MUSIC SCENE Vol.15



TOMMY's BEST 5 (4th week of JAN.)

  1. IT'S ALL OVER NOW. BABY BLUE / BOB DYLAN & GRATEFUL DEAD [FR010 : Flamingo Records]
  2. Sons of Ailana vol.1の1曲目 / SACHIKO SHIMA & KENJI YANO [QRCD-001 : QIUOTCHEE RECORDS]
  3. GRAYFOLDED / GREATFUL DEAD
  4. 「アジール・チンドン」/ ソウル・フラワー・モノノケ・サミット [RES-6 : リスペクトレコード
  5. PUNA HELE / RAY KANE [BVCW-620 : DANCING CAT RECORD]
    1.は1987年7月19日オレゴンでのライブの海賊版.LINE OUTらしく音質良.
    DYLANのボーカルはひとりだとつぶやき.THE BANDとだと歌い,DEADとだと漂う.とてつもなくメローなJELLYのギターにとろけそうになる.このバージョンにはハマった.ここのところ1日の終わり,寝る前はこれ.11曲目のQUEEN JANEも泣ける.

    2.は三線ウクレレとギターの写真ジャケットに引きつけられて買ったが,これが当たった.
    オキナワン・ハワイアン・カリビアン・メローミュージックとでも言おうか.1曲目の34分版のメドレーには×○×○.

    3.随分前にハマってたアルバムだけど,なくしてしまって困ってたらTOWERでみつけた.またしばらくはまりそう.

    4.神戸のイベント(長田神社)はとってもあったかかった.
    ソウルフラワーも,山口君もみんなよかった.泣いていた人も有.ライブ終盤のカチューシャ大会には思わず参加.とても寒い日だったけど,心はあたたか.
    日本人の中川が日本語のコブシのきいたうたをうたうときのボーカルはうれしそう.ロックをうたうときよりも開放されるのか.やっぱり血なのかなぁ.

    5.はおすすめ.他にもBMG(DANCING CAT)からスラック・キーが山ほど聞けるシリーズはたくさんでてる.
    僕はギター奏法で一番好きなのがスラック・キー.ブルーズ・ギターよりも気持ちいい.スラック・キーとはキー(弦)をゆるめるという意味です.

    PEACE (^_^)


    REPORT FROM POCCA

    「江戸のチーマー」by 椿アンナ
     今日、リビドーというバンドのLIVEを観に行った。といってもPと僕が会場である渋谷TAKE OFF7に着いたのはリビドーが最後の曲を奏でている最中だった。
    唄っているのは、かつて、アマチュア・バンドでありながら、あの「坂本龍一を呼んだ男」として、フジテレビジョンの深夜ドキュメンタリー「NONFIX」で特集された倉本美津留氏だ。もっと言うならば、我らが「HEY!HEY!HEY!」の構成作家であり、「ダウンタウンのごっつええ感じ」を初めとして、ダウンタウンの一連の番組のほとんどで構成を担当している倉本美津留氏だ。最後の曲を唄い終えた倉本さんはコーダの部分でこう言った。
    「歌を唄うって、ホンマ気持ちエエなぁ」  いつも「HEY!HEY!HEY!」の会議に来るそのままの格好で倉本さんはそう言った。
     そうなんだよなぁ・・・身に染みる一言だった。何かを表現しようという一種、露出狂的性格を持っている人間は、おそらく自らが「気持ちよく」なるためだけに、その快感を得るためだけに、怠惰な自分にムチを打って、頑張ってるんだろうなぁ、と思った。でなきゃその類の人間は、怠け者に決まってるから、頑張れるはずがないもの・・・逆に言えば、その快感は、その手の快感を得るために 頑張れる人間のみの特権だ。

     「全部、一緒だ!」と最近よく思う。

     こないだ昔昔大昔に買ったパンクの写真集を見ていた・・・「やっぱパンクってすごかったんだなぁ」と思ってしまった・・・うかつにも・・・その後、5秒間立ち止まって考えていたら、絶対買うことはなかっただろうなぁ、と思われる一連のパンクのレコードを聴き漁った。聴きながらウォーホルの写真集や佐伯俊男の写真集を見ていたら、全部パンクだった。「やっぱパンクってすごいや!」と思ってしまった・・・うかつにも・・・パンクはその後に出てきた全ての産物に許可を与えた!
    もっと言うならば、それ以前の居場所のなかった産物たちにも許可を与えた!だから今、やりにくくなっているのも事実なんだけれども・・・
     モノを表現する上でそのジャンルがなんであれ、そう大差はない。その人の中に確固たる見せびらかしたいものがあるならば、そのジャンルが音楽であれ、写真であれ、映像であれ、文章であれ、絵であれ、ダンスであれ、ファッションであれ、大差はない。そのイメージを最も原始的に具現化する術は音を鳴らすことと踊るというパフォーマンスだし、その踊りの形態を原始的な方法で、一枚の紙に納める術が絵画だし、もっと進んで、その形態を人工的な方法で、一枚の紙に納める術が写真だし、それに動きをつけたものが映像だ。今や、映像も写真もその上をなんらかの絵画的な手法で加工することに躍起になっている。皆ありのままの状態では満足しない。作り手も受け手も・・・写真にペイントするタブーを正面きってアートだと言い切ったのはウォーホルだ。彼もパンクに許可を与えられた一人だ。
     モノを表現する上でそのジャンルがなんであれ、そう大差はない。「全部、一緒だ!」同じ人間が音楽というモノと、映像というモノと、ファッションというモノを一度に表現しようとしたら、それは間違いなく同じモノになる。だから、性格の出ていない写真や映像やファッションは絶対に嘘だし性格を出せない人間にモノを表現する資格はない。資格はない、なんて高尚な言い方よりも、意味がない、と言った方が適切だ。
     「坂本龍一を呼んだ」倉本さんのLIVEには、なぜだかミッキー・カーチスが来ていた。そもそもがロカビリアンな僕は、気になって仕方がなく、倉本さんに聞いてみた。
     「ミッキーさん、俺らのこと気に入ってくれてんねん。だからマジでオモロイことなるかも知れへんねん。」今まで僕らには絶対に見せたことがないような無邪気な顔して倉本さんはそう答えた。その笑顔には、とっても勇気づけられた。よく、「どっちが本職かわからない」というような言葉を耳にする。その疑問に明確な回答を与えるならば、「金になってる方が本職だ」というより他、仕方がない。そもそも本職なんてものはない。たまたま、どちらかが事の成り行きで「金になっている」だけだ。
     モノを表現したい、と言うよりは、「俺を見せびらかしたい!」という欲求を持った人間は皆、何らかの形で世の中にアピールする。倉本さんにはたまたまそれが、音楽というフィルターと、文章というフィルターだったにすぎない。そのどちらからも同じニオイがしていた。

    1996/01/25 from POCCA


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