モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―
柴門 暖役ディーン・フジオカさん
収録現場の雰囲気はいかがですか?
「すごく独特な空気で現場が進んでいます。スタッフのみなさんが、黙々と作業を進めていて…。僕としては、もう少し笑いがあってもいいかな? と思うのですが(笑)。ま、みなさん本気で一生懸命だからだと思いますけど。収録がもっと進んで慣れてきたら、和気藹々とした雰囲気になるんじゃないかなと思っています」
やはり作品が復讐劇ということも?
「そうですね。脚本を読み進めるたびに、壮絶な物語だと思います。原作もすごく骨太で、壮大なスケールの作品。脚本は舞台が現代の日本になって、新たなアレンジも加わっています。そのアレンジの利かせ方が、テレビドラマでこういうことやっていいの? というような、読んでいてハッとさせられるような場面もあります。すごく衝撃的な世界観を持ったドラマになるのではないでしょうか? ゆえに、カメラが回ってないところでは笑顔で過ごせたらいいなと(笑)」
『モンテ・クリスト伯』の原作に抱かれるイメージは?
「原作をモチーフにしたテレビドラマや映画はたくさん見ています。原作に対しては西洋的な言語、宗教、政変がうまく織り込まれた大河ドラマ的なイメージです。その中で、1人の男の嘆きなのか悲しみなのか…もしかしたら復讐することで希望を見出すのか? そして、赦すということですよね。原作を読んでもリメークされた作品を見ても、結局、復讐を果たした後に、この男はどうなるんだろう? という演出がどの作品も受ける印象が微妙に違うんです。そこに感じるのが“赦すこととは何か?”でした」
柴門 暖役ディーン・フジオカさん
赦すこと…ですか?
「特に原作はカトリックとプロテスタントが争っていたという宗教的背景があるので、主人公は“なぜ神は自分をここに置いたのだろう”という思いの中で15年間を拷問されたりしながら、わけもわからずに生きています。そしてファリアという神父に出会うことで、知識や知恵を授かって生への希望を見出します。そして、モンテ・クリスト伯となり富も得るのですが、復讐というものからは逃れられません。なぜなのでしょう? では、赦すというのは? というのが作品に深みを与え、世界中で読まれていたりリメークされる理由なのでしょう。そのイメージをアジア人が自分たちの歴史や背景の中で成立させることが出来るのかな? と、正直不安な部分もありました」
ディーンさんは柴門をどのように演じようと?
「僕は柴門がモンテ・クリスト伯として復活した時には、ヴァンパイアとか悪魔のようなイメージで演じたいと思っています。もちろん柴門は人間なのですが、だからこそ欲深い周囲の人間たちの業の連鎖に取り込まれて全てを失ってしまいます。社会的にも精神的にも、ほぼ肉体的にさえも…。そんな柴門が自分を貶めて、ある程度の地位や名声を得た人間たちの間に蘇るんです。だからこそ、柴門暖の成長を人間の限界を超えたものにしたいと。人間界、浮世とは別次元に転生させたいですね」
柴門 暖役ディーン・フジオカさん
ディーンさんにとっても新たな挑戦、役作りになりそうですね?
「そもそも『モンテ・クリスト伯』という土台の上に立たせていただくことが、光栄でもあり、プレッシャーも感じています。今まで見てきたリメーク作品の演出や役者の演技の記憶もあるので、そこからどうやって自分が演じるのか? 自分が主人公を演じさせていただく意味、自分の力をどうやって発揮するのか? そして日本のチームが作るということも作品に投影させたいと思っています」
作品は復讐がモチーフになります。ディーンさんは復讐についてはどのように考えられますか?
「個人的には復讐はやめた方がいいな…と思っています(笑)。“人を呪わば穴二つ”という諺もあるじゃないですか? 本当にその通りだと思います。それよりも復讐する気持ちを乗り越える強さを持って、自分を幸せにする時間を増やした方が良いですよね? その気持ちを微塵も抱かせない境遇をたどったら? というのが『モンテ・クリスト伯』という作品の面白さでもあるのですが…。親友に裏切られ、最愛の人を奪われ、社会の仕組みにさえ裏切られるんですから。それでも僕は、復讐はしない方が良いと思います(笑)」
もし、柴門暖のように幽閉されるようなことになって解放されたら?
「やっぱり復讐はしないんじゃないかな? そこまでの過程は人生のレッスンとして受け止めて…。それよりも、モンテ・クリスト伯の遺産を上手く使って何か面白いことをやりたいです」
柴門 暖役ディーン・フジオカさん
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。
「最初は怖いもの見たさで、ぜひ見ていただいて(笑)。そして、エンディングはどうなるの? と、楽しみにしながら最終話までご一緒出来たら良いなと思っています。僕も新たな役への挑戦で、全力を尽くして演じていきますので、木曜夜10時はぜひ『モンテ・クリスト伯─華麗なる復讐─』をご覧ください」

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