泉:
- 私のね、理想っていうか夢は、お婆ちゃんになった時
に、やっぱり一番カッコよくなきゃ嫌なのね。
- 中居:
- カッコいい?
- 小泉:
- 60、60じゃまだお婆ちゃんて言ったら悪いか。
- 中居:
- 60、70ですね。
- 小泉:
- 70とかの時に、もう貫禄があって、もうすごいカッコい
いお婆ちゃんになってた い。
- 中居:
- カッコいいお婆ちゃんていうと、どういうふうな?キョ
ンキョンの頭の中には 今どういうのが浮かんでるのか僕わかんないですね。
- 小泉:
- えぇとね、やっぱ貫禄があって、例えばあの、いつまで
もいろんなことに興味を 持ってて、お婆ちゃんになってもね。それで、皺とか
いっぱいあってもいいんだけど、その皺がさ、説得力あるっていう感じの人にな
りたいんだよね。なんか疲れちゃって、「淋しい人生だったわ」っていう皺じゃ
なくて、なんか「堂々と生きてきたのよ」って いう、そういう人になりたくて。
でも、それが私の一番の理想だから、そのために毎日 があるんですよね。だか
ら、すごい長い道のりなんだけど。
- 中居:
- 長いですね。
- 小泉:
- すごく遠くに目標を置いてるから、ゆっくり歩いていっ
ても辻褄合うかなと思っ て。だから、毎日毎日をカッコいいお婆ちゃんになるた
めに、後悔しないように精一杯 楽しもうっていう感じなんだけど。ちょっと漠然
としてる夢だけど。
- 中居:
- 70?
- 小泉:
- 70ぐらい。
- 中居:
- 今まで生きてきた人生30年の倍以上ですね。
- 小泉:
- うん。
- 中居:
- その時になんないとわかんないですね。自分の人生が良
かったのか、悪かったの か、納得できものであったのかっていうは。
- 小泉:
- うん、そうだよね。だから、本当に経験できることは出
来るだけ何でも経験して みたいし。
- 中居:
- でも、それっていうのは、もしかして60、70の段階じゃ
なくて、40になっても50 になっても常にやっぱりカッコいい40だったり。
- 小泉:
- そうだね。その時々でやっぱりそういう通過点はカッコ
よく決めておきたいっていう感じはもちろんあるけど。
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