CLAMP TALK : 高見沢俊彦


TK in Talking with TAKAMIZAWA.



高見沢:
TMって結局10年?

tk:
10年。

高見沢:
ぴったり?

tk:
ぴったり。

高見沢:
そうか。

tk:
もう一日も狂わずにぴったりです。

高見沢:
なるほど。そのTMクローンていうのがけっこうさ、出たじゃない。

tk:
うん。

高見沢:
それってやっぱり、そういう予感もあったのかな?予想っていうかさ。

tk:
どうですかね?

高見沢:
だって小室哲哉独特じゃん。結局、俺たちなんかさアルフィーだけど、コピーバンドだったからさ。CS系のあれとかの。サイモンとガーファンクルとか。クィーンとかさ。そういう要素をどっか取り入れるっていうの。遊びながらね。

tk:
僕もそうですよ。

高見沢:
そう?

tk:
うん、基本は。

高見沢:
でも、それは見えないだろ。

tk:
僕の場合はそれが細か過ぎて、多すぎるんだと思うんですよ。

高見沢:
そうかな?そこなのかな?

tk:
一曲に何十アーティスト入っちゃう。

高見沢:
入れちゃう。俺はね、逆に見せてわからせたいっていうかさ。

tk:
なるほどね。

高見沢:
「これはこうなんだよ」みたいな。フレーズにしてもね。敢えてそうしてるんだけどね。

tk:
僕のはね、もうジューサーミキサーみたいなもんです。

高見沢:
混ぜちゃうんだ。

tk:
ガァーッとなっちゃうから。

高見沢:
あ、もうグチャグチャにしちゃうんだ。ミンチ状態。

tk:
うん。そうですね。

高見沢:
そうか。その差か。

tk:
一小節、二拍単位とか。

高見沢:
それは多すぎないか?でも。ちょっと。

tk:
まあ、一小節っていうことはないね。

高見沢:
例えば八小節単位とか。

tk:
とか、イントロからAメロ、Bメロとか、でサビと絶対違うね。

高見沢:
絶対違う。

tk:
イントロとサビ同じなんか、やっぱワザとじゃなくて出てきちゃうね。

高見沢:
まあ、特にほら、あんまりこうなんていうのかな?ここ、音楽的な話ししても構わない?

tk:
音楽番組ですから。

高見沢:
ああ、そうか。意外とほら、リフで作るじゃない。

tk:
ああ、そうですね。で、ああいうリフは、そこからだからなんでもいいや、ディープ・パープルだとするじゃない。でも、上に乗っかるものはオリビア・ニュートン・ジョンだったりするかもしれないわけ、俺の場合はね。

高見沢:
そういうことか。

tk:
で、リズムがソウルだったりモータウンからっていうんで。縦に考えて、全て。

高見沢:
なるほどね。あんまり和音ていうかさ、パッド系使わないもんね。

tk:
そうですね。それはね、キーボードのコンプレックスっていうか。キーボーディストとして、普通はキーボードだからコード綺麗じゃない。

高見沢:
そうだね 。

tk:
でも、やりすぎると自分でまあ。

高見沢:
そこで見えちゃうからね、自分で。それはないなぁという気はしたね、俺は。

tk:
高見沢君の場合はちゃんとメロディをきちっとギターなりでフレーズを作って。

高見沢:
まあ、キーボードの場合もあるんだけど。フレーズっていうかメロディを作ってから。

tk:
で、そこに合ってるか合ってないかをきちっと自分で作ってくって感じですか。

高見沢:
はめ込んで作って。まあ、それが一番今のところはね、いいんだけどさ。とにかくまあ、アルフィーの作り方と、また他の作り方と違うけどね、それはね。
転調感てさ、話しまた変わるけどさ。あれってさ、キーボーディスト独特だよね。

tk:
あれ、打ち込みから入ってるから、最初に。で、キーボードも独学で、べつに教育されてるわけじゃないからさ。

高見沢:
習ったことないんだよな。

tk:
うん。習ったことないから、すんなり#とかポンて全部コードとかできなかったから、そのころはなかった、転調とか。

高見沢:
あ、そう。

tk:
うん。打ち込み始めてから。

高見沢:
トランスポーズで?

tk:
トランスポーズでボタンをポンッて押して、カンッて変わって繋げて聞いてみたら。

高見沢:
あ、いいじゃん、みたいな。

tk:
うん。

高見沢:
でも、法則には合ってるじゃん、とりあえず。AmからF#にグンと落ちるとかさ。

tk:
そうだね 。いや、でもね、べつに楽典見て調べたわけじゃないし。

高見沢:
あ、そうなんだ。

tk:
そこらへんはもう、気持ちいいか悪いかだけ。

高見沢:
あ、聞いた瞬間に。

tk:
うん。

高見沢:
すごいのもあったけどな、なんか。

tk:
一回言われた。

高見沢:
すごいよな。

tk:
覚えてる。

高見沢:
これってさ。

tk:
「ビヨンド・ザ・タイム」って曲。

高見沢:
そう、「ビヨンド・ザ・タイム」そうそう。

tk:
TMネットワーク。

高見沢:
そうそう。あれが、「おいっ」って。頭ガコーンと叩かれた感じがしてたけど。

tk:
階段から2〜3段、もっとですね。下まで落ちたぐらいかね?

高見沢:
なんかさ、すごいよ、あのなんつうの?落ちる感じ。俺、「これ違うんじゃねぇか?」と思ったんだけど、聴いてるうちにさ、それがよくなってくるって不思議だよね、転調っていうのは。けっこう刺激受けたかもしんない、あれは。

tk:
あれはうん。ちょっとびっくり。

高見沢:
だって、聴いててさウッて(テーブルにかけていた肘が落ちる)「なんだ?これは」って感じ。すごかったな、あれは。

tk:
あれ、シングルにしてますからね。

高見沢:
けっこう好きだよ、あれ。あのテーマは。

tk:
そう、もう一曲あるんですけどね。あの頃は無茶してましたね。

高見沢:
けっこうすごいよね。なんかお互いにあの頃さ、俺も「あ、よし。小室がここまで転調してんだったら俺もやってやる」って。俺もなんか、転調だけ闘ってどうすんだって。誰も歌えない。だからカラオケにないんだよ。

tk:
そうですね。あの頃はないね。

高見沢:
ないよ。ちょっと見るじゃない、一応サーッと。「あ、ねぇな、やっぱり」。お互いなかったけど。

tk:
TMネットワークとアルフィー合わせてもね。

高見沢:
そう。だって負けちゃうもんね、他の。

tk:
4〜5曲しかなかったよ。

高見沢:
4〜5曲しかないんだもんな。僕なんかのコーラスがあるからさ、余計に歌いづらくなっちゃうのかもしれないけど。

tk:
で、あの頃コピーする人もそんなに優れた人いなかったんじゃないですか?あのカラオケ屋さんの。レーザーとかだって。

高見沢:
ああ、そうか。そうだよな。

tk:
今みんな、慣れてきてるからけっこう似てるのもあるけどな、今カラオケで。

高見沢:
あ、そう。

tk:
感心するのもある。でも、「Departures」はちょっと。

高見沢:
ダメだった?

tk:
間違えてますよ。

高見沢:
言っといたほうがいい。間違ってますよ。いいですよ。

tk:
(カメラに向かって)間違ってますから。サビのコードを間違えてて。

高見沢:
サビのコード間違えてるの?

tk:
残念なんですよ。

高見沢:
それって致命的じゃない。

tk:
致命的なんだけど。

高見沢:
それは抗議した方がいいよ。

tk:
打ち込み直してあげようかなと思って。

高見沢:
自らが?

tk:
うん。難しいのかもしれないけど。

高見沢:
それぐらいは。小室ぐらいはわかるよ。

tk:
ベースがね、ごめんね、また深い話しで。ベースがね、ペダルでずっとリフが一緒なんですよ。

高見沢:
テンションでいってんの?

tk:
ずっとベースは同じリフで。上のコードが…?

高見沢:
自分で忘れるなよ。

tk:
ピアノでちゃんと動いてる。

高見沢:
それが動いてなかったの?

tk:
Fm→C♯→B♭→Fmっていうそれだけの循環。

高見沢:
それがとれてないの?

tk:
それがなんかね、下がってっちゃったりするのね。いわゆるあの「ハートブレイカー」状態。

高見沢:
ああ、ああ。Am→G→Fいくみたいな。

tk:
そういうパターンになってた。

高見沢:
あ、そう。

tk:
いいませんけど、某、有名な通信カラオケのとこですよ。

高見沢:
あ、そう。そりゃマズいね。

tk:
直るといいんですけどね。

高見沢:
直るといいですね、これを機会に。

tk:
それをいおうと思ってたんですけどね。まあ、いいや。

高見沢:
ああ、そうか。あとねぇ…。そうだなぁ…。俺、初めてコンサート見た時さ。

tk:
TMの?

高見沢:
キャロルの。もうびっくりしたよ。あれはほら、あの頃でミュージカルやってたじゃない。早かったね。

tk:
早かったって、今みんなやってんですか?

高見沢:
いやいや、いや。早いっつうかさ、ああいうことすること自体がさ、そういうロックグループっていうの?

tk:
あれからでも、いないんじゃないですか?あんまり。

高見沢:
いや、僕もああいうのやりたいなと思ってた時期だったんだね。先いっちゃったね、キャロルね。参ったな。「どうせあんまり筋がないんだろうな」と思って行ったらさ、けっこうちゃんとしてたじゃん。参ったな。

tk:
今でいったらあれですね。ロールプレイングゲームみたいな感じでしたね。

高見沢:
そういう感じだったよね。なんかゲームのさ、セットが変わってってさ。

tk:
そうですね。またやってみたいという気もするけどね。自分は出ないけど。

高見沢:
出ないで?

tk:
出ないけど。

高見沢:
出てよ、キーボードで。この状態でいくと。例えばglobeの場合はさ、ステージやるの?

tk:
困ってんだよね。

高見沢:
だって、やっちゃったらさ、時間がとられちゃうから出来ないだろ?だって。

tk:
うちのスタッフがニコニコして「3日に1曲で済みますから、小室さん」とか言いますからね。

高見沢:
え?3日に1曲?詞も曲も?すべてアレンジも?

tk:
まあ、一応楽曲って意味では。

高見沢:
3日に1曲?

tk:
ぐらいの計算になっちゃうんですよ。

高見沢:
今の形でいくと?

tk:
ええ。

高見沢:
それはちょっと辛いな。体壊すね、そのままいくと。

tk:
そう思いますね。

高見沢:
壊すまでいくか。

tk:
せめて一週間に1曲でいきたいですね。

高見沢:
でも、それは許されないかもしれない。だから、壊すまでいって、壊してからまた少し整理してけば?

tk:
考えてね。

高見沢:
きっと壊れないよ。

tk:
そうかなぁ?

高見沢:
意外とタフなんだよ。ミュージシャンはタフじゃなけりゃやってらんないじゃん。

tk:
そうですよね。

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