#166
HomePageだけの特別編集版 海援隊編
- 光一
- はい,今夜のゲストは海援隊の皆さんです.よろしくお願いします.
- 剛
- よろしくお願いします.
- 光一
- さあ,皆さんのお人形はどうなっているでしょうか.
- 剛
- まず中牟田さん.
- 光一
- こんな感じです.
- 武田
- うまいこと作るなぁ.
- 千葉
- 目つき悪っ.
- 光一
- 続いては千葉さん.
- 剛
- これまた優しい顔してます.
- 千葉
- うわ,顔,長っ.
- 剛
- そして武田さん.
- 中牟田
- 作り易いですよね.
- 剛
- 先生のような眼差しですよ.これ,ぜひおうちに持って帰って下さい.
- 武田
- どうもありがとうございます.
- 光一
- 拓郎さんが「海援隊を出せ,出せ」と,ずっとこの番組のスタッフに言ってたらしいんですよ.
- 武田
- どうもありがとうございます.
- 吉田
- いやいや.
- 光一
- 海援隊の皆さんと拓郎さんは,どっちが先にデビューしたんですか?
- 武田
- いやいや,それは拓郎さんですよ.だって拓郎さんだもん,すべては.つまんないことだけど,コンサートで自分のPAを持ってコンサート会場に行くっていうのを始めたのは拓郎さんだから.それから,シンガーが照明さんを連れてくのも拓郎さんだから.それまでフォークシンガーって,ハウスPAとかな.
- 中牟田
- 会館のね.
- 武田
- 会館のしか.吉田さんがすべて変えたんですよ.
- 光一
- 拓郎さん,やっぱりチームっていうか,団結力っていうか?
- 吉田
- 知りませんよ.
- 光一
- そうおっしゃってますよ.
- 武田
- 衝撃的でしたね.
- 光一
- 拓郎さんのほうが先に歌ってたということですね.
- 武田
- もちろんですよ.僕らが大学2年ぐらいの時に,拓郎さんは大学4年で.隣町の広島に,商科大学の4年に吉田拓郎っていう奴がいるっていう評判を聞いて.まだデビュー前だったんですけどね.アマチュアとして出したレコードを初めて聴いて,それは衝撃を受けましたよ.自分たちとはまったく次元が違いましたからね.例えばチューリップがね,「セントバーナードを連れて散歩する」っていう歌を作ってたのよ.俺らも♪スケッチブックに落書き続く〜とかアマチュアで歌ってたの.で,隣町の広島商科大学4年の吉田拓郎っていう人が作ったLPに針を置くと,♪これこそはと信じられるものがこの世にあるだろうか〜.もう詞の次元が違う.
- 光一
- さすが,「乾いた荒れ地にホースで水をまく」.さすがやな.
- 剛
- さすがやね.
- 光一
- 拓郎さんは海援隊の皆さんが出てきた時にどういう印象を?
- 吉田
- あのね,すげえ昔ですけどね,通信販売のレコード会社だったんです,僕.エレックっていう.僕とか泉谷しげるとか.通信販売のレコード会社で,メジャーの大手のレコード会社から見向きもされてなかったんですよ.そしたら武田さんたちがその会社に入ってらっしゃって,「馬鹿だなぁ」と思ったんですよ.「ここ,通信販売なのに」って.博多から出てきたっていうから,夢は大きいんだろうに.
- 武田
- 違うんですよ.憧れたわけですよ,吉田拓郎に.それが入った瞬間にいなくなっちゃってさ.
- 剛
- あららら.
- 武田
- つまづきから始まった東京暮らしだったよね.だって,その当時,俺たちを風靡した雑誌で「新譜ジャーナル」っていう音楽雑誌があって,そこに吉田拓郎さんが表紙に載ったのよ.だから,とにかくその「新譜ジャーナル」っていう音楽雑誌の表紙に載りたかったの.それが憧れだったのよ.でも,俺らが憧れて吉田さんのいたレコード会社に行ったらいないし,「新譜ジャーナル」の表紙になりたいと思ったら,その「新譜ジャーナル」もなくなっちゃって.そういうのあるじゃない.
- 光一
- 拓郎さんがよく載ってたと.
- 武田
- ビックスターだったからね,吉田拓郎ってのは大きかったからね.歌詞は深いし,勝てないのよ.
- 光一
- 拓郎さんに聞きましょう.海援隊の皆さんのデビュー当時を.
- 吉田
- 僕だからね,その通信販売の会社辞めちゃったので,よく知らないんですけども.僕がだから武田鉄矢さんなんかとよく話するようになったのは,だいぶ時間が経ってからなんですよ.途中,間が抜けちゃって.特に僕は武田鉄矢という人が映画にすごく情熱を燃やしてる時代に呼び込まれたりして,映画の手伝いとかさせられたんで,その時にいろいろ話聞いてて「こんな人だったんだ」と.メチャクチャ蒸し暑い男だなっていうのは.
- 武田
- 寄って行くからね,暑がられちゃって.
- 光一
- 海援隊の皆さんから「拓郎さん,拓郎さん」と.
- 武田
- そうだね,本当に存在大きかったですよ.僕,映画の主題歌とか頼みましたからね.「刑事物語」っていうのを自分で企画して,絶対に吉田拓郎っていう人の声じゃないとダメだと思ったのね.よく覚えてるのは,吉田さんから歌が上がってて,スタッフで聞くわけですよ.スタッフはシラーッとしてるんのよ.俺はものすごく気に入ったんだけど,スタッフが「大丈夫ですか?」って言うのよ.
- 光一
- でも,LOVE LOVE あいしてるの「全部だきしめて」も,スタッフはそう言ってたらしいですよ.
- 武田
- 不思議だよね.使ってくうちにだんだん馴染んでく.
- 光一
- そうなんですよ.
- 武田
- 吉田さんてそういう個性の人なんでしょうね.
- 光一
- 聞いていくうちにツボにハマってしまうという.不思議ですよね.武田さんは俳優としても有名ですけど,僕らもね,見てました.
- 剛
- 僕がすごい印象に残ってるのは,「101回目のプロポーズ」が.毎回泣かせていただきました.
- 光一
- そして,もちろん「3年B組金八先生」.これは今もやってらっしゃいますが.
- 剛
- ジュニアも本当にお世話になってます.
- 吉田
- PTAか,おまえは.
- 光一
- 金八先生シリーズの弟一弾が昭和54年にあったと.僕らの産まれた年ですね.
- 武田
- あ,そうなの.すごかったんだよ.たのきんっていうスーパースターがいてね.
- 光一
- LOVE LOVE オールスターズにいるんですよね.ギターのメチャクチャうまい.
- 剛
- 僕らのギターの先生です.
- 武田
- 風呂屋のヨッちゃん.
- 光一
- あらら.
- 野村
- 僕,昔からこういう影から見てる役なんですよ.
- 光一
- 野村さん,どうぞこちらのほうに.
- 野村
- いや,影にいる男ですから.お久しぶりです.
- 武田
- 元気にやってるか?
- 吉田
- それって時間が経っても先生と生徒みたいな感じがあるの?
- 野村
- ありますよ.僕なんか本当にタイムリーに中学3年だったんですけど,本当に行ってた中学の卒業証書なくしちゃって.桜中学っていう金八先生の学校の証書があるんですよ.
- 光一
- そっちは残ってるんですか.
- 武田
- バッチはもってるか?
- 野村
- もってますよ.当り前ですよ.
- 剛
- 先生や.
- 光一
- その頃のVTRがあるんでどうぞ見て下さい.
- 「VTRへ」
- 光一
- というようなね.
- 野村
-
素晴しい.
- 光一
- 当時のこと覚えてます?
- 武田
- 覚えてる覚えてる.銭湯のシーンとかの時,まだこいつ15だから,マジになってうつむいてて.
- 野村
- そう,セットを作って,スタジオのなかに.その真ん中に入れられちゃうわけだから.
- 武田
- メチャクチャ照れちゃってて.本当に可愛かったよな,あの頃は.
- 野村
- ありがとうございます.今はメチャクチャですね,じゃあ.
- 武田
- そんなことない.卒業式で泣きだしてな,撮っててな.いちばん最初がこいつが泣いて,その次がキヨシだよな.
- 野村
- キヨシっていうのは,今でいう近藤真彦っていう.
- 光一
- あの頃の武田さんはどんな方でした?
- 野村
- 怖かったよ.すごい怖かったよ.
- 光一
- やっぱり芝居に対して厳しく?
- 野村
- もちろんもちろん.それで撮影をしてる時じゃない時も先生なの.
- 光一
- 今の金八先生でもそうですか?
- 武田
- そうだね.だって,15歳でしょ.「ここまでがお芝居で,ここからはお芝居じゃありません」って言っても同じだから.わかる?ドラマで一回やるとわかるけど,15のガキが30人もいるでしょ.俺の長台詞あるとチェックしてるもん,「大丈夫かな?このオッさん」みたいな顔してるもん.完璧に視聴者だもん.
- 野村
- そうそう.でも,その先生が長い台詞を言ってる時に僕らは何もすることがないじゃない.席に座って,モニター見て,自分が映ってるか映ってないか.
- 武田
- 確認しやがんの.
- 野村
- そればっかだったかも.
- 光一
- それはいかんですね.
- 武田
- 当時はほとんどアマチュアの子だったでしょ.だから,そこから躾ないとだめで.でもけっこう遊んでたよな.
- 野村
- 遊んでましたね.さあ,帰ろう.
- 光一
- すいません,わざわざありがとうございます.すごいですね,そういうの.どうです?拓郎さん.
- 吉田
- 今の武田鉄矢の長い台詞で俺も思い出したよ.あのね,映画に引っぱり出されてね,この人,長い台詞とか好きなんですよ.映画とかやり始めると主人公になり切っちゃって公私がなくなる人なの.仕事が終わった後もそのまんまになるわけ.たまたまやったのは,彼が坂本竜馬をやった映画があるんですけど,それにちょっと出てるんですけど.
- 光一
- 拓郎さんも共演なさってると.
- 吉田
- ええ,それでね,この人がすごい長い台詞とかある間中,僕,炎天下で死んでなきゃいけないのに,なかなか死なせてくれない.それで何回もやり直してるから,一日中炎天下の中で死んでて.夜なんかもね,お酒飲んでてもね,坂本竜馬になってるわけ.そういう人ですよ.
- 光一
- 俳優としては武田さんのほうが先輩に.
- 武田
- そうですね.ただ,吉田さんになんでお願いしたかっていうと,吉田さんの声っていうのは,アジテーターの声なんですよ.たった一声で千とか万の若者が彼の後について行くような声.それを長州の高杉晋作っていう英雄がいるんですけど,その人もそんな声だったんじゃないかと思ったんです.拓郎さんってライヴで雄叫びを上げた瞬間ってカリスマを感じるでしょ.
- 光一
- すごいです.
- 武田
- それはやっぱり一種のカリスマで,俳優さんでは出せないんですよ.やっぱりミュージシャンのもってるカリスマってすごいじゃない.短い一言で相手の心の真芯まで入ってくる人っていないでしょ.
- 吉田
- 俺でもね,一生懸命頑張った武田さんには申し訳ないけど,今でも笑っちゃうんだけど,ひどい映画だったと思うんですよ.本当にね,高杉晋作さんってヒーローなんですよ.で,時代劇じゃないですか.なのに僕,カーリーヘアで出てるんですよ.
- 光一
- かつらかぶってないんですか?
- 吉田
- 入るのがなくて.
- 光一
- じゃあ,見てみましょう.
- 吉田
- あるの?嫌な予感したんだ.勘弁してくれよ.
- 「VTRへ」
- 光一
- カッコいい!すごいじゃないですか.
- 武田
- 間違えてないでしょ.
- 光一
- マッチ棒ヘアが.
- 吉田
- やっぱりさ,長い間生きてて,髪形あんまり変えないほうがいいね.いろいろ出できちゃうと「これは俺じゃない」って言いたくなるじゃない.
- 光一
- あのマッチ棒っていうのは?
- 吉田
- マッチ棒って言うなよ.
- 光一
- かつらが浮いちゃうからですか?
- 吉田
- かつらじゃないよ.地毛でチャンバラやったの俺だけじゃないかな.
- 光一
- 当時のこと覚えてらっしゃいます?
- 武田
- 全力でしたね.吉田さんっていう,とにかく遮二無二お願いして引っぱってきた感じだったんですけど,どうしても彼に相手をして欲しかったんですよね.少し音楽の状況と似てるんじゃないかな.彼はずっとスーパースターだったわけですよね.僕は吉田さんに憧れてるんだけど,行ったら彼は会社辞めちゃったとかね.吉田さんの出てる雑誌がなくなったとか.だから,いつも吉田さんの背中を追っかけてきたから,一回,こっち側を向いて勝負してみたかったというか.大きい人でしたからね.お亡くなりになったみたいな言い方だけど.
- 吉田
- 俺,今しみじみ聞いちゃったけど.
- 武田
- やっぱり僕の中で吉田拓郎っていうのは,いつも長いテーマだったですよね.半分ぐらい自信がありますよ.吉田さんにも立派なプロデューサーがいるでしょう.だけど,僕は今でも思ってるけど,吉田さんを使うのは僕がいちばん上手いと思う.僕は吉田さんに映画でも音楽でも,もっと素敵にデフォルメする方法は俺が知ってる思ってますよ.逃げちゃうからもう袖を引っ張るのやめたけど,夢は,吉田さんの若い頃の歌で一本映画作りたいね.ぜんぶ吉田さんが流れてくるっていう.でも,「刑事物語」のパート1の時に,女の人と別れてく時に吉田さんの歌をポンと入れたんですよ.もう抜群だったもんね.♪ええかげんな奴じゃけん〜って.
- 光一
- そのぐらいズバッとくる歌がたくさんあると.拓郎さんは,VTRの当時のことは覚えてます?
- 吉田
- よく覚えてます,この映画の時は.生まれて始めての体験で,それっきり出てないんですよ.
- 光一
- 最初に話を聞いた時はどうだったんです?
- 吉田
- 映画が「RONIN」っていう,明治が生まれる直前の時代の映画だったんで,刀差したりとか僕だめだから.すごい武田さんもスタッフの人も強引で.だまされたと思って行ってみると,本当にだまされたと思いました.
- 光一
- 役者はダメだと?
- 吉田
- ええ,僕本当に.
- 光一
- 見ててすごいですよ.
- 武田
- 存在感あるでしょ.ちっともおかしくない.
- 吉田
- あの映画はね,浅野温子さんとラブシーンがあったんですよ.それだけ忘れられない.でも,映画とかドラマって,周りにスタッフがいっぱいいるじゃない.そんなとこでラブシーンとかって恥ずかしくて,俺,向かねえやって.
- 光一
- 今やりましょうよ.
- 吉田
- いいです,いいです.
- 光一
- 拓郎さんじつは,やり始めるとメチャクチャ真剣にやる方ですからね.
- 武田
- しゃべりだって昔はうまかったんだよ.
- 吉田
- 「昔」とか言うと俺,死んだ人みたいじゃん.
- 光一
- 嫌ですか?
- 吉田
- 嫌ですね.
- 光一
- 武田さんはずっと金八先生やってらっしゃいますけど,実際に先生になろうとしたことがあったと聞いたんですけど.
- 武田
- 僕は福岡教育大学でしたからね.そのまま行っとけば学校の先生になるのが僕の未来だったんですけど.でもバカだから出できたんですね,東京に.
- 光一
- 実際になろうとしてた経験が金八先生に反映してると?
- 武田
- いや,最初はそんなね.でも最近はやりながら教育大学で教わったことが役に立ってるなとは思いますがね.
- 光一
- なぜ先生になろうと思ってたのにミュージシャンに?
- 武田
- 根がバカなんですよ.一回,実際に小学校6年生の教育実習で立ったことがあるんですけど,しょーもないことばっか教えるんですよね.
- 光一
- 人と言う字は,みたいな.
- 武田
- そう.
- 剛
- 名言ですよ.
- 武田
- そういうの,むやみに好きなんですよ.
- 光一
- いいじやないでてすか.
- 武田
- ちょっとしたことで理屈がわかるとすごい嬉しい.だから,家族からも嫌われてるんですよ.
- 光一
- そんなことないですよ.
- 武田
- 漢字の秘密とかで,例えば人と言う字はとか,そういうの面白いじゃない.
- 光一
- 俺,そういうの好きなんですよ.
- 吉田
- だから,こういう感じなわけよ.
- 武田
- ごめんごめん.
- 光一
- いいじゃないですか.
- 吉田
- ずっとこういう話だよ.
- 光一
- 俺そういう先生好きですよ.
- 剛
- 僕も好きですね.
- 吉田
- 俺,嫌いなんだよ.
- 剛
- 一生懸命教えて,自分と向き合って教えてくれるっていう.
- 吉田
- 武田君はそういう人ですよ.向き合って本当に話を始める.
- 武田
- 吉田さん曰く,仲良くなると前が見えないみたいね.
- 光一
- あと,映画で「刑事物語」っていうのが.
- 武田
- あれは30代で必死になってやったな.
- 光一
- 武田さんは今でも本当にすごい体格が.
- 武田
- 年取りましたよね.
- 光一
- 身体さわったらすごいんですよ.その時のハンガーヌンチャクちょっと見たいなと.篠原.
- 篠原
- はーい.ジャジャジャーン.ハンガー.
- 武田
- ちょっと慣れてないからな.
- 篠原
- すごい.
- 光一
- すごい.
- 剛
- すごい.
- 篠原
- 回収します.ハンガーでした.
- 剛
- すごい.ハンガーってああいうこと出来んねや.
- 光一
- それではLOVE LOVEなものいきましょう.これは?
- 中牟田
- 去年の大晦日に手に入れたギターです.どうしてもギブソンが弾きたくなって.いずれいずれって思ってて,ずっと.そしたらカミさんが「あんまりいずれって,もうないんじゃない」って.
- 吉田
- すごいカミさんだな.
- 中牟田
- それで手に入れたんですよ.いいですよ.
- 光一
- 何本ぐらいギターお持ちですか?
- 中牟田
- 僕はあんまり持ってないですよ.5〜6本ぐらいです.
- 光一
- 拓郎さんは何本でしたっけ?
- 吉田
- 2本ぐらいかな.
- 光一
- けっこう持ってない人多いですよね.いいですよね,ギター.今日も僕たちのオープニングで弾いてたのは,拓郎さんからお年玉としてもらった.
- 武田
- いいなぁ.
- 光一
- ちゃんとネックのとこに「from 拓郎」って.
- 武田
- でも,漢字で書くと「贈拓郎」ってわけだから.なんだか開店早々のパチンコ屋みたいだよね.
- 光一
- でも,大切にします.
- 武田
- いいなぁ.
- 光一
- これは?あっ!猫だ.
- 中牟田
- また俺だよ.可愛いでしょ.これは生前の写真なんですよ.
- 光一
- 死んじゃったんですか?
- 中牟田
- 死んじゃったんですよ.生きてる間にね,この番組に出たいって言ってましたね.
- 吉田
- 誰がだよ?
- 光一
- 言ってる,言ってる.出してくれって.
- 中牟田
- 供養のために.
- 吉田
- そんなやついるかよ.
- 光一
- 猫は可愛いっスよね.今は飼ってないんですか?
- 中牟田
- 死んじゃってね,飼う気にならないんですよ.
- 光一
- そうですよね.でも猫はいい.ね,拓郎さん.
- 吉田
- わかったよ.猫好きなんでしょ.はい,わかりました.
- 光一
- これは?
- 千葉
- 私ですね.見てわかるとおり埴輪の顔ですが,これは健康グッズですね.腹筋とか背筋とか楽に鍛えられるという.ピンクのは肩とか首とか.茶色の丸いのは握力とツボですね.
- 光一
- 握るんですよね.あのメガネは?
- 千葉
- あれは,突起が2本出てて背中を.
- 光一
- いいな.
- 千葉
- 最近ちょっとね,体力がないんでね,近くの公園を早足で7キロぐらい歩いたりとか.
- 光一
- 拓郎さん,そういう運動は?
- 吉田
- ぜんぜん.これ見ててもそういうものには見えない,俺には.
- 光一
- ぜひ拓郎さんにもプレゼントを.
- 吉田
- やめて下さいよ.
- 光一
- これは?
- 千葉
- これは武田さんも持ってないと思うんですけど.まだアマチュアの頃,僕が海援隊に入る前だったんですけど,武田さんがいちばん初めに書いた小説ですね.いたずら書きは私ですけど.100円ぐらいで.
- 武田
- やってたんですよ.
- 千葉
- 持ってる?
- 武田
- 持ってない.自分で作り上げて,ぜんぜん大事にしないんだよ.映画も作っといて自分でも見ないもん.「金八先生」なんてつい最近パート1見た.
- 光一
- 本当ですか?
- 武田
- 反省するから嫌で.欲が出てくるじゃんな.作るまでは必死だけどね.
- 千葉
- 昔から小説書くの好きだったからね.
- 光一
- 貴重ですね.ありがとうございます.続いては?
- 武田
- これは司馬遼太郎さんから書いていただいた色紙なんですよ.この人が昔書いた「竜馬が行く」というのがとっても好きでね.自分の青春の本になっゃって.37の時にお会いしてね,何時間か司馬遼太郎さんとお話させていただいて.その別れ際に司馬さんが.これは竜馬の言葉なんですけど,私の顔を見て「情けない奴だ」と思われたんでしょうね.「厚情必ずしも人情にあらず.薄情の道忘るるなかれ」って書いてありますね.
- 光一
- どういった意味ですか?
- 武田
- 人に優しくするのはいいけど,うっとおしく思う人もいるんで,薄情も忘れちゃダメだと.
- 吉田
- それはその通りだね.
- 武田
- はーい.
- 光一
- なるほどね.
- 武田
- でも,もうお亡くなりになったんですけど,本当に大好きな作家さんでしたね.
- 光一
- この言葉を心に.
- 武田
- 本当に暑苦しいから,薄情を忘れちゃダメですよって,はっとする言葉ですよね.
- 光一
- なるほどね.薄情も.
- 武田
- 情のうちですよね.
- 光一
- 僕らも入れとこう.
- 武田
- ごめん.
- 光一
- 猫はいい.
- 剛
- 皆さん聞いてるからね.
- 光一
- これは?
- 武田
- 豪徳寺の招き猫.うち,毎年お正月に招き猫買いに行くんですね.招き猫の元祖です,これ.豪徳寺の前を徳川家お侍さんが歩いてたら猫が出てきて手招きしたんだって.それでお侍さんは本当は将軍様なんだけど,そこに雨宿りに入ったら,さっき殿様がいたところに雷が落ちたんだって.それで猫が将軍様を手招きして助けたっていうんで,豪徳寺の招き猫で,これが元祖なんです.
- 光一
- 猫はすげえだろ.猫はいい.
- 剛
- 猫はあなただけのもんじゃないので.
- 光一
- 俺,半分猫やからね.いいなぁ,猫は.あの首の鈴を鳴らしたいね.さあ,続いては相性チェックいましょう.
- 剛
- いきましょう.
- 光一
- 芸能界の女性300人の中から選びました.まずは千葉さんのベスト1.由美かおるさん.86パーセント.「穏和な外見とは裏腹に激しい気性のあなたは,安らぎを与えてくれる彼女が一番.男女の心の絆や信頼感を大切にするあなたにとって,母性豊かな彼女はきっと,あなたの良き理解者になってくれることでしょう」.どうですか.
- 千葉
- 僕は西野バレエ団の頃から好きでしたよ.
- 光一
- そうですか.拓郎さんどうですか?
- 吉田
- なんかで見たけど,気とかやってたでしょ.それが怖いな.
- 武田
- 怖がってどうするんですか.
- 光一
- 続いて中牟田さんいきましょう.この方.八代亜紀さん.「情に流されないクールなあなたには,スリルとロマンを求める彼女との相性がバッチリ.素早いアプローチとドラマチックな演出で彼女の嫉妬心を刺激すれば,きっと二人の恋は永遠のものとなるはずです」.
- 武田
- もうしかし,50過ぎた男に永遠の恋とかいってもダメだね.
- 光一
- いいじゃないですか.関係ありませんよ.
- 中牟田
- ありがとう.
- 光一
- 続いてびっくりしました.
- 武田
- 俺?
- 光一
- 武田鉄矢さん見てみましょう.高島礼子さん.
- 武田
- こんなきれいな人.
- 光一
- 「義理人情に厚いあなたは,頼りにされるとすぐにコロッときてしまうところがあります.甘え上手な彼女から主導権をわたされるともうメロメロ.骨抜き男に大変身してしまうでしょう」.骨抜きなのか?っていう感じです.みんなきれいな方ですね.参考にして下さい.続いてはガチャガチャマシーン.回していただきましょう.
- 千葉
- はい.
- 光一
- いろんな質問入ってますんで.京都市にお住まいのイケダノゾミさん.「武田鉄矢さんは,昔,喫茶店でアルバイトしてた時,ウィンナコーヒーがわからなくて,コーヒーにウィンナーを付けて出したという話を聞いたことがあるんですが,それは本当でしょうか?また,そんな持ちネタのような面白い失敗談があったら教えて下さい」.
- 武田
- それは当たってないですけど.まだ二人が空気中の微生物だった頃,オジさんたちは青春があったわけですね.東京と地方の落差ってあったんですよ.そのへんは吉田さんに聞いて下さい.オジさんたちの住んでる博多の街には売ってないものが東京にはいっぱい売ってた.そのなかで一番覚えてるのは,八百屋さんに行ってカップヌードルってあったんですよ.私たちはその手のインスタントものは食べたことがなかったから.袋入りの棒麺しか知らなかったし,そんなの見たことないから,カップヌードだって連想したの.その手の写真が入ってるやつかと思ってドキドキしながら買いに行って,開けてみたら乾燥麺が出てきたんでびっくり.ずっと底を探し続けたけどね.
- 光一
- オマケでついてると思って.
- 武田
- 博多では麺だからね.俺らヌードルなんて言う友達いなかったもんな.とにかく西洋から来た犬は全部ラッシーって呼んでたしね.それが犬の名前だと気付いたの大きくなってからだもん.
- 光一
- 拓郎さんはそういうのありました?
- 吉田
- 俺が東京に来た時に最初にぶっ飛んだのは,寿司.江戸前の握るやつ.ああいうの関西にはないんですよ.寿司はバラ寿司か太巻きの.広島で寿司食べようといったらバラ寿司.東京の寿司屋でカウンターに座った時はびっくりしたな.「へい,らっしゃい.何にしますか?」って言われて,刺身があってさ,米の上に乗せて出すじゃない.俺,笑っちゃって笑っちゃって.何馬鹿なことやってんだと.
- 光一
- 寿司屋で握ってるの見て笑ってもね.
- 吉田
- 見ことないんだもん.
- 武田
- でも,それぐらい差があったな.ピザなんかびっくりした.何だろう?と思った.「土器か?」とか思ったもんな.そんなもんよ.
- 吉田
- それ,素晴しい.土器.
- 光一
- そんなにあるんだ.
- 武田
- 格差あったよ.
- 光一
- じゃあ,もう一つ.
- 武田
- はい.
- 光一
- 大阪市にお住まいのワタナベマリさん.「武田鉄矢さんにお願です.101回目のプロポーズの感動の名台詞を聞いた時から,私は武田さんの大ファンです.そこでお願いですが,僕は死にましぇん,あなが好きだから,をもう一度聞かせていただけませんでしょうか」.
- 武田
- 吉田さんがいらっしゃるんで,軽く歌っていただけませんか?
- 光一
- 剛くわしいしな.
- 剛
- yes.いいですよ.おまえ,浅野さん.
- 光一
- なんでやねん?拓郎さんのがいいよ.
- 吉田
- じゃあ,会場のお客さんで.
- 篠原
- 私がやるやる!!私がいるじゃないですか.温子でーす.
- 武田
- 音楽スタート.
- 剛
- ♪余計なものなどないよね〜.
- 武田
- 僕はしにません,僕は死にません.あなたのことが好きだから.
- 篠原
- 鉄矢ぁ!!
- 武田
- うわぁ!!
- 篠原
- 素敵.
- 吉田
- おい,ここはどこなんだ?
- 光一
- どうよ,正面切って名台詞を.
- 篠原
- 老けたなと思いました.でもカッコ良かったですよ.演技うまいじゃないですか.
- 光一
- 何を言うとんの?
- 剛
- プロや.
- 篠原
- ありがとうございました.
- 光一
- すいません,ありがとうございます.それではLOVELOVEなものにいきましょう.
- 剛
- これですね.
- 光一
- クロスビー・スティルス・ナッシュ・アンド・ヤング.「ティーチ・ユア・チルドレン」.こちらをお選びになった理由は?
- 武田
- 我々がフォークソングを始めた頃にすごくヒットしてたグループなんですよ.ニール・ヤングという人が後にすごいヒット出すんですけど.これは「小さな恋のメロディ」っていう映画の一番最後に流れる歌で,その歌が大好きで.海援隊が3人になった時にコーラスがヘタクソだったから,チューリップみたいにうまいのいっぱいいたから,コーラス練習しようっていうので,「ティーチ・ユア・チルドレン」でよく練習してたんですよ.でも,最近年とったから因縁感じるんだけど,まぐれで選んだ「ティーチ・ユア・チルドレン」だけど,曲のタイトルからして「あなたの子供に教えてあげなさい」っていう曲でしょ.まぐれで選んだ曲だけど,なんかちょっと金八先生の占いみたいに自分の大好きな一曲って,中年になったらなんでその歌を選んだかって思い当たる気がして不思議だよね.
- 光一
- なるほど.俺も巨人軍の応援歌のテープも.
- 武田
- 最初はそれ?
- 剛
- 俺は銀河鉄道999ですね.
- 武田
- 年とったらぴったり合うかもしれないよ.
- 光一
- 言ってええんかな?言わんとこう.「ティーチ・ユア・チルドレン」,教えていただきましよう.歌っていただきましょう.よろしくお願いします.
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