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NON EDIT TALK : 小室哲哉★真心ブラザーズ


小室:
はい。真心ブラザーズの。

桜井:
はじめまして。どうもどうも。

倉持:
はじめまして。よろしくお願いします。

小室:
はじめまして。みなさんですが、二人ですよね。

倉持:
はい。

小室:
えぇとですね、EPICの時、EPICっていうかまあ、EPICであるんですけど、僕も。EPICじゃなかったですか? 

桜井:
最初の1枚はEPICです。

小室:
あ、一枚だけだった? 

桜井:
ええ。

小室:
あ、本当。今、Ki/oonになったんですか。

桜井:
そうですね。

小室:
あの、よく真心ブラザーズのお二人は知らなかったんですけど、名前はよく僕たち使ってたんですよ、TMの3人で。

桜井:
あ、そうなんですか。

小室:
使いやすかったですね、なんか。比較する時とか、なんかいろんな較べる話しとかの時に、あの「真心ブラザーズさんて、出てきたじゃないですか」とかいう、EPICのね、会社の人に対して話しをする時に、なんか使わせてもらってた記憶があるんですね。

倉持:
「あいつら、あんなに適当にやってんじないか」って? 

小室:
こう、思い、軽いっていう意味でですね、その時になんか、「なんでこんなに動くの大変なんだ?」とか。いろいろスケジュールであったりとかいう時に、ポッと出てきてたイメージがあって。フォークギターですよね? あの頃。なんか、使わせてもらってたような感じなんですけど。

倉持:
いや、確かに身軽でしたよ、だから。

小室:
身軽ですよね。なんか、マネージャーさん一人と、スッと。

桜井:
その時はね、マネージャーさんもいなくて。

小室:
も、いなかった。

倉持:
EPIC預かりっていう感じで。

桜井:
そうそう、そう。当時EPICの課長クラスの人が、いろんな現場に上がってたっていう。

小室:
そういう話しも聞いてたかもしれないね。非常に身軽な感じで、羨ましかった時があって。

倉持:
で、8chのテレビ出ると、一回歌って、1万円、その場でもらって。

桜井:
その場でもらってた。

倉持:
今もまだ、なんていうの? 

小室:
あの、二人で1万円ですか? 

桜井:
いや、一人。

倉持:
最初5千円だったんですよ。二人で1万だったんですよ。

桜井:
で、プロデューサーの人が、「おめぇら、いくらもらってんだ?」「5千円ス! いつもありがとうございます」って言ったら、「おぅ」っていって、次の日から1万円になって。

倉持:
媚びは売るもんだなと。

桜井:
そうそう、そう。

小室:
倍になっちゃうんですもんね。

桜井:
そうです、そうです。

小室:
あ、じゃあ、やっぱり僕が思ってたイメージとは、近かったんですね。

倉持:
それをデフォルメしたぐらいすごかったかもしれないです。

小室:
本当に? それでずっと印象はまあ、さっきもちょっとあの「モルツ」のCMのとかも聴かせてもらって、「Aメロはこういう曲だったんだな」とか、ちょっと聴いて。で、昨日から今日にかけて、それで一番新しい…。

桜井:
『サマーヌード』ですか? 

小室:
ええ、『サマーヌード』聴かせてもらったんですけど、「あれ? どうしたのかな? どうしたんだろうな?」って。まず、ジャケットもそうですけど、元々ああいう指向はあったんですか? 

桜井:
いや、ぜんぜん。なんて言ったらいいのかな? 

小室:
なんか、すごい変わりましたよね? 

桜井:
この『サマーヌード』っていう曲の前に、5月に出したアルバムが、思いっきりロックなんですよ。ズカズカの。

小室:
あれですか? 『キング・オブ・ロック』ってやつですか? 

桜井:
っていうので。

小室:
さっきのあのパンクっぽいやつかな? 

桜井:
そうですね。モロ。

小室:
2バスみたいなドラムのやつですか? 

桜井:
そうです。ドカドカ、ドカドカやってて。そっからなんつうのかな? あの、コンセプトみたいの決めて。いわゆる落としどころっていうんですか? っていうのを決めて、そこにパワー集中してやる楽しさみたいのを。

小室:
ああ、いろんな役柄を? 

桜井:
そうです。

小室:
服を着てみるという感じですか? 

倉持:
そうですね。それで、『サマーヌード』に関してはまあ、どこまでこう、嘘を奇麗につくかみたいな。今までの歌詞は、けっこう自分の日常生活に起きたことを、拡大したり大きく捉えたりして作ったんですけど、今回はまあ、どこまでSFにっていうか、フィクションに迫れるかっていうかね。カッコいいフィクションをやろうっていうことで。

小室:
あれは桜井君、倉持君で、どちらが歌、リードはとってるんですか? まだ、声ではどちらがどっちだか。

倉持:
歌は僕です。

小室:
あ、頭から終わりまで? 

倉持:
はい。

小室:
桜井君は? 普通は? 

桜井:
僕は、えぇとですね、今までは作った人間が。僕はもうスタジオで「いいねぇ」とかいってる。「じゃあ、次いってみようか!」っていう。

倉持:
スタジオの仕切りですね。

小室:
お調子者という? 

桜井:
そうですね。 

倉持:
ああ、なんか虫が。

小室:
ここね、虫、多いんですよ。

倉持:
これはすごいですよ。

桜井:
密蜂ですよ。

小室:
このあいだ、B'zの稲葉君の時も、ミドリムシみたいのがいてですね。二人とも、あんまりそういうことを気にするゆうなキャラクターじゃないので。あの、二人はどんどん気にしてもらっていいですけど。

桜井:
いや、集中しちゃいました。

倉持:
すごいですね、これ。

小室:
虫、いますね。虫はいいんですけど、その、あれですか? じゃあ。

桜井:
僕はね、普段、ギター弾いたり。

小室:
太鼓持ちっていうわけじゃないでしょうね? 

桜井:
ギター持ちですね。

小室:
才能を持ち上げる役目じゃないよね? 

倉持:
あ、いや、そっちに近いですね。

小室:
ああ、そうなんですか。

桜井:
だから、プロデュース的な部分ですね。

小室:
なんかこう、なにげにその方向に持ってくという。アレンジとかも? 

倉持:
アレンジとかもそう。

小室:
ビジュアルからいうと、なんとなく勝手にね、倉持君の方がアレンジっていう顔をしてますけど。

倉持:
そうですか? 

小室:
まあ、顔じゃないですね。

桜井:
最近そういうこと言われてて。

倉持:
いや、僕はけっこう大人ですから。桜井の居場所を作って、レコーディングのコンセンサスを動かしているという。

桜井:
てめぇ、いい加減にしろよ。

小室:
影のプロデュースっていう感じですかね? 

倉持:
タカハラユキって感じです。ザオウゴンタと。

桜井:
僕もわかんないですから。

小室:
じゃあ、けっこう仕掛けてはいるわけですね。なにげにね、いろんな。

桜井:
最近ですね、そういうことは。その楽しみっていうんですか? 

倉持:
そうですね。

小室:
もう本当、虫がきますね。

桜井:
すごい好かれてますね。

小室:
あの、もっとすごい素のままを表現するようなお二人だと思ってたんですけどね。

倉持:
だから、今までその、日常生活をデフォルメしてっていうやり方が。

小室:
その時はそういうことでやってたんですか? 

倉持:
そうですね。 

桜井:
そうですね。 

倉持:
ドキュメンタリーに例えるなら、ドラマみたいなものを作る楽しさみたいなものっていうんですか? 

小室:
なるほど。

倉持:
主題があって、設定から嘘をつくっていうやり方の楽しさみたいなものに、気付いたのは最近ですね。

小室:
なんか、今の話しを聞いていて、けっこうコマーシャルとかをね、やっぱりたくさん、ある種、企画という感じでやってますよね? ああいうのも、じゃあ、ちゃんとね、考えた上でのとこなのかな? っていう気もしますけどね。

桜井:
コマーシャルたくさんやってくウチに気付いたことなんですよね。

小室:
そういうひとなんですか。僕なんかのね、ちょっと自分の昔のイメージのコマーシャルソングっていうのは、一番やっぱり山下達郎さんとか、大滝詠一さんとかっていう人たちの、コマーシャル30秒なり15秒の勝負をしてね、そこから自分の音楽性をチョコチョコっと出してたようなことで、コマーシャルの使い方っていうのはあれ、あの世界っていうのはあったと思うんですよ。で、ああいうのよりは、もう今、僕たちなんか、ほとんどCDを売るための、一つのアイテムっていうかね。そういう場所にしちゃってるんでね。ああいう時代のなんか、音楽の主張を少しでもしようというコマーシャルの使い方みたいのは、なくなっちゃって来てると思うんだけど。なんか、お二人のやってたのっていうのはね、まあ、そういうワザとそういうところで出してったりするのかな? とかね、思ったり。

桜井:
いや、僕らがコマーシャルの場でやってたのは、もっと極端で、なんていうのかな? コマーシャルの商品のためだけに、自分のキャラとかは、声とかでキャラを出すだけで商品をもっとウマく見せるというとこだけに精神を集中してやってたんですよ。それがもう、今までの普通の真心ブラザーズとぜんぜん180度違うとこだから、そっから面白さを見い出して。そこを自分たちのレコードにするっていう。

小室:
職人気質ですね。

桜井:
僕はね、けっこうそうだけど、この人はかなり天然な。

小室:
芸術系? 芸術系というかアーティスト系? 

倉持:
天才型ですね。

小室:
天才型ですか。

桜井:
自分で言う時点で、もう、きてますから。

小室:
職人気質と。気質と。まあ、でも、一番いい組み合わせじゃないですか、それは。

桜井:
なんですかね? 

倉持:
そうですね。バランス的に。

小室:
バランスとしてはいいですよね。二人は大体、あのダウンタウンの二人とかも、見ててもそうですよね。浜ちゃんがやっぱり、プロ、職人。で、まあ、松ちゃんもプロですけど、どっちかっていうとよく言われるように、天才肌じゃない。という組み合わせとか、そういうことですかね? 

桜井:
二人組っていうと、そういう。

倉持:
位置付けですか? 

小室:
二人組みってそういうの多いですね、そういうとこね。

倉持:
また、三人と二人で違う、あの、二局化していきますよね、さらにどんどんなんか、役割が。

小室:
三人組みはずっとやってましたから。ぜんぜん違いますよ、三人組っていうのはね。三人組っていうのは、もうさらに一人、なんていうかな? 気遣いの男みたいのが必要なんですよ。気配りの男っていう役柄が。

倉持:
いや、時々思いますよ。「もう一人いたら、なんかいいかな?」って。

小室:
もう一人ね、まあ、あの、そういうなんていうんですか? プロ、技術職というか、もうひたすらコマーシャルのことだけひたすら考えたりとか、そのアルバムのこと考えたりっていう気質っぽい感じの人がいて、で、芸術家の人がいて。三人組だとそれを「まあまあ、まあまあ」って、バランスをね、とってくようなところが必要なんですよね。

倉持:
でも、最近、僕ら「変わった」って言われ始めた頃から、付いてるディレクターの人が、多分そういう役割で。

桜井:
今、そうだね 。

倉持:
ほとんど3人でやってるって感じに近いですね。

小室:
え? 誰ですか? 

桜井:
ヤブシタっていうAntynosにいるディレクターなんですけどね。

小室:
あ、今Antynosにいる人? 

桜井:
そうですね。

小室:
僕、Antynosマネージメントですよ。

倉持:
あ、そうですよね。

小室:
そうなんですよ。まあ、結局、上は丸山っていう人ですから。

桜井:
ええ。あの、いつでも赤い靴下をはいてる。

倉持:
上はポロシャツですから。

小室:
そうですね。オバケのQ太郎みたいな人ですから。

桜井:
ずっとそうなんですか? 

小室:
必ず着替えてるんですよ、毎日。

倉持:
らしいですね。

小室:
ただ、同じ服を着替えるんで。

桜井:
3年振りぐらいに丸山さんに会った時に。

小室:
Qちゃんに? 

桜井:
「おめぇら、変わんねぇなぁ」って言われた時に、「あんたに言われたくない」って思いましたね。本当に。

小室:
そうですね。そうだね、一番わかりやすい人だね。だからね、あの、5年に一回ぐらい、スーツとか着てる時あるんですよ。すっごい新鮮なんですよね。

桜井:
ああ、ああ、ああ。

小室:
あと、10年に一回ぐらい、髭はやしたりするらしいんですよ。もう、すごいカッコいいですよ。

倉持:
へぇー。

小室:
やっぱ、それぐらい、一日のために賭けてみないとね、ダメかもしんないんですけど。いいんですけどね、それは。

桜井:
見てる人、ぜんぜんわかりませんね、これね。

小室:
そういう番組ですから。テレビは今、なんか出てるんですか? 

桜井:
いや。

小室:
これといってレギュラーやってるのはないですか? 

桜井:
いやぁ、ぜんぜんないんですよ。

小室:
なんか、不思議ですね。お二人の方が、出てて不思議はないのにね。僕が出てる方が不思議ですけどね。

倉持:
あ、そうなんですか。

小室:
もっとなんか、今の企画みたいな話しで、やったらいいと思いますけどね、二人。

桜井:
いや、でもね、あんまりね。

小室:
本当はどうなんですか? いつも、この番組に来てもらう人にの一つのなんていうのかな? まあ、キーワードというか、テレビっていうのがやっぱりあって。テレビ出演ていうキーワードがあるんですよ。出演で好きか嫌いかで、大きくやっぱり別れちゃうんですけど。本質的にはお二人はどうなんですかね? 

倉持:
見る分には、もうすごい量を見ますけどね、僕はね。

小室:
みなさん言いますけどね、全員すごい見るといいますけどね。

倉持:
メチャクチャ見てますけどね。

小室:
だから、出るっていうね、テレビというメディアで。

桜井:
見るのは大好きで、出る可能性もある職業じゃないですか。だから、もし自分が出たらとかいうのはね、それ、けっこう考えたりした時に、絶妙な間で突っ込みをいれる芸人さんとかを見ると、「うわっ、こんな場に俺は出てけないわぁ」「それはちょっと」っていうふうに思うんですけどね。

倉持:
ライバル、芸人なんだ? 

桜井:
いや、だから、もし、出たと想定したら。

倉持:
タレントにして。

桜井:
だから、ちょっと無理、無理、無理っていうふうに。

小室:
やっぱテレビの、みんなミュージシャンの人いいますね、そこね。テレビに対して、やっぱりあの、お笑いというか、バラエティの人たちのあの精神力っていうか、「ストレス溜まるんじゃないかな?」とかね。そこらへんに、みんな感動してますよね。

桜井:
いや、みんな、スゴいと思いますよ。

小室:
僕もそう思うんですけどね。あんなのやってたら、毎日やってたら、大変ですよね。

桜井:
一回いったことを、原則的には二回いえないじゃないですか。

小室:
そうだよね 。

桜井:
それを毎日繰り返すって。

小室:
もう、アッというまに飽きられちゃうしね。

桜井:
ねぇ。

小室:
うーん、厳しい世界ですけどね。やっぱりじゃあ、そこらへん、僕の勝手な線引きでいつもいってるんですけど、やっぱりアレですね、ミュージシャン側ですね、圧倒的にね。そういうことを思う自体やっぱり、音楽をちゃんと頭に考えてる人たちだと思うんですよ。

桜井:
あ、それはもう。

小室:
まあ、当然そうですね、それはね。

桜井:
いや、単純にタレントの才能がないって思ってるだけで。

小室:
そんなことはないんじゃないかと。そうですか、わかりました。あの、これ、TK FACTORYですよね? コーナーがあって、たくさんお話ししたいんですけど、編集されちゃうんですよ。

桜井:
無駄だと。

小室:
無駄というわけではないんですけど。あの、なんていうんですか? 山登りみたいなとこの、いいところをスポッと取るということですよね。ことです。 (今日、この後、川崎でライヴなんですよ)

倉持:
そうなんですよ。

小室:
あ、今日ですか? あの、どの場所をやるんですか? 音楽的には。

桜井:
あ、もう、ハードロックです。ガツッと。

小室:
『キング・オブ・ロック』という内容で? 

倉持:
そうですね。 

小室:
『サマーヌード』の内容ではないと。

桜井:
は、来月また、パワーステーションでやるんで、その時に。ドスンとポップものいこうかなと。

小室:
あ、なるほどね。あ、でも、そうやってくと、きっとでも、どっかに。

倉持:
そこで売り上げ一桁上げて。来年あたりには小室さんに追い付こうかなと。ワッショイ! と。

桜井:
ワッショイ? なにそれ? 

小室:
落とし込むわけですね、とにかく。どっかに落とし込む。

倉持:
そうです。着地ポイントですね。

小室:
着地ポイントですね。

倉持:
まあ、シングルはけっこうそういう考えで、アルバムはまあ。

桜井:
好き勝手に。

倉持:
まあ、好き勝手っちゅうか。

桜井:
カッコいいと思うものを前提にやってくと。

小室:
なるほどね。わかりました。じゃあ、今日はまあ、今日ってこれオン・エア違うんで、あれですけども、頑張って。

桜井:
ありがとうございます。

倉持:
ありがとうございます。

小室:
これでKi/oonSONYっていうのもわかりましたし、Antynosのディレクターっていうのもわかったし。すごく近いところっていうのはわかりました。っていうとこで、ありがとうございました。

桜井:
ありがとうございました。

倉持:
ありがとうございました。

小室:
どうも。


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