#019
HomePageだけの特別編集版 徳永英明編
- 光一
- はい,というわけで,今夜のゲストは徳永英明さんです.
- 徳永
- よろしくお願いします.
- 光一
- よろしくお願いします.先ほどもちょっと話しましたけど,地元のっていうか,尼崎ですけども.けっこう尼崎って……….
- 徳永
- お嫌いなんでしょ?
- 光一
- いやいや,嫌いじゃないっスよ.ちょっと悪いのっていません?
- 徳永
- どこでもいますよね?
- 吉田
- そうですね.
- 剛
- 尼崎?近いんですか?
- 光一
- 近いですよ.
- 徳永
- ただやっぱり,芦屋と尼じゃ…….
- 光一
- いや,「尼」って.
- 徳永
- あの,僕は伊丹なんですけど,住んでたのは.だけど,塚口ってわかります?
- 光一
- 塚口……?ちょっとわかんないですね.
- 徳永
- 西宮とかは?
- 光一
- ああ,西宮.
- 徳永
- だから,ちょっとそのまあ,自分,芦屋と西宮の堺?
- 光一
- ええ.
- 徳永
- だから,芦屋に住んでたら西宮寄りに住んでるというか.僕は伊丹だけど,尼崎寄りに住んでて.だから,遊ぶ時はけっこう尼で.尼っていうか尼崎で.
- 光一
- どういった遊びを?
- 徳永
- どういった遊びでしょうね?
- 吉田
- 尼で?
- 徳永
- ええ.
- 光一
- 拓郎さんと一緒に遊んだんですか?
- 徳永
- いやいや,違う.拓郎さんていうのはもう.
- 吉田
- 尼です.
- 徳永
- 広島ですよね?
- 吉田
- 鹿児島です.
- 光一
- ぜんぜん違うじゃないですか!
- 徳永
- 嘘ですよ,嘘ですよ.
- 吉田
- いや,鹿児島ですよ.
- 徳永
- 生まれはですか?
- 吉田
- うん.
- 徳永
- 育ちは広島なんですか?
- 吉田
- そう.青春が広島.
- 徳永
- 僕もだから,生まれは福岡なんですけど,育ちは尼っていうか.
- 光一
- 関西弁ですもんね,聞いてると.
- 徳永
- そうですね.なんか,普段もうちょっと楽になると.
- 光一
- 楽になると?
- 徳永
- ええ,なんか.
- 光一
- この雰囲気ですか?
- 徳永
- あの,いや,若さのパワーと御大のパワーの間に挟まれると,どうしても標準語を話してしまうというか.
- 光一
- わかりますね.
- 徳永
- なんかね.
- 光一
- なぜか標準語になってしまうっていう.
- 徳永
- そうそう,そうそう.
- 光一
- 緊張の場面で.
- 徳永
- 僕なんかあの,自分らわからへんかもしれへんけども…….
- 光一
- よし! 出た!
- 徳永
- いやいや,やっぱね,左に拓郎さんがおるのとおらんのじゃあ,えらい違う.
- 剛
- 何を靴の裏いじってるんですか?拓郎さん.
- 吉田
- すいません.
- 徳永
- だから,尼の時はね,遊んでたって,そうですね,まあみんなが今16,7?
- 光一
- 17,8です.
- 徳永
- だから,自分らがやってるような遊びと同じやと思いますよ.
- 剛
- 僕らね,外,出ないんですよ.
- 光一
- 出ないですよ.
- 徳永
- あ,ほんま?
- 剛
- 家の中でけっこうオフの日も過ごすタイプで.
- 徳永
- へぇー.僕はだから,まあ,単車乗ったり.なんかね,運動したりとか.
- 光一
- その世代が族ブームだったんちゃいます?
- 徳永
- そうですね.神戸でけっこういろいろ事件あったりとか.僕らの時に大型の限定解除の教習所っていうか,なんか取りにくくなりましたね.
- 光一
- その頃は難しいんじゃないですか?
- 徳永
- 難しかったです.
- 光一
- 今は教習所で取れるみたいですけどね.
- 徳永
- だから,一番なんか,けっこう派手な時代っていうか.
- 光一
- それは徳永さんも一緒になって?
- 徳永
- 族いうか,僕らは遊んでただけですからね.
- 光一
- それを族っていうんちゃいます?
- 徳永
- 違う違う.僕らは昼間にね,乗ってましたから.
- 剛
- あ,昼間に.
- 光一
- 昼間の族ですか.
- 徳永
- そうですね.
- 剛
- なんでも族にしたいんですね.
- 光一
- いやいや,べつにそういうわけじゃないですけどね.いや,楽しそうですよね.
- 徳永
- うん,やっぱり青春時代っていうか.なんかヒッチハイク,今,猿岩石とかあれやけども,僕ら南紀白浜までヒッチハイクで.
- 剛
- 南紀白浜まで?
- 徳永
- うん.ヒッチハイクで行ったりとかね.
- 光一
- え!?そんなことしてたんですか?
- 徳永
- うん.
- 光一
- 遊びで?
- 徳永
- 遊びで.高校の時.
- 光一
- 遊びでヒッチハイク.
- 徳永
- あの,やっぱり旅行くのにお金ないから.で,堺まで電車に乗って行って.その後,電車代ないからヒッチハイクしたりとか.危なかったですよ.今の若い人たち,僕けっこう恐ろしい格好してると思うんだけど,僕らもその時代見ると,けっこうなんかアホな格好してたなぁと思って.
- 剛
- 今,年がわからないですよね.
- 光一
- 今の時代のね.
- 剛
- もう23とかって思ってたら,「ええ,17です」って.
- 光一
- 僕より年下だったりすることありますから.
- 徳永
- だから,それは僕らの時も同じかな.僕も高校の時,やっぱり23ぐらいに見られてたし.
- 剛
- あ,徳永さんがですか?
- 徳永
- うん.こんなヤヤマちゃんなのにね.なんか,童顔なのに.
- 光一
- あの,高校野球あるじゃないですか.高校野球が同じじゃないですか,まあ言えば,僕らと.考えらんないですもんね.なんかオッサンに見えるんですよ.
- 徳永
- あ,高校生が.僕もだから,中学校とかぐらいまでは「高校野球ってオッサンや」って思うてましたからね.
- 光一
- そうですよね.そんな感じしますよね.
- 徳永
- 今見てもオッサンみたいのいますけどね.
- 光一
- だから,今でも年上のような気するんですよ.
- 剛
- 本当,わかんないですね.
- 光一
- どういった髪形とか?眉毛なかったりとか?
- 徳永
- 眉毛ね,無いほどでもなかったんですけどね.
- 剛
- でもちょっといじってた?
- 徳永
- あの,学校の柔道の先生に「光源氏か?おまえは」言われましたね.
- 光一
- と言うと?
- 徳永
- べつにローラースケートはいてたわけじゃないんやけども.
- 光一
- パーマっぽい?
- 徳永
- いや,眉毛が.
- 剛
- 眉毛が光源氏?
- 光一
- 初めて聞いたな.
- 徳永
- だから,あのね,点やったんですよ.
- 光一
- え?麿呂?
- 剛
- あ,そっちの.
- 光一
- 麿呂や!なんか,俺ら「光源氏」って聞くと.
- 徳永
- だから,これは今,みんな女の子が剃ってる.
- 光一
- 細いですね.
- 徳永
- 僕らの頃もなんか,大阪でパチキって言うんですけども,剃り込みを.
- 光一
- 俺,剃り込み入れなくても剃り込み入ってますからね.本当に参っちゃいますよね.
- 徳永
- 応援団とかやってもんですから.だから,必然的に剃り込みを入れたりとかね.で,眉毛もちょっと右側を剃ったら「あれ?」,左ちょっと剃って.
- 光一
- どんどん,どんどん.
- 徳永
- だんだん剃っていったら光源氏になって.
- 光一
- 麿呂にね.
- 剛
- じゃあ,やっぱあの,ビールとかで染めたりしたんですか?
- 徳永
- ビールもやりましたし,コーラとかも.
- 光一
- あれってほんま落ちるんですか?
- 徳永
- いや,落ちないですね.
- 光一
- 落ちないですか.
- 徳永
- ええ.だから,パーマあてたら2ヶ月でとって,3ヶ月目にまたパーマあててっていう繰り返しでずっときたからこうなっちゃいましたね.
- 光一
- え?でもそんな,ぜんぜん.
- 徳永
- 10年前に「あと1年でハゲるんちゃうか?」と言われたままここまできましたけどね.
- 光一
- そうですか.俺もヤバいやろな.
- 剛
- そんな.18の少年が悩むことじゃない.
- 徳永
- 10代の後半て悩むよ.「きたらどうしよう?」って.
- 剛
- 僕もなんか「広くなってきたかな?」と思うんですけど.
- 徳永
- なんかね,悩むよね,10代の後半て.
- 光一
- でも,応援団をやってらしたんですか?その甘い声で.
- 徳永
- うん.あのね,喋る時はそんなに.昔はもうちょっとハスキーだったんですけどね.
- 光一
- あ,そうなんですか.
- 徳永
- 応援団っていっても,うちの学校はそんなに激しい応援団じゃなかったから.「花の応援団」っていうのがちょうど流行ってた頃で.
- 光一
- 「花の応援団」?
- 徳永
- ええ.知ってます?
- 吉田
- どおくまん.
- 徳永
- ええ,どおくまん.漫画.これが流行った頃で.で,みんなけっこう応援団できて.で,うちも僕が作って.で,やってたんだけど.まあ,そんなごっついようなあれではなかった.
- 剛
- 長ランに?
- 徳永
- あの,いちおう格好だけはね,なんかそういうことやってたから.逆に後輩に呼び出されたりとかね.
- 光一
- え?後輩に呼び出される?
- 徳永
- うちの学年はね,後輩のが強かったんですよ.
- 光一
- それ,嫌ですねぇ.
- 徳永
- 後輩に呼び出されたりとかね.で,あと,他の学校の奴に「シバくから待っとけ!」とか言われたりとかね.
- 光一
- なんか,すごい時代ですね.
- 剛
- けっこうスリリングな青春ですね.
- 徳永
- だから,俺は運がいいのか何かわからへんけど,けっこうそういう時はいなかったりとか.
- 光一
- 逃げてたんですか?
- 徳永
- 逃げてる言うか,ちょうどおれへんかった時に「シバくから待っとけ」って伝言がきたりね.で,待っとったら来ぃへんかったりとかね.
- 光一
- ああ,ありますよね.あった?そういうの.
- 剛
- 俺は一回,便所に.
- 光一
- 呼び出された?呼び出した?
- 剛
- いや,呼び出された.
- 徳永
- 今でもやっぱり便所?
- 剛
- 中学の時なんですけど.
- 徳永
- 昔から便所やね.
- 剛
- なんか,体育終わったら「おい!!堂本ぉ!!おまえちょっとこっち来い!!おらぁ!!」言うてるんですよ.
- 光一
- 中学の時?
- 剛
- 「何を言うてんのやろな?」思うて「ちょっと待ってて下さい」って僕も.
- 光一
- 普通にね,「ちょっと待ってて下さい」.
- 剛
- それで僕も急いで行ったんですよ.そんだら「ちょっと来い,こっち,おらぁ!!」って.で,「ちょっと入れ」とか.行って「おまえな,ジャニーズやろ?」「はい,そうですよ」「おまえ最近,調子こいてんちゃう?」って話になって.「いや,べつに調子はこいてないんですけど」って話をしてたんですよ.「おまえなぁ」って言って.トイレってさ,大きいほうのさ,扉バタンてなってて,柱があって,扉があって,柱があってってあるじゃん.その柱のとこ「おまえなぁ」ってボーンてやられて.「おまえ,調子こいとったらなぁ」って,脅すって感じて壁をバーンて.「調子こいとったらシバくぞぉ!!」ってすごいハイテンションなんですよ.で,僕は体育終わった後で疲れてて,ついていけなくて「え?」って思ってたんですよ.「おまえなぁ,生きて帰して欲しかったら諸星のサインもらってこい」.
- 光一
- そこがなんか,「サインもらってこい」っていうのがダサいなぁ.
- 剛
- 「それ,先輩違う」と思ってね.
- 光一
- 今までちょっとね,威圧しといて.
- 剛
- それまでね,かなり「おらぁ!!」言うてたんですけどね.「サイン無理なんで」言うてたら友達が来て,友達にパシャン,パシャン,パシャン,パシャンてやられて「行っていいよ」「あ,ありがとう」言うて.
- 光一
- 至って普通に.
- 剛
- ええ.
- 光一
- 拓郎さんそういう経験はあります?
- 剛
- 「ちょっと来いよ!!おらぁ!!」って.
- 吉田
- 二人がかりで急にそんな.
- 光一
- いや,聞きたいなぁと思いまして.
- 吉田
- いや,ないです.
- 光一
- ないんですか.
- 吉田
- 僕はすごく病弱だったですから.
- 剛
- 病弱?
- 吉田
- 僕は喘息とかすごくキツくてね.
- 徳永
- ほんまですか?それ.
- 吉田
- そんなこと言うと哀しくなってくるけどね,学校とかって半分ぐらいしか行ってないんだよね,学校.
- 光一
- あら.よく朝礼で倒れる人?
- 吉田
- 貧血起こす,貧血.
- 剛
- あ,そういうタイプ.
- 吉田
- 貧血起こしてばっかりで.貧血症なのよ.
- 徳永
- ほんまですか?それ.
- 吉田
- うん,本当に.だから,学校ほとんど行ってないから,ほとんど学校知らないんだよね.
- 剛
- ああ,友達もそんな?
- 吉田
- あ,いるよ.病弱な人ってクラスに必ずいるじゃない.お袋が必ず裏から先生に手を回してくれるっていうパターン.そういう,なんか過保護な人だったから.そういう危険な場所に行ったことはあんまりない.
- 光一
- あ,それで卒業してからが危険だったわけですね?
- 吉田
- だから,卒業してからそういう鬱憤が溜まったから,もうひどい道に入って.
- 光一
- ひどい道.そのひどい道も,まだくわしく聞いたことがないんですけど.
- 吉田
- いや,もうそういう話はしたくない.
- 光一
- そうですか.
- 剛
- 「あの頃の俺は強かったぜ」.
- 吉田
- いやいや,そんなの.もう本当に病弱な青少年です.徳永君もなんかイメージはね.
- 徳永
- はい,病弱です.
- 光一
- そうですよね.そんなには.
- 剛
- そんな気しますけどね.
- 光一
- 僕もどっちかっていうと病弱に見られるタイプですよ.
- (客席からブーイング)
- 光一
- やっぱり最近キャラクター変わってきたわ.
- 徳永
- 僕なんかも,松山千春さんに最初に会った時に,テレビで松山さんに会ったんだけど「あいつ,ケツから犯して欲しいんちゃうか?というイメージを持った」みたいな.要はそっち系いうとるんです.
- 光一
- ああ.
- 剛
- ああ.
- 吉田
- ああ.それは千春が徳永君を犯すっていう.
- 徳永
- どうなんですかね?そういうイメージで.あとね,池袋にある飲み屋,なんだっけな?ヤマハの下にある.
- 吉田
- いや,知らない.
- 徳永
- そこでまあ,ヤマハのスタジオでリハーサルやってて,帰りそこで飲んでたら「知ってる?徳永英明ってホモやでぇ!」って,すごい大きい声で隣で言ってて.
- 光一
- 「ホモやで」と.
- 徳永
- ええ.「まあ,しゃーないな」と.
- 吉田
- ぜんぜん違うね,話聞いてるとね.
- 徳永
- いや,まあ,こういう場ですからね.
- 吉田
- ホモ?
- 徳永
- いや,どうですかね?
- 光一
- そんな改めて「ホモ?」って.
- 剛
- それは聞かんでええんね.
- 吉田
- ホモってどういうのかね?なんか変な話してっけどね.
- 徳永
- 僕,新宿で,パブでバイトやってる時,コンパでやってたんですよ.で,コンパってカウンターたくさんあるじゃないですか.で,うちのカウンターって,僕2番カウンターかCカウンターかなんかですけど.
- 吉田
- 細かいなぁ.2番カウンター,いいなぁ.
- 徳永
- それでまあ,ボトル入れるの競争するじゃないですか.で,ホワイトじゃないですか,だいたい.
- 吉田
- ホワイトね.
- 徳永
- 黒の50とか.で,だいたい僕のカウンターってそういう人ばっかり.なんか2丁目とか3丁目とか多いじゃないですか.
- 吉田
- わかるわかる.
- 光一
- そういう系にモテます?
- 徳永
- 半分がホストクラブの人で,半分がそういう人で.たまにPTAのオバさんたち.そういう.
- 光一
- 俺もそれ系にモテるタイプなんですよ.
- 吉田
- うん.
- 徳永
- でも,アメリカのそれ系にはモテへんと思うよ.
- 光一
- あ,そうですか.
- 徳永
- アメリカのそれ系は拓郎さん.サンフランシスコとか行ったらヤバい思いますよ,僕.ニューヨークのウェストビレッジとか行ったら,こんな人けっこう多い.
- 吉田
- よくね,僕,昔,岩国っていう米軍のキャンプがあって,そこで演奏してる頃に,よくトイレで握られてましたよ,××××.
- 光一
- ええ?本当ですか?
- 吉田
- そして,必ず黒人の兵隊がね.
- 剛
- 怖い!
- 光一
- 怖い,怖い!
- 吉田
- 「あ,何だろうな?」と思いながら.
- 光一
- まあね,お父さんお母さん気を付けて下さい.ね.はい,ということでね,あまりディープになる前にですね,そろそろ番組のテーマ,LOVELOVE,愛についてお聞きしたいんですが.徳永さんのLOVELOVEなこととは?こと,ものとか.
- 徳永
- なんか,これだけ言うと,これからなに話していいのかな?っていう感じありますよね.
- 光一
- LOVELOVEな.愛ですよ,愛.
- 徳永
- まあ,愛いうかね,まあ,いろんなLOVELOVEなものあるんやけど,あの,今そんなにね,あれでもないんやけど,ごっつい酒があれなんですわ.
- 光一
- 酒.
- 徳永
- 最近はけっこう,35を過ぎてからあんまり飲めへんようになったけども.今はもう赤ワインばっかりなんですけども.
- 光一
- そうですか.
- 徳永
- 昔はもう,自分では記憶にないんですけど,このあいだプロデューサーと打ち合わせしてる時に「LOVELOVEなものなんですかね?」って俺がいろんなこと言ってたら,「なに言ってんですか徳永さん,酒じゃないですか」って言って.ものすごい昔はなんか,いろんなことやってたみたいですよ.
- 剛
- あ,そうなんですか.例えば酔っ払って何かあったとか?
- 徳永
- まあ,怖いところで言うと,ヤーさんのベンツを殴ったとかね.
- 光一
- うわぁ!!
- 剛
- うわぁ!!えらいこっちゃ!!
- 光一
- ごっつい徳永さんいろいろありますね.
- 徳永
- 酔っ払ってですけどね.
- 光一
- それはどうにもならなかったですか?
- 徳永
- いや,なりましたね.あの,正月,元旦にラジオの生番組で一升ビン空けながらラジオやってたんですよ.で,もう終わった頃には一升空いてますから.だから,もう完璧じゃないですか.で,あの,京都の八坂神社だったと思うんですけど,みんなで初詣に行こうって,夜中の2時ぐらいに.で,ベンツが駐まってて,それをカバンでボンボン殴ってたんですよ.
- 光一
- うわぁ.
- 徳永
- 「こんなとこ駐めやがって!!」って.
- 光一
- 記憶はないわけですよね?
- 徳永
- あります.
- 光一
- あ,あるんですか!?
- 徳永
- ええ.で,殴ってたら,向こうからごっつい人たちがたくさん来て,「こら,なにやっとんじゃ!?おらぁ!!」って来て.それで僕のマネージャーが二人,僕を抱えて僕の頭を思いっ切り下げて「すいません!!」て謝って.
- 光一
- あ,もうその時は仕事をなさってたんですか.
- 徳永
- ええ.デビューしてからですか.
- 光一
- あ,そうですか.
- 徳永
- それで「おまえ,歌うたいやんけ!!」とか言われて,それでけっこうなんかキレて.そのまんま境内で「ピッ,ピッ,ピーヨコちゃんじゃ,アヒルだ,ガァ,ガァ」って踊ってたんですよ.ヤーさんのほうに行かんと.
- 剛
- え?
- 徳永
- いや,なんかキレてね.
- 篠原
- 篠原でーす.はーい大好きなワインですよぉー!
- 光一
- タイミング悪く入ってきやがって.
- 篠原
- そうでーす.いっぱい埃が入っちゃったんですよ.ごめんなさい.
- 光一
- 入れるなよ.
- 篠原
- はーい.美味しそうですねぇ.
- 徳永
- これはね,美味しいですよ.
- 光一
- 美味しいですか.
- 徳永
- うん,ムチャクチャ.
- 光一
- わからんからな.
- 徳永
- 拓郎さんワインは?赤ワインは?
- 吉田
- いや,僕は.
- 篠原
- ん?ん?開かないよ.
- 光一
- シノラー,お酒は?
- 篠原
- 篠原はお酒なんて飲めませんよ.
- 光一
- だよね.
- 篠原
- 良からぬですよね.
- 光一
- じゃあ,徳永さん,飲んで下さいよ.
- 徳永
- 赤ワインだと,けっこう水っぽいから,あの,寝る前とか必ず飲んでますけど.
- 光一
- シノラー,どんな匂いする?
- 篠原
- 臭いですぅ.酸っぱいですぅ.すごいなんか毒薬です,これは.
- 徳永
- けどね,これは身体にムチャクチャ.
- 光一
- いいんですか?
- 篠原
- でも,喉とかに良からぬなんですよね,お酒って.
- 徳永
- いやいや,妊婦さんなんかは赤ワインは飲んでええらしい.
- 光一
- いい匂いじゃない.
- 篠原
- いや,臭いじゃないですか.これ,毒薬ですよ.
- 吉田
- これ,いい匂いすると思う?
- 光一
- 好きです.
- 篠原
- 梅干しのいい匂いがします.
- 光一
- 梅干し?
- 徳永
- これなんかガーリックトーストなんかと飲むとけっこう.
- 光一
- 僕らまだ飲んだらあかんからね.
- 篠原
- 良からぬですね.
- 光一
- まだ18ですもん.
- 篠原
- つまんないですぅ.あげますぅ.篠原でーす.またお酒飲みたい時は呼んで下さいね.
- 光一
- まあ,話の続きですけど.
- 徳永
- だから,酔っ払って頭きて,発散したくなって.それでもういろんな人たちが,初詣やってる人たちとかいたんだけど,もうなんかシングルとかちょっとヒットしてる頃やったんやけども,ヒヨコダンスみたいなのを境内で酔っ払ってやったりとか.あとは,だいたいツアーとか打ち上げなんか行くともうムチャクチャですね.
- 吉田
- そうですね.僕はあんまよくわからないけど.
- 徳永
- よく言いますよ,拓郎さん.
- 吉田
- いや,僕は病弱だったから.
- 徳永
- 拓郎さんも,けっこうお酒飲まれますよね.
- 吉田
- 若い時飲んだね.
- 光一
- 一緒に行ったことは?
- 徳永
- 一回.僕はピースコンサートでゲストいうか,来てはった時に夜.
- 吉田
- そうでしたね.
- 徳永
- あんまり飲んではらへんかったですけど.その後どこに行かれたか,ようわかりませんけど.
- 光一
- よくね,途中でどっか行くらしいんですけどね.聞くと.
- 吉田
- うちへ帰ってるんだよ,ちゃんと.
- 光一
- そうなんですか?
- 吉田
- うん.
- 徳永
- ツアーの打ち上げとかね,けっこうなんかいろいろと.いや,言うてたら話長くなりますからね.
- 光一
- いや,いいですよ.いろんな事件.「これはすごかったなぁ」.
- 徳永
- 事件ていうか,出入り禁止の店とかね.
- 光一
- あるんですか?
- 徳永
- あります.あの,3年ぐらい行かれへんかった店とか.あの,あとはそうですね,あの,やっぱり酒飲んで酔っ払ってくると,すごく気が大きくなるじゃないですか.
- 光一
- って聞かれてもねぇ.
- 徳永
- まあ,気が大きくなりますよね?
- 吉田
- なります.
- 徳永
- で,あの,店で騒いでて,ほんまにあかんことやねんけど,飲んで騒いでて僕ら打ち上げやから気持ち良く飲んでたら,他のお客さんから苦情くるでしょ.すると,店の店長とかも文句言いに来るじゃないですか.すると,もう気が大きくなってるから,「なんぼじゃ?この店は!買ったろやないけ!!」とか言って.
- 光一
- え?徳永さんがですか?
- 徳永
- うん.で「買うたる!買うたる!ほら,飲まんかい!!騒がんかい!!」みたいなそういう世界になったりとかで,後になって謝りに行ったりとか.
- 吉田
- 店,買っちゃうわけね.
- 徳永
- ええ.「買ったる!!」みたいな.
- 吉田
- それ,すごいな.
- 徳永
- あと,エレベーターで,酔っ払うとね,僕ね,訪問魔になるんですよ.
- 光一
- え?訪問魔?
- 徳永
- あの,部屋割りの表があって,それでグァーッと部屋で飲んでるじゃないですか.「おら!次はよし!あいつんとこ行ったる!!」って言って,部屋どんどん回ってくんですよ.コンコン「開けんかい!!」言うて.で,開いて「トイレ貸さんかい!!」って言って,トイレのドア,メリメリメリッとかつぶしたりとか.それでそのリストがしわクチャになってんですよ.で,エレベーターのとこで次の階に行こうと思ってたら,他の客が「おまえ,うるさいぞ!!」って.そこで……….
- 光一
- また喧嘩になって.
- 徳永
- それで,俺が声をウワァー出すから,うちのメンバーとかもみんな飲んでるから,みんなドッと集まってきて.それでフロントに謝りに行ったりとか.
- 光一
- 酒グセが悪いんですか?
- 徳永
- いや,日本酒飲むとダメですね.日本酒飲むと,エレベーターの中に一人で椅子もってってずっと座ってたりとかね.
- 光一
- えぇ?
- 剛
- 怖いなぁ,それ.
- 光一
- それ,何をしてるんですか?
- 徳永
- いや,あのね,僕は一気飲み強いんですよ.
- 光一
- 一気飲みどうぞ.
- 徳永
- いえ,これは一気しませんけども.日本酒だと,けっこう競争するんですよ.トラックの運転手の人たちとか,けっこう酒強いんで,そいつらが酒豪ぶるとチャレンジしたくなるんですね.で,冷や酒をグァーッと一気すると,だいたいみんな倒れちゃうんですよ.僕も吐くんですけど.で,部屋入って,ゲロ吐きながら唾吐いて,放っとかれてそのままゲロと唾の布団に寝てるわけですよ.
- 光一
- うわぁ.
- 徳永
- それでフッと起きて,なんか「俺を独りぼっちにしやがって」みたいな.頭きて.
- 光一
- また頭きて.
- 徳永
- それでなんか,部屋にある慣用食と椅子もってエレベーターの中に行って,ずっとエレベーターに乗って.
- 光一
- そのエレベーターよくわかりませんね.
- 徳永
- で,入ってくるお客さんお客さんに「毎度」とかね,言うてたりとか.
- 剛
- 「毎度」て.
- 光一
- でも,楽しそうやで,それ.
- 徳永
- 記憶なくなったこととかはよくありますね.
- 光一
- ああ,なるほどね.ぜひ飲んで下さいね.飲みながらいきましょうか.はい.ガチャガチャマシーン・アルファでございますね.ではこのガチャガチャマシーン・アルファ,いろんな質問が入ってるので,回していただければ.
- 徳永
- これ,誰が考えるんですか?
- 光一
- これはスタッフでしょうね.
- 徳永
- えげつない質問とか入ってるんでしょうね.
- 光一
- いえいえ,そんなことないと思います.ああ,なるほど「歌で女性を口説けるヴォーカリスト,徳永さんに質問です」.
- 徳永
- そんなことはないと思うけどな.
- 光一
- 「こいつにはかなわない,と,心底思ってしまった極スウィートなシンガーは誰ですか?」.
- 徳永
- 日本でですか?
- 光一
- いや,もう誰でもいいですけどね.
- 徳永
- いや,そりゃあたくさんいますよ.
- 光一
- あ,います?
- 徳永
- ええ.
- 光一
- なんか徳永さんの声って,すごい本当なんか,スウィートですよね.
- 徳永
- うーん?ワイルドにいきたいんですけどね.でも,ワイルドいこうと思ったらポリープになってもうて.
- 光一
- あ,そうなんですか.
- 徳永
- やっぱりムチャクチャな声の出し方してたからポリープになって.すごかった,シャウトばっかりしてましたもん.シャウトフェチみたいな.
- 剛
- それぐらい?
- 徳永
- ええ.何でもシャウトする,みたいな.カラオケ行ったら絶対「六本木心中」シャウトしてましたからね.
- 光一
- 「六本木心中」をシャウト?
- 徳永
- ええ,シャウトしてましたね.だから,そうですね,本当たくさんいますよ.これといって誰かと言うて.僕はこの世界に入って,いちばん最初に生声,生の歌声を聴いたのは杉真理なんですよ.知ってます?
- 光一
- わかんないですね.
- 剛
- 杉真理さん?
- 徳永
- あの,すごいビートルズフェチで,この方も.で,その人と一緒に旅行に行ったんですね.で,その人が普段は普通の声なんですけど,ギターを持ってビートルズかなんか歌った時に,「ああ,杉真理の声や」っていう.「うわぁ,すげぇ」と思いましたけどね.
- 光一
- そうなんですか.
- 徳永
- あと,浜田省吾さんも一緒に「アヴェ・マリア」を広島のピースで歌った時に,やっぱり横で歌った浜省さんの声には「ああ,すごいな」って思いましたけどね.それはもう拓郎さんにしても,陽水さんにしても,全部やっぱりこの世界で長く生きてはる人の声っていうのは,やっぱり魅力があるから生きてるんだろうから,やっぱりすごいです.
- 光一
- 俺も歌ったら,どっちかっていうと甘くなってしまうほうなんですよ.自分としては嫌なんですよ.
- 徳永
- けど,なんか俺,それを無理に強く歌おうとすると,声,枯れるでしょ.だから,それはもう自然体で甘く歌ったほうが.
- 光一
- もう,しょうがないんですね.
- 徳永
- しょうがないですね.と,思います.
- 剛
- キー高いですよね?
- 徳永
- うん.だから,低いキーで歌おう歌おうとするんですけど,曲作ってる時は気持ちいいから,自然と高いところに.だから,レコーディングとかライヴでちょっとしんどい思いするんですけどね.
- 光一
- でも,徳永さんのキー,絶対いかれませんからね,僕ら.
- 剛
- いけないっスよ.
- 光一
- 絶対いけないですよ.
- 徳永
- 「レイニー・ブルー」とかもね.
- 剛
- すごい高いですもんね,最後の.
- 徳永
- 最後は上ののレまでいきますから.だから,本当なんかオナラが出ちゃいそうな感じ.
- 光一
- 腹,力入れ過ぎて.
- 剛
- すごい高いですもんね.
- 光一
- まあ,僕もね,甘い声を武器に出来るようになればいいんですけどね.ぜんぜんなりませんからね.
- 徳永
- だけど,「銀狼」は素敵やったやない.
- 光一
- そうですか.ありがとうございます.ね,なんか「銀狼」すごい見てはったみたいで.
- 徳永
- 俺ね,あそこで,土曜のあの枠で見ぃへんかったの「透明人間」だけやのよ.
- 光一
- そうなんですか.
- 徳永
- いや,「透明人間」は,なんか「そんなもん,おるわけないやんけ」みたいな.
- 光一
- いや,「銀狼」もおるわけないです.
- 徳永
- いや,「銀狼」はね,おると思うよ.
- 光一
- ええぇぇ!?
- 徳永
- もしかしたら.俺はだって,自分のステージの衣装,銀にしたんですもん,途中から.
- 光一
- 自分のステージの衣装を銀狼君のダウンに憧れて?
- 徳永
- そう.拓郎さんもひょっとしたら憧れたかもしれない.「銀狼」は,だから,なんて言うかな?最終回の3階から飛び降りる時の変身の仕方.
- 光一
- 銀狼を覚ますために飛び降りる.
- 徳永
- もうあれはね,「バラ色の珍生」見てるんちゃうかな?と思うぐらい.
- 剛
- すごい感動しましたか.
- 徳永
- 感動しました.なんかビデオ撮って,あそこばっかりリピートで.
- 光一
- ええ!?本当ですか?うわぁ,恥ずかしい!!
- 徳永
- だから,Kinki Kidsっていうのは,僕の中では金田一君と銀狼君やねん.
- 光一
- そうですか.
- 徳永
- だから,Kinki Kidsがなに歌ってるのかもわからへんし,Kinki Kidsのどっちが光一君とか,「同じ名字か.まさか兄弟かな?」とか.だけど,金田一や,君は.
- 剛
- そうですか?
- 徳永
- うん.多分,これから一生やっていかなあかんのとちゃう?
- 剛
- 金田一君をですか?
- 徳永
- うん.ずっとね.もうだって,君以外に金田一君て現われへんのと違うか?
- 光一
- カッコええやん,おまえ.
- 徳永
- だから,それぐらいなんか特許とった,みたいなのあるでしょ.でも,「銀狼」にしても僕は,変身願望っていうかね.昔,仮面ライダーとかね,ウルトラマンとかね,ああいうの憧れたやないですか.で,あの時のまんま自分が.人間てやっぱり,変身したい時ってあるじゃないですか.もうムカついて.
- 光一
- 変身したい時あります?拓郎さん.
- 吉田
- 変身?はい,ありますね.
- 光一
- 変身願望.
- 吉田
- はい,変身したいですよ.
- 光一
- え?何に変身したいですか?
- 吉田
- どうしたらいいの?あ,変身したらいいんだよね.
- 光一
- 大丈夫ですか?拓郎さん.
- 吉田
- だからさ,前にも言ったけど,女の人になりたいわけだよ.
- 光一
- ああ,言ってましたよね.
- 徳永
- ああ,それ,僕もたまにありますよ.六本木の街角で娼婦になりたいなとか.
- 吉田
- あ,うん.それは近いな.
- 徳永
- 俺,娼婦になったらもうボンボンやりまくったるねん.
- 光一
- なんか,徳永そんの口からそういうこと言われると,なんか…….
- 徳永
- いや,もう絶対そんなもん,やりまくらな損やん.それは俺が女やったらよ.っていうかね,それは現実に女ちゃうから言えることであって.なんか,わかれへんやん,そんなん.
- 光一
- そうですよね.
- 徳永
- 僕,女ちゃうからわからへんやん,その感じって.
- 剛
- わかりませんよね.
- 徳永
- だから僕らは男で,例えば女性とやっ………,いたしてるわけやんか.
- 剛
- 合体ですね.
- 徳永
- 合体するわけやんか.だけど男で風呂入ってる時にみんながイチモツをじーっと見合うかとか,エレクトしてるところを見せ合うかとか,そんなことあまりないわけやん.
- 光一
- そうですね.それはないですよ.
- 徳永
- だから,みんなどんな××××してんのかな?ってあるやん.だから,それと女になって,なんか色っぽい女になりたいなっていう.それで,逆に言うと男を騙したいなって.
- 光一
- あ!それはわかります.俺は女になったら男を騙しまくります.
- 徳永
- やるところまでいって騙したい.だけど,本当に好きな男にはグショグショにされたいわ,みたいな.
- 光一
- 嫌な女ですねぇ.
- 徳永
- なんでやねん?ほんまに好きな男にやで.それは自分らかてほんまに好きな男やったら…….
- 光一
- ほんまに好きな男に「ほんまに好きや」ってしても,他で遊んでるわけじゃなくて.
- 徳永
- いや,だから,それを見定めるまで娼婦のように.ほんまに好きな男と出会うまで.
- 光一
- ああ,出会うまで.
- 徳永
- それまで娼婦でもいいわ,みたいな.だけど,本当に好きな男に出会ったら「いってらっしゃいませ」とかね.なんかそういう.
- 光一
- なんか,すごく細かく考えてらっしゃいますね.
- 徳永
- そういうのってなんかね,あるかな.
- 光一
- あ,そうですか.
- 徳永
- 女になりたいっていうか,もしなれたらそんなふうになってみたい.
- 光一
- なれたら.なんか大人の話やなぁ.
- 剛
- ですねぇ.
- 光一
- じゃあ,もう一個だけいきましょうか.
- 徳永
- はい.
- 光一
- ああ,これはいい質問ですよ.
- 徳永
- ほんま?
- 光一
- 「女性を口説くためにバラードを歌ったことがありますか?」.
- 剛
- おお!!
- 徳永
- あ,ない.
- 剛
- え?ないんですか?
- 光一
- ないんですか?
- 徳永
- ない.あの,俺は絶対ないな.
- 剛
- 歌で口説いたことはない.
- 光一
- いや,でも,クラッていくんちゃいます?
- 徳永
- いや,あの,なんて言うかな?今日もやけど,こうやって明るいでしょ.で,お客さんの顔見えるやないですか.やっぱり顔見れないんですよ.それとなんか同じかどうかわかれへんけど,歌を歌うっていうことは,すごく素になることなんですよ,僕にとっちゃあ.だから,素になることを女に口説くってようせんのですよ.だから,嘘ついて着飾って口説くんやったらええけども.例えば僕なんか初めてのデートの時なんか,わざとそれまではショートホープとかしか喫ってへんのにラーク買ってみたりとか.で,紅茶も砂糖いつも4杯ぐらい入れるのに,「紅茶」とか言って,そのまま飲んで,「え?砂糖入れへんの?」「うん,僕はいつもね」とか言って.
- 光一
- はいはいはい.
- 徳永
- あと,間違ってシナモン食ったりとかね.なにかわからへんやん,高校の時.シナモンティーってカッコええな,「シナモンティー」「え?いつもシナモンティーとか飲んでんの?」「うん,たまにね」って言って.で,シュガー入れへんでカリカリカリカッて.で,向こうもわかれへんから,マズいんやけども,「あ,これは食っちゃいかんかったなぁ」と思って.車に乗ってても最初のデートの時には,何にも知らへんけどジャズかけてるとかね.「え?いつもジャズ聴いてるの?」「うん,僕はね」.ほんまはディープ・パープルとかそんなんしか聴いてへんのに,ジャズでぜんぜんわからへんやつ聴いて.そんでだんだん付き合って,だんだんわかってきたら裸,素を見せる.その時には歌ってあげたりとかするけど,口説くのには絶対.
- 光一
- 口説くのには使わない.
- 徳永
- 素になるって怖いですもん.何かやっぱり自信がないっていうか.そんだけ自信過剰に「耳元でちょっと歌ってあげるからおいでよ」なんて,よう言わんですよ.
- 光一
- でもなんかね,歌ってもらったら嬉しいような気もしますけどね.
- 徳永
- 酔っ払ってワイワイ騒いで,まあ,口説くっていうか,なんかダメですね.ナンパとかってようせんですね,やっぱり.
- 光一
- そうですか.拓郎さんは歌でくどいたのは?
- 吉田
- いや,ない.
- 光一
- ないですか?
- 吉田
- ええ,僕はないですね.
- 光一
- ないですか?「嘘だよぉ!」っていう声がお客さんのほうから聞かれますけど.
- 剛
- 「嘘だよぉ」って,いかにも「私,口説かれました」みたいな.
- 吉田
- いや,歌では.あの,歌を作ってあげることはあっても,歌で口説いてはいない.
- 徳永
- 拓郎さんは楽屋で口説かれるんですよね?
- 吉田
- 違うよ!!僕はね,あのね,要するにほら,なんて言うの?
- 徳永
- 僕は昔いろいろ話を聞いてて,「拓郎さんは楽屋から出て来ぃへんねん」とかって.
- 吉田
- 知りませんよ!!それはきっと忙しかったんですよ.いや,ほら,結局バレちゃうのね,なんでも僕は.だから,だいたい一回目でもう見透かされるっていうか.だから,ダメなんですよ.
- 光一
- そうですか.
- 吉田
- だからもう最初に「僕はダメな男です」っていうことをわかってもらえないと.
- 徳永
- ああ,そうですね.
- 光一
- ああ,そうなんや.おまえはやりそうやな.
- 剛
- 何が?俺が?
- 吉田
- すいません!すいません!その「やりそう」って,俺,やってるわけじゃないから.
- 光一
- いや,違いますよ.おまえはなんか…….
- 剛
- 俺が?
- 光一
- 歌いそうやなぁ.
- 剛
- 「君のために耳元で」って?俺が女やったら,絶対「なんや!?こいつ!!」って思うで.
- 光一
- ちゃう.耳元じゃなくても,なんかギターね,今,習ってることやしね.
- 剛
- あ,部屋の片隅とかで?
- 光一
- そうそう.やりそうやん,おまえ.
- 剛
- ああ,カッコええな,そういうのな.
- 光一
- ほらほら!!なんかもう,やりたそうや.
- 剛
- さりげなく弾くんや?
- 光一
- そうそう.口説くの,それで.
- 剛
- ああ,ああ.
- 光一
- さあ,もう一つだけいきましょう.
- 徳永
- はい.
- 光一
- それでは最後にしましょう.「歌で女性を口説ける超スウィートなシンガー,徳永さんに質問です」.
- 徳永
- そんなんばっかりやないですか.
- 光一
- してへん言うてんのにね.「今までの人生のなかで,最も恥ずかしかった若い頃の経験を教えて下さい」.恥ずかしかった若い頃の経験.もう話してますもんね,さっきね.
- 剛
- けっこういっぱいね.
- 徳永
- あの,いちばん恥ずかしかったのはね,ちょっと違う局なんですけど,いちばん最初にテレビに出た時,ある番組に出たんですよ,全国ネットの歌番組.それで,ちょうど「輝きながら」っていう曲でヒットチャート上がってきて,いちばん最初にテレビに出て歌った時にオレンジ色のジャケットを着て歌ったんですよ.自前ですわ.で,次の日に「外によう出ていかんなぁ」と思ったんです.「みんな俺のこと知ってるんちゃうかな?」.もう錯覚ですね.なんか初めてテレビ出たから「絶対みんな俺のこと知ってるわ」って思って,逆にものすごい緊張して.それでジーンズはいて,いつもよりも10分も20分も鏡の前で奇麗に整えて.で,「昨日着たのと同じジャケット着て歩いたろ」みたいなね.
- 光一
- 逆に.
- 徳永
- なんか怖いんやけど,目立ちたいんやけど,なんかわからへんわけです,自分のなかでも.初めて全国ネットのテレビ出たから.それで,梅ヶ丘いうとこに住んでたんですけど,歩き方もぎこちないのね,梅ヶ丘の駅まで.「みんな見てるんちゃうかな?」ってものすごい自意識過剰になってる.で,ずっと歩いてって,向こうの新宿方面のホームに座ってて,女子高生がバーッて通って.みんな僕の顔見て行くわけですよ.で,ニコッとして「うぉー,ごっついな,テレビの影響って」って思ってたわけですよ.で,たった瞬間に向こうのホームからも視線を感じるような.
- 光一
- 気付かれるわけですか.
- 徳永
- 「ごっついなぁ」と思ってちょっと下見たら,チャックが全部開いてたんですよ.もうなんか,ボケに入ってましたよ.
- 光一
- ちょっと見られてるからカッコ良くキメてたわけですね.
- 徳永
- で,チャック開いてんだけど,それを急に上げるとカッコ悪いから.
- 光一
- 何気にね.これは男ならわかるわな.
- 徳永
- でも,それはいちばん恥ずかしかったのと.あと,僕,また電車なんですけど,僕,その後に「風のエオリア」っていう,ナショナルエオリアのCMソングの曲を出したんですよ.
- 光一
- ……CMソングを.
- 徳永
- ええ,ナショナルのね.
- 光一
- CMソングを出したわけですよね!?
- 徳永
- ナショナルの.
- 光一
- ええ,CMソングをねぇ…….
- 徳永
- ナショナルのやて.で,電車に乗ったんですよ.まあ,「輝きながら」がちょっとしおれかけた時でね.で,ナショナルエアコンエオリアの車内吊りがバァーッてあって.
- 光一
- エアコンの車内吊りが.
- 徳永
- ナショナルエアコン.で,前に女子高生が乗ってきて,まあ,帽子を深くかぶって立ってたんです.そしたら一人の女の子が「あ,エオリアや」.そしたらもう一人の奴が「あれ,徳永英明さん今度歌うんやで」「もう終わっちゃったよね」って.で,それ聞いてて,「ああ,そうか.俺は一発屋で終わったんか」っていう気持ちになって.で,もう遊びに行く気持ちもなくなって,もう一回梅ヶ丘に帰ったんですよ.それで近くにパブがあって,そこいつも行ってて.そこに夕方の6時ぐらいに入って水割り飲んでたらマスターが「徳永さん,うちもとうとうレーザーカラオケ入れましたから.『輝きながら』入れましたから,僕,今から歌いますから」って.で,僕はちょっと落ち込んでるじゃないですか.「もう『輝きながら』も一発やったしなぁ」みたいなね.「誰も知れへんし」って.だけど,マスターも一生懸命歌ってるし,レーザーになってるし,「よし!まだ未来はある.頑張ろうかな」とか思ったんですよ.そしたらOLが入ってきて飲みはじめたんですよ,3人.そしたらOLがマスターが歌ってるの見て,「あ!私,この歌大好き!!」.救われたなと思ったんですよね.そしたら「え?これ,誰が歌ってんの?」もう一人の奴が「これ,H2Oやんか」言うねん.
- 光一
- うわぁ,でかいパンチや,それ.
- 徳永
- それで「やっぱ終わってん」って.まあだから,恥ずかしかったっていうか,いちばん恥ずかしかったのと,いちばん落ち込んだのと.ようここまで生きてこれましたわ.
- 光一
- そうですか.さぁ,それではこれはこのへんにしましょう.
- 徳永
- まだあるんですか?
- 光一
- あります.
- 徳永
- 番組,こんな長いんですかね?
- 光一
- いや,30分です.
- 剛
- 番組はもうね,あっと驚く間に終わってしまうんですよ.
- 光一
- さあ,それではそろそろですね,LOVELOVEな歌について.徳永さんのLOVELOVEな歌聞きたいですけどね.
- 徳永
- えぇと,「これが私の生きる道」を歌おうかなと思ってるんですね.
- 光一
- なんか,ぜんぜん違う気がするんですけど.
- 徳永
- あの,なんかはじめは「なに歌いますか?」って言われて「Your songを歌おうかな」とか言ってたんですけども.あの,なんか,自分が子供の頃ね,「星影のワルツ」とかが流れてて,それを口ずさんでたような気がするのね.で,「泳げタイヤキくん」があって,「めだかの兄弟」があって.なんか簡単な歌やねんけども,子供から大人までレコードを買った曲って,そんなにないじゃないですか,日本.で,今,ヒットって100万枚とかいろんなこと言われてるけども,片寄った人たちが買ってるだけの現象とかって多いじゃないですか.
- 光一
- そうですね.
- 徳永
- けど,「これが私の生きる道」って,なんか小さい子も歌ってりゃあ,大人たちも歌ってる.
- 光一
- そうですね.
- 徳永
- 僕もカラオケあんまり行かないんですけども,カラオケ行ったら歌ってみたいなぁと思ったんで.
- 光一
- あ,そうなんですか.
- 徳永
- だから,今日はそれをLOVELOVEでちょっと歌おうかなと.
- 光一
- そうですか,わかりました.それではスタンバイのほうお願いします.
- 剛
- よろしくお願いします.
(C) FujiTelevision Network,Inc. All rights reserved.
|