TK MUSIC CLAMP

Vol.49

CLAMP TALK


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CLAMP TALK :林田健司


中居=中居正広
林田=林田健司

中居:
いちばん最初の提供は「$10」?

林田:
「$10」ですね。

中居:
ね。だから、僕なんかが「あ、いい感じになってきた なぁ」って思ったのは「$10」からですもん。

林田:
うん。「$10」は最初っから似合うと思ってましたよ、 僕は。

中居:
あ、僕らにですか?

林田:
ええ。

中居:
本当ですか?

林田:
本当です、本当です。

中居:
だって、最初はでもSMAPに作ったわけじゃなく、林田さ ん個人で自分で作って自分で歌われてた曲ですよね。

林田:
そうです。

中居:
それをあの、僕らが歌っちゃうっていう。まあ、「青い イナズマ」もそうですけども、そういう気持ちってどんな気持ちなのかな?って。

林田:
いや、似合ってる曲を歌ってもらうのは、ぜんぜん問題 ないと思いますね。

中居:
でもほら、ね、獲られちゃうわけじゃないですか。

林田:
まあでも、形のないものじゃないですか、音楽はね。だ から、「獲られる」っていうのはあんまないんですよ、頭には。

中居:
そんなもんですかね?

林田:
うん。

中居:
でも今ね、テレビを見てる人に、「林田健司というの は、どういう音楽を作る人ですか?」「どういう歌を歌う人ですか?」って自分で 説明して下さいっていったら、どういうふうに説明します?まだ林田さんのことを 何にも知らない人に対して。

林田:
そうですね、あまり深く考えてないんですけど、始めた 時のきっかけも。

中居:
え?始めた時のきっかけっていうのは?

林田:
もともとはあの、ハードロック少年で。

中居:
え?ロックやってたんですか?

林田:
ええ、そうです。

中居:
え?バンド?

林田:
ええ。

中居:
え?それ、いつ?年齢はいつ頃ですかね?

林田:
あのね、いちばん最初にロックに目覚めたのは小学校5 年生の時。

中居:
10歳とか11歳?

林田:
それぐらですね。

中居:
へぇー。いちばん最初にじゃあ、楽器を手にしたってい うのは?

林田:
ギターです。

中居:
ギター。それが小学校?

林田:
それはね、小学校3年生ぐらい。

中居:
3年生!?

林田:
うん。

中居:
え?それは何を見て?何がきっかけで?

林田:
ギターを弾いたきっかけですか?

中居:
ええ。なんか、何かしら、テレビであったり耳に入って くる音楽がきっかけになると思うんですよ。

林田:
ギターはね、うちのね、従姉妹のお兄さんちにあったん ですよ、ギターが。それがあまりにもカッコよかったからね、弾いちゃったんで すよ。まあ、その人もバンドやってたんですけど。いちばん最初はそれがきっか けですね、ギター弾いたのは。

中居:
じゃあ、もうぜんぜんわからないゼロからのスタートで すよね。

林田:
そうですね。

中居:
で、もうただいじってるだけ?最初は。

林田:
いや、でもね、何か音は出してた記憶があります。いわ ゆる「禁じられた遊び」とか。あのへんのフレーズを弾いてたような気が最初は するんですよ。

中居:
それからやっぱり、いろんなテレビを見たり。いちばん 最初に憧れたっていうか、コピーしたバンドの人って?

林田:
多分、キッスだと思います。

中居:
ああ、ああ。

林田:
それが小学校5年生ぐらい。

中居:
もうもろハードロックですよね。

林田:
でもね、曲はポップなんですよ、今考えてみても。

中居:
そうですかね?

林田:
うん。曲はすごいポップ。ロックやってた頃は、どうして もね、薄っぺらい音楽になっちゃうんですよ、自分で作ってて。

中居:
え?どういうですか?

林田:
なんて言ったらいいんでしょうね?

中居:
薄っぺらい?

林田:
あの、ウマく表現が出来ないんですけど、立体的じゃな いんですよ。平たい音楽のような感じがするんですよ、自分でやってて、ロック だとね。で、これがよくないなと思ってベースを弾くようになったりして。「リ ズムが足りないんだな」って思うようになったんですよ。そうすっとこう、なん か飛び出してくるものがいろいろあって、そうなってきてからは今の形態になっ てきて。だから、ロックっぽさもありながら、踊れる感じもありながら。そうい うふうにはなってきましたね。

中居:
ロックやってる時は物足りなかったんでしょうね。

林田:
うん。足りないんですよ。今でも聴くんですけどね。 やっぱり平面的に聞こえるんですよね。

中居:
で、ダンスミュージックを。だって僕なんかだってデ ビューする前とか、林田さんの曲どんだけ歌ったかわかんな いですもんね。

林田:
あ、そうですか。

中居:
ええ。「運命ゴーゴーゴー」。

林田:
はいはい。

中居:
あれも歌いましたし、本当もう数え切れないですよ。

林田:
あの、前は何も。例えば、曲を作ろうと思ってなくて も、アイデアは浮かんで来たんですよ。「こういうのやろうかな?ああいうのやろ うかな?」って。でも、最近はね、まあ曲もいっぱい作っちゃったもんですから、 なかなか「やろう」と思わないと出てこないんですよ。だからもう、ちゃんと 「作ろう!!」って思って。「こういう曲を作ろう」って思って四苦八苦してま す。例えば、コンピューターの前にも向かって打ち込みもしたりしますけど。で も、一番いいのはやっぱ、イメージだけ頭に浮かべといて、シャワー浴びてたり とか散歩してたりとか。そういう時のほうがやっぱり浮かびますね。

中居:
ああ、やっぱりそう。けっこう無気力までいかなくて も、自然体で私生活してる上で、なんかポンッと浮かんでくるフレーズっていう のはあるんですね。

林田:
うん。だから、その時のシャワーは楽しいですよね。僕 なんか歌いながらもう♪ハァー!〜って感じで。

中居:
気持ち良かったりするんだ。

林田:
気持ちいいですよ。もう出てきても、なんか変にハイテ ンションですしね。

中居:
へぇー。あ、そうですか。今あの、このあいだ見たんで すけど、プロモーションビデオでニューヨークに行かれてましたよね?

林田:
ええ。

中居:
ニューヨーク、レコーディングもあっちでやったんです か?

林田:
いや、前回はそうですね。

中居:
ニューヨークのほうで?

林田:
ええ。

中居:
あの、いろいろ僕も小室さんが来たり、あと小林武史さ んがこっち来られたりしてるんですけども、みんな言うんですけども、「なんで 日本でやらずにニューヨークでレコーディング、いわゆるロンドンであったり海 外でするんですか?」って聞いたら、変な話、あっちよりこっちのほうが、日本の 器材のほうが良かったりするじゃないですか。

林田:
ええ。

中居:
ね。それにも関わらず、なんでニューヨークでレコー ディングするのかな?って。日本と何が違うと思います?

林田:
電圧*
*「電圧」
これって実は本当で、日本に比べてアメリカは20ボルトほど高いんです。で、 これが実はアンプの能力を左右してしまって…、パワーがでるから音質に厚みが 出て来るんですね。判りやすく言うと、機械が無理をしないから、余裕で仕事し てる。だから調子いい!ってわけなんです。

中居:
………?

林田:
そうじゃないんですけど、電圧でも違うらしいんですけ ど。

中居:
おかしいですね、それ、林田さんね。

林田:
あの、僕もね、もともと「なんでニューヨークとか海外 でレコーディングなんかすんのかな?」って思ってた派なんです。「いいじゃん、 日本人が日本の音楽作ってんだから、日本でやれば」って思ってたの。

中居:
そうですよね。僕もそう思うんですよ。

林田:
でもやっぱり、行ってみて目から鱗がコロコロ落ちてく 感じがしましたよ。

中居:
え?どういうことですか?やっぱり空気とかなんですか ね?

林田:
たまたまニューヨークがやっぱり乾いてたので、ロスに はまだ僕行ったことがないからわかんないですけど、空気ももちろん乾いてます し。音楽をなんか日本で作ってると、工場でなんか作ってるとか。お仕事ってい うか。そういう雰囲気が漂うんですよ。

中居:
ああ、わかるような気がしますね。

林田:
作ってる姿勢が、すごく楽しそうなんですよね。音楽、 本当に。特にミュージシャンの人に僕は向こうで会えたので、素晴しい人たちに 会えたので、「あ、音楽って楽しかったんだな」と。

中居:
ふーん。

林田:
なんか「こうじゃなきゃいけない」とか言って、それに 向かって一生懸命ただやってんじゃなくって、楽しく「どうだぁ!!」ってやって るのが正しいんだなぁと思って。

中居:
へぇー。やっぱ、ある意味ではその解放感ていうものな んですかね?ちょっと解放された、まあ、時間的には追われてるんでしょうけど も、追われてる雰囲気じゃなく、なんか伸び伸びと解放的な中でできるっていう ことなんでしょうかね?

林田:
うーん?何がやっぱりいちばん違うかっていえば、姿勢 ですよ。音楽に対する姿勢。

中居:
まあ、仕事に対する姿勢。

林田:
うん。なんか、「俺はこれだ!!」とかいうのを提示して くるわけですよ、向こうのミュージシャン。まあ、日本のミュージシャンの方も そうですけど。「どうだぁ!ハッハッハ!!」とか言って帰ってく感じなんですね。 でも、日本だとなんか、だんだん萎縮してっちゃうんですよ、やっぱりやってる と。「これでいいのかな?」「マズいかな?」とか「大丈夫?」とかいう感じなんで すけど。向こうにはそういうのがなくて、向こうの人たちはみんな。「これでい いんだ!ハッハッハッハ!!」ってやってんですよ。そこがやっぱいちばん違います よ、きっと。

中居:
「今度の林田は何を出すんだ?」みたいな期待感はあり ますよね。だから、僕なんか自身も本当、あるんですよ。例えばアルバムの時で も、「なにを今度やらかすのかな?」っていうのもありますよね。どんな、まあ、 ダンスミュージックもそうですけども、ポップスもそうですけども、「なにを今 度は歌ってくれるのかな?」ていう期待は本当、ありますね。うん。で、逆にその 期待を裏切るのが好きだったりするんですよ。

林田:
うん。

中居:
「え!?なに?これ。おい!!」っていうのが、もちろん自 分も好きなんですよ。自分の中で好きなんだけど、「こっちできたかぁ!?」。

林田:
なるほど。

中居:
そういう裏切りみたいってのは、けっこう好きですけど もね。今後も多分そうでしょうね。一つのジャンルに囚われず。

林田:
そうですね。

中居:
でも、「これだけは自分の中で失くしたくない」じゃな いですけども、うん、常に思っておきたいっていう音楽に対するなんか。

林田:
なんか、腰にグッとくる感じとか。

中居:
腰にグッとくる感じ?

林田:
「なんかリズムとっちゃうな」とか「なんか楽しくなっ ちゃうな」とか、そういう人間を動かすようなものを。「うーん」て聴かれる じゃなくてね、そういう一つ動作を起こさせるようなものがやれたらいいですよ ね。「笑っちゃう」とかなんかね。そういう一つは一曲にやっぱり欲しいな、と は思ってますけど。

中居:
それは、聴いてるほうのどんな動きでもいいんですね?

林田:
うん。

中居:
例えば、足でリズムをとったりとか。例えばまあね、リ ズムを刻むじゃないですけども、身体でとったり足でとったり。なんか動き出す ような音楽を作っていきたい。

林田:
そうですね。

中居:
これはやっぱり、常に多分、今後ずっとそれを思い、気 持ちに置いた音楽作ってくんでしょうね。

林田:
出来る限り。「もう完全にネタねぇっス」というとこま ではやろうかなと。

中居:
へぇー。でも、それは楽しみの一つでもありますよね。 どんな曲が出てくるかっていうのは。

林田:
そうですね。

中居:
それは、僕だけではなく、多分、他のメンバーもそうだ と思いますけどもね。まあ、いい意味で僕たちを裏切りつつ、ファンの人たちを 裏切りつつ、いい曲を作っていただきたいと思いますね。

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