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Vol.53

CLAMP TALK


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CLAMP TALK :小泉今日子



中居=中居正広
小泉=小泉今日子

中居:
今まで培ったオーラみたいなのも、ちょっと喋ってみる となかったりしますけ ど ね。あの、芸能生活は?今、チラッとあれし ましたけど。

小泉:
もう15年かな。

中居:
15年。

小泉:
いつの間にか。

中居:
あっという間でした?

小泉:
あっという間ですね。そう、15の時から何となく始め て。

中居:
人生の半分?

小泉:
半分なの。30でしょ、今。で、そう思うとね、「う わぁ、すごいことやっちゃっ た」って感じがするんだけど。「嫌だなぁ」って感 じしません?人生の半分を芸能界 で過ごしたっていうことは、なんか。なんか嫌 だなぁ。

中居:
なんで嫌なんですか?

小泉:
何となく。

中居:
それ、おかしいですよ。

小泉:
いや、でもほら、ずっとね、家族で仲良く暮らしてた時 のことって、ずっと自分 の中に残ってて、そこ、基本じゃないですか。それで、 やっぱりそこが一番大好きな場 所だし。でも、それより、これからこっちが増え ちゃうんだよ。

中居:
今後も多分、続けてくうえでやっぱり 増えますよね。

小泉:
だから、なんかね、淋しい気分だった、それに気が付い た時。

中居:
もう遅いですね。

小泉:
もう遅いね。

中居:
え?じゃあなに?ちょっと後悔じゃないですけども。

小泉:
いや、後悔はべつにないんだけど、なんかこれから長く なる、こっちの先の人生 を、やっぱり楽しんで生きていかないとなぁ。より楽し んでっていうふうに、30歳の誕 生日に思った私って感じ。

中居:
いや、でもね、その15年。僕は15年間ずっと見てきたわ けじゃないですけども、 すごくね、楽しくなんか、自分からもうとにかく楽しく やってる雰囲気っていうのがね 、すごくあるんですよ。だから、なんか誰にも強 制されず、自分がやりたい、楽しむた めにやってるのか楽しくてやってるのは定 かではないですけど、そういうイメージが強いんでね。

小泉:
そうですか。

中居:
ぜんぜん今までも十分楽しんで?

小泉:
そう、楽しかったんだけど、けっこう若い時とかは反抗 心とかがいっぱいあって 、なんか。

中居:
え?例えばどんな?

小泉:
例えば「アイドルとは?」とか、そういうふうに見られ ることが多かったじゃな いですか。だから、その「アイドルとは?」っていうも のの外に出てやろう外に出てやろ うっていう楽しみ方をしてたのね。

中居:
脱線してやろう?

小泉:
そう。だから、なんか変な髪形してみたりとか、変なメ イクしたりとか、変な格 好したりして。

中居:
かなりイッちゃってるやつ多かったですよね。

小泉:
そう。だから、発言とかも、思いきって変なこと言って みたりとかね。なんか、 そんな意識してたわけじゃないんだけど、その反抗心っ ていうのが楽しみに変わってそ ういていたのね。でも、それってすごく楽しかっ たんだけど、結局でも何かを越えたい からそうしてたじゃない、きっとね。で も、最近やっとその越えたいものっていうのが 、いい意味でなくなってきて、本 当に自分の人生のためにもっと楽しもうっていう気分 に変わってきたっていう感 じ。そういうのありませんか?

中居:
僕なんかまあ、僕だけに限らず、SMAPもやっぱりそうい うのあったかもしれない ですよね。

小泉:
あるよね。そういうのがやっぱりSMAPも伝わってくる。

中居:
なんか今までね、引かれたレールというか、そういうも のから脱線したいじゃな いですけども。やっぱりそのアイドルじゃないですけ ど、僕なんかが出た時っていうの もアイドルっていうね、イメージがやっぱり強 かったですから。

小泉:
そうだよね。

中居:
そのイメージを壊したいっていうのがね。そういうのは やっぱり、日頃からありましたね。

小泉:
でも、そこで得たものって、きっと大きいでしょうね。

中居:
大きいですね。

小泉:
だから、その、ほら、アイドルなのにお笑い出来るとか さ。ああいうのって強いですよね。

中居:
どうなんでしょうね?強いんですかね?

小泉:
いや、でも、やっぱり本当にちゃんとしてないと出来な いことじゃなない。ちゃ んとしてないとっていうか、いろんなこと考えたりと か、頭良くないとそれこそ出来な いこともあるし。

中居:
でもキョンキョン、吉本の新喜劇出てましたよね?

小泉:
ああ、なんかね、昔。

中居:
ありましたよね。

小泉:
あのね、隠し芸大会かなんかに。

中居:
ええ。僕、あの時に、なんかすごい悔しかったんです よ。

小泉:
やりたかった?

中居:
いや、だから、あれもけっこう前じゃないですか。まあ でも、その時のキョンキ ョンて、そんなにもうアイドルとかね、昔のイメージ じゃなかったんですけども。

小泉:
そうですね。

中居:
「なんだ!?そんなことまでしちゃうのかよ!?」っていう ね。なんかルール違反 をしてるっていうかね。そういうことやられて、なんか悔 しいじゃないですけどもね。 あの時、自分から?

小泉:
いや、なんか「こういうのやりませんか?」って言われ て、私も嫌いじゃないので「あ、やります」って言っていそいそと大阪に。

中居:
でも、ああいうのも今までの形式ではやっぱり考えられ ないようなことですよね 。

小泉:
そうですよね。変ななんかチチクリマンボとかやらされ たもん。

中居:
何の抵抗もなく?

小泉:
ええ。

中居:
じゃあ、事務所とか何かないんですか?「これやったら イメージが崩れるんじ ゃないか」って。昔からそう思ってたんですけど、メイク にしろ衣装にしろ、イッちゃっ てるやつ多かったじゃないですか。

小泉:
なんかね、途中で諦めたみたい。「この子はそうやって 『こうしろ、ああしろ』って育てると、絶対にどっかでケツまくる」じゃないけ ど………、なんかちょっと下品 な言葉でしたかしら?なんかね、あの、「じゃあ いいや、もう辞めちゃう」みたいな 、どっかそういう危険を持ってる子だったん だと思うのね。

中居:
事務所サイドとか周りのスタッフは察知したんでしょう ね。

小泉:
だから、わりと本能的にみんなもそれを感じて、「じゃ あ、この子から出てくるものをサポートしてあげよう」っていうふうに。わりと だから良かったですね。

中居:
じゃあ、ウマい具合に、まあウマい具合って言ったら失 礼ですけども、自分にとっても周りの人にとっても、いい感じに年を重ねてるっ ていうのかなぁ。

小泉:
そうですね。自然にやってこれた。

中居:
すごい自然ですよね。まあ、自由気ままっていうわけに はいかないでしょうけども、自分のやりたいことであったりっていうのはやっぱ り突き通してやってきたんでしょうね。これからどうなんですかね?どうなっちゃ うんですかね

小泉:
どうなのかな?

中居:
赴くままなんでしょうね。

小泉:
うん。

中居:
さきほどほら、「今までの15年は楽しかったけども、そ れ以上により楽しいこれからを迎えたい」って言ったじゃないですか。どうすれ ば楽しくなるんですかね?

小泉:
私のね、理想っていうか夢は、お婆ちゃんになった時 に、やっぱり一番カッコよくなきゃ嫌なのね。

中居:
カッコいい?

小泉:
60、60じゃまだお婆ちゃんて言ったら悪いか。

中居:
60、70ですね。

小泉:
70とかの時に、もう貫禄があって、もうすごいカッコい いお婆ちゃんになってた い。

中居:
カッコいいお婆ちゃんていうと、どういうふうな?キョ ンキョンの頭の中には 今どういうのが浮かんでるのか僕わかんないですね。

小泉:
えぇとね、やっぱ貫禄があって、例えばあの、いつまで もいろんなことに興味を 持ってて、お婆ちゃんになってもね。それで、皺とか いっぱいあってもいいんだけど、その皺がさ、説得力あるっていう感じの人にな りたいんだよね。なんか疲れちゃって、「淋しい人生だったわ」っていう皺じゃ なくて、なんか「堂々と生きてきたのよ」って いう、そういう人になりたくて。 でも、それが私の一番の理想だから、そのために毎日 があるんですよね。だか ら、すごい長い道のりなんだけど。

中居:
長いですね。

小泉:
すごく遠くに目標を置いてるから、ゆっくり歩いていっ ても辻褄合うかなと思っ て。だから、毎日毎日をカッコいいお婆ちゃんになるた めに、後悔しないように精一杯 楽しもうっていう感じなんだけど。ちょっと漠然 としてる夢だけど。

中居:
70?

小泉:
70ぐらい。

中居:
今まで生きてきた人生30年の倍以上ですね。

小泉:
うん。

中居:
その時になんないとわかんないですね。自分の人生が良 かったのか、悪かったの か、納得できものであったのかっていうは。

小泉:
うん、そうだよね。だから、本当に経験できることは出 来るだけ何でも経験して みたいし。

中居:
でも、それっていうのは、もしかして60、70の段階じゃ なくて、40になっても50 になっても常にやっぱりカッコいい40だったり。

小泉:
そうだね。その時々でやっぱりそういう通過点はカッコ よく決めておきたいっていう感じはもちろんあるけど。

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