#164
HomePageだけの特別編集版 鈴木雅之編
- 光一
- はい,改めてご紹介しましょう.今夜のゲストは元祖リーダーでございますね.マーチンさんこと鈴木雅之さんです.よろしくお願いします.
- 剛
- よろしくお願いします.
- 鈴木
- よろしくお願いします.
- 剛
- さあ,さっそく人形のほうご紹介したいんですが.ちょっと怖くて触れないんですが.どうですか?このダンディな.
- 光一
- 怖い怖い.
- 剛
- 怖い怖い.
- 光一
- 眉間にシワ寄ってる.ワイン片手に.
- 剛
- 煙草をふかし.
- 光一
- これ,お待ち帰り下さい.
- 鈴木
- ありがとうございます.
- 光一
- というわけでですね,なんてお呼びすればいいのかと迷っておるんですが.
- 鈴木
- 何でもいいですよ.
- 剛
- いちおうリーダーと呼ぶとTOKIOの城島茂という.
- 光一
- 顔が浮かんでしまうんですが.鈴木さん言うたらなんか近所の人みたい.雅之さん,なんか結婚してるわけでもない.
- 剛
- 惚れた女みたいになってしまってるんで.
- 光一
- どういたしましよう?
- 鈴木
- 子供の頃から,愛称でマーチンと呼ばれていたんで,マーチンと呼んでもらえれば.
- 光一
- じゃあ,マーチンさん.
- 剛
- マーチンさん.
- 鈴木
- 「まあ,チンさん」じゃないですからね.
- 剛
- それはわかってますよ.
- 光一
- そこで切ったらね,やっぱり拓郎さん喜んじゃいますからね.
- 吉田
- それは,子供の頃から呼ばれてる愛称があって,それで呼んでもらえるっていうのがOKだったらさ,俺だって「拓郎さん」は嫌だよ.
- 鈴木
- なんて呼ばれてたんですか?
- 吉田
- 拓チン.
- 光一
- 拓チン?
- 吉田
- だいたい子供の頃ってチン付けで呼ばれない?「拓郎さん」って言われるより「拓チン」って呼ばれたほうがいいね.マーチン,拓チン,光チン,つよチン.つよチンってちょっとすごいな.
- 剛
- だいぶ強いよ.
- 光一
- 強い?
- 剛
- 強い強い.
- 光一
- マーチンさんはやっぱり雅之の「ま」をとって?
- 鈴木
- 普通そう思うんだけど,子供の時に007,ジェームス・ボンドっていたでしょ.そのスパイカーでアストン・マーチンっていうのがボンドカーだったんだけど,それが子供の頃から大好きで,よくミニカーとか集めてて.それがそのまま高じてマーチンになっちゃったの.だから雅之からきてるマーチンじゃないんだよね.
- 光一
- そうなんですか.「あいつはマーチンが好きだぜ.おい,マーチン」っていう軽いノリだったと.
- 剛
- ということは,相方でいえば,おまえは「もずく」という名前になるな.
- 鈴木
- もずく好きなの?
- 光一
- 大好きですね.
- 剛
- もずちゃんみたいな.
- 鈴木
- 拓チンは何が好きだったんです?
- 吉田
- もし車でカローラが好きだったらカロチンなの?
- 鈴木
- ですね.
- 光一
- ベータカロチンはニンジンに多く含まれてますが.
- 吉田
- 俺はナマコが好きなんだけど,どうしたらいいの?ナマチン?
- 剛
- それはダメですね.
- 光一
- まずいですね.
- 吉田
- 街歩けないよ.
- 光一
- マーチンさんも声から仕草から存在がカッコええと思うんですわ.
- 剛
- 渋いですね.
- 光一
- 渋くて.それはやっぱり自分で意識して「渋くいこう」っていう?
- 鈴木
- そんなことないですよ.
- 光一
- これが素の状態なんですか?
- 鈴木
- この状態.
- 剛
- 素が渋いんですよ.あなたみたいに狙って渋くとかじゃないんですよ.
- 光一
- またまた.どっかに違うマーチンさんがいるはず.
- 剛
- それはやっぱり親しい友達とかの前では多少あれでしょうけど.でも,やっぱり今のマーチンさんが素なんですよ.
- 鈴木
- この人形みたくワイングラス片手に煙草の煙をくゆらせてっていうイメージはあると思う.でも,さすがにこれはね,これが普段だったらちょっと嫌だよね.
- 剛
- ちょっとびっくりしますけどね.
- 鈴木
- そういうことじゃない普段のままのような気はしてますけどね.
- 光一
- なんか聞いたんですけど,昔からBGMを作るのが得意だって.
- 鈴木
- 昔はね.やっぱり13〜4年前っていうのはね,けっこうね,車に乗る時に自分でカセットに自分の好きな楽曲とかを編集して,それをカセットで.90分テープじゃないといけないとかっていうこだわりがあってね.
- 光一
- ということは,90分の最後の最後で落ちるわけですね.
- 鈴木
- 落ちるかどうかはわからないけど,例えば夜,海に行こうとか,彼女とね.そういう時にだいたい90分間ぐらいあれば目的地って着くわけけじゃん.そこまでの選曲をしたりとか.そういうのがね,けっこうこだわってやってたね.
- 光一
- それは相手を見て,相手の雰囲気に合ったものを?
- 鈴木
- というか,自分が聴きたいものだったり.だから音楽を聴いて落とすことが目的じゃなくて,心地よいBGMとして流れてて欲しいっていう.わりとブラックコンテンポラリーな音楽が多かったんだけど,そういう楽曲をセレクトするわけですよ.でも,例えば60年代のR&Bで「スタンド・バイ・ミー」っていう,ベン・E・キングの曲があるんだけど,それをあえてベン・E・キングのバージョンじゃなくて,モーリス・ホワイトのバージョンで入れとくことによって,聴いた人が「あ,この曲知ってるけどちょっと違う」とか.そういうちょっとこだわってるようなことをね.
- 光一
- 相手の興味を少しそそるわけですね.そこからまた会話が.
- 剛
- なるほどね.
- 光一
- そこやな.そこやで.拓郎さんはそういうテク使いますか?
- 吉田
- 僕は,運悪くハワイアンが好きですから.ハワイアンばっかりかけてるんで,すげえ車の中が脳天気な感じになるんですね.
- 光一
- いいじゃないですか.
- 吉田
- それは最終的にその女の子を目的地に連れてけばいいわけで,その後はどうでもいいわけ?
- 鈴木
- そこできっと気分が高揚したりとかっていうのが,多分あるんじゃないかなと.でも,ハワイアンだと冬場きついですね.
- 吉田
- 冬場きついしね,いちばんヤバいのはね,ちょっと関係ないけど,ポルシェに乗ってる頃にハワイアンかけてたわけ.ハワイアンポルシェって呼びながら.
- 光一
- ちょっと似合わないですね.
- 吉田
- そうするとね,車のスピード出す気にならないんだよ.
- 光一
- なるほど.
- 吉田
- そうするとね,ダンプカーに追い抜かれるポルシェなんだよ.やっぱり聴いてる音楽によって運転してるあれって変わっちゃうよね.目的地に着いて,ブラックコンテンポラリーで「よく知ってるな,この人」っていう感じにさせといてどうするの?帰る?
- 鈴木
- いや,帰るっていうか.ただやっぱり,さすがに夜の海を見に行こうっていうこと自体がもう不埒ですからね.夜の海ってほとんど見えませんから.
- 光一
- 何も見えないですね.
- 鈴木
- だからもう,きっかけでしかないんですね.ただ,そこで流れている音楽に例えば酔いしれることも,ちょっと一つのね.
- 吉田
- それを自分の家でカセットで作ってる姿ってすごいね.
- 鈴木
- 今じゃないですから.今はCDとか車に積んでランダムに流れるようになってるから.っていうか,俺,言い訳してますかね?
- 吉田
- 言い訳好きみたいに聞こえるね.
- 鈴木
- 意外と.次行きましょうか.
- 光一
- 何か教えて下さいよ,僕らにもそういうテクニックを.
- 剛
- 恋愛必勝テクを.
- 光一
- こうすればコロッといくぞ,みたいな.
- 鈴木
- やっぱり素直な自分を見せることでしょうね.
- 光一
- 例えばステージに自分が立ってる時に.
- 鈴木
- だって自分が思ってるイメージって例えば頭の中で考えるけど,出せるのって目線だったりするから,その目線に対して自分が素直でいれば,絶対に人には伝わるんじゃないかなっていうふうに思ってて.でも,じつはそのステージやり切った時に「もっと本当は俺こういうことが出来るかもしれないな」みたいなさ,ダメ出し的なところはあっても,いつも目線に対して自分が物事考えてると,とても素直な自分が出せるんじゃないかなっていうふうに思って.だから,計算しちゃうと絶対に失敗しちゃうじゃん.だから,絶対に計算するような恋愛は勘弁ってぐらいのがいいんじゃないかな.
- 剛
- 素直に.
- 光一
- なんかあるって聞いたんですよ,お決まりのポーズが.どんな感じに?
- 鈴木
- 必ずステージで最初に喋ることがあって.
- 光一
- 何をお喋りになるんですか?
- 鈴木
- いつでも言う言葉は,全国ツアーとかに行って,いろんな街に行くわけじゃん.その街に行った時に「お洒落なこの街」って,お洒落って必ず入れて言う.
- 光一
- 俺ら似合わへんな.
- 剛
- 俺らが絶対毎回欠かさず言ってるのは,「はい,というわけでですね」って,僕らがステージで欠かしてないのは.
- 光一
- 拓郎さんは?
- 吉田
- 俺は,「ようこそ.来てやったのは俺なんだ」って言うんだよ.
- 光一
- 「来てやったのは俺なんだ.乾いた大地にホースで水をまく」.
- 吉田
- 違う違う.俺はナマチンだからさ.
- 光一
- ダメですよ,そんなの.まあ拓郎さんの場合「拓郎!!」って声がかかるのが定番ですけどね.
- 吉田
- 今思ったんだけど,この人は普段の喋ってる時の声が低い.これは何やっててもいいんじゃない.甲高い声で車の中で「俺は」とか言ったってダメだろ.
- 光一
- 俺も今,普段の声じゃないですからね.
- 吉田
- すごい高いよね.
- 鈴木
- 普段と違うんだ?
- 剛
- 普段はね,机に両肘ついて「俺さ」って言う感じですね.そこまでは許せるんですが,かぶってる帽子をね,キャッチャーかぶりにするんですよ.オデコ全開で言ってるんで,声は低いけどね.
- 光一
- やっぱり渋いなぁ.
- 鈴木
- でも,子供の頃からボーイソプラノが出ないタイプでしたからね.
- 吉田
- 出る人は不思議だもんね.
- 鈴木
- だから,声帯というよりは骨格でわりと声って決まるとこもあるんで.
- 光一
- マーチンさんといえばラブソングですけど,ラブソングに目覚めたきっかけってあるんですか?
- 鈴木
- きっかけ?うーん?今の鈴木雅之っていうソロヴォーカリストとしては,シャネルズ,ラッツ&スターっていう自分のパーマネントなグループがあって,今は休止してるような状態でしょ.例えば田代はバラエティに行って,俺は何ができるんだろうって考えた時に,今まではグループとして歌ってる中でのリーダーであり,リードヴォーカリストだったわけで.で,自分が一人になった時に,限り無くメッセージソングを歌いたいなと思って.そのメッセージっていうのは,ラブソングも合いのメッセージであるわけだから,そういうラブソングを歌えるヴォーカリストになっていきたいっていう思いが募ったっていうのが一番最初のきっかけかもしれないね.
- 光一
- 田代さんの話が出ましたけど,このLOVE LOVE あいしてるが始まった頃,鈴木さんを一度お呼びしたことがあるんです.
- 鈴木
- そうですね.
- 光一
- だけど,どうしてもスケジュールが合わないということで,田代さんに来ていただいたと.
- 剛
- そうなんです.
- 光一
- 田代さんもね.
- 剛
- 小ネタをいっぱい披露してね.
- 光一
- 僕らもお世話になってます.昔からのお友達の田代さんとか見てきて,ここは変わったなとか,ぜんぜん変わらないなとかあります?
- 鈴木
- ぜんぜん変わらないよね.みんな幼馴染みじゃない.そういう幼馴染みって基本的に絶対変わらないような気がするの.特に仲がよかった仲間たちって.で,集まればその当時の話してみたりとか.まあ,田代とはよく会うんでね,あいつとのノリっていうのもぜんぜん変わらないし.今はみんな一人一人ソロでやってるけど,なんか自分たちのバックグラウンドには,いつもラッツ&スターという,言ってみれば絆みたいなものがあるような気がします.
- 光一
- ああ,カッコ良くてムカついてくるな.ほんまな,俺らもそうなろうな.な?あんた.
- 剛
- あんたって.いや,僕らは無理ちゃうかな.
- 光一
- そういう話が出来るようにな.
- 剛
- そうやな.飯も来いに行かなな.
- 光一
- 食事とか行きます?
- 鈴木
- 田代とかと?
- 光一
- はい.
- 鈴木
- 行ったりするよ.
- 剛
- それか.
- 光一
- それや.
- 剛
- 飯行くか.
- 光一
- サミットな.
- 剛
- そうやな.
- 光一
- さあ,それではLOVE LOVEなものに生きたいと思うんですけど.鈴木さんのLOVE LOVEなものは何を?これはミニカーですね.
- 鈴木
- これは先ほどもちょっと話に出たアストン・マーチンっていう.これは007のボンドカー仕様で.これは6年前に限定で出たモデル.自分の愛称がマーチンだからね,アストン・マーチンって子供の頃欲しくて欲しくてしょうがなかったけどなかなか買えなかったりとか,そんな思いとかも含めて.今はレプリカとかで出きたりするじゃん.でもやっぱりその当時のものは手元に欲しいなと思って.
- 光一
- これはおうちに飾ってるわけですね.これもまた車ですね.
- 鈴木
- これはアストン・マーチンのプラモデルの方.これもその当時の.
- 光一
- 車は好きですか?
- 鈴木
- やっぱり好きですね.自分で運転しないと嫌ですね.
- 光一
- プラモデルつくってないじゃないですか.
- 鈴木
- これ作っちゃいけないんですよ.
- 光一
- 作っちゃいけないんですね?
- 鈴木
- 作りたくてうずうずしてるんだけど作らない.
- 光一
- プラモデルの意味がないじゃないですか.作りましょうよ.僕,作りますよ.
- 鈴木
- いやいや.
- 剛
- そういうもんじゃないねんて.
- 光一
- なんでぇな?
- 剛
- そのままの形で置いとくんですよ.
- 鈴木
- これもだから,1964年頃のやつですからね.作っちゃダメなんですよ.
- 剛
- 作ってしまったらそこで終わっちゃうんですよね,出来てもうたって.
- 鈴木
- その当時007の「ゴールデンフィンガー」だったり「サンダーボール作戦」とか子供の頃に映画を見に行ったわけですよ.その時に「この車すごいな」って憧れていたような時に売っていたものですからね.
- 光一
- これは?
- 鈴木
- もともとすごくレコードコレクターというか,アナログマニアだったんで.ちょうどね,僕が二十歳ぐらいかな?大阪のほうのこういう当時のプレミアがついてるようなレコードを年に一回だけ東京でセールみたいのがあってね.そこで初めて山下達郎さんと知り合ったのがそこだったのね.知り合ったというよりは,達郎さんもそのセールに来てて,あの人は軍手をはめてレコードを買い漁ってたの.軍手をはめて買い漁ってるから「誰だろう?こいつ」って思ったわけ,最初.そしたら「あ,山下達郎さんだ」って.これは後で聞いたんだけど,「なんで軍手はめてたの?」って聞いたら,軍手はめてるとね,めくるのが早いらしいの.あと,手が汚れるでしょ.その二つで.やっぱり1枚で1万か2万とか.これでも俺が19か二十歳の頃で2万ぐらいしたかな.これ,ドゥ・ワップのグループでキャデラックスっていうんだけど.達郎さんも買い漁りながら自分の手元に「これとこれと」って寄せてるわけでしょ.そうすると,だいたい俺が欲しいなと思ってるレコード全部買い漁ってるわけ.でも,懐具合と相談しないといけないわけじゃない,けっこうな値段になっちゃうから.で,「今回はこれはやめとこう」って置いたやつを,「これは俺のだ」って取ったレコードがこれなの.
- 光一
- なるほど,思い出の品ですね.
- 鈴木
- これも当時の音源というかアナログ盤だから.
- 光一
- その時のものを大切にするんですね.
- 鈴木
- とにかくレコードに関しては,それが高じて自分でバンド組んでグループとしてやってこうという気にもなったし.そのぐらいドゥ・ワップとか,R&Bクラシックスと呼ばれるようなレコード盤っていうのはすごく持ってるね.
- 光一
- ちゃんととっとくんですね.こちらは?
- 鈴木
- シャネルズのデビューアルバムなんだけど.
- 光一
- 拓郎さんに似てる人いますね.
- 鈴木
- あれは,今は亡きうちの親父なんですよ.
- 光一
- そうなんですか.
- 鈴木
- 一緒にいるのが愛犬の,当時のクルミちゃんっていう.犬が大好きなもんですから,子供の頃から.クルミちゃんが登場していたジャケットで.それでシャネルズのポスターが破れてて,それをうちの親父が見てるという.
- 光一
- そういう意味があるんですね.
- 鈴木
- ちょうど俺が抱えているのがクルミちゃん.歴代うちには,私のマイソウルお姉ちゃんがお年玉で買った犬とかいろいろいるんですけど,このクルミちゃんに関しては,ちょうど自分がデビュー当時にいたものですからね,3作ぐらいはクルミちゃんが登場しましたね.
- 光一
- 犬好きですか?
- 鈴木
- ダイアナ・ロスに顔が似てるからロスっていう名前にしようかと思ってたけど,どうしてもクルミちゃんってなっちゃった.
- 光一
- 今のシャネルズの皆さん顔を黒くしてますけど,なんか黒人さんの女性が好きだった聞いたんですけど.
- 鈴木
- 黒人さんの女性が?ヴォーカリストとして?
- 光一
- ね?拓郎さん.
- 吉田
- いや,僕は好きですよ.僕は黒人の女の人が本当に好き.もうどうにもならない.
- 光一
- どのへんに?
- 吉田
- 僕,二十歳の時にロスで最初に知り合った女の人が黒人だったんですよ.それからね,もうダメ.白人の女の子はどんなに綺麗な子がきてもダメ.すげえ憧れる.大きい声で言えないけど,俺,アレサ・フランクリンでいってたもん.
- 鈴木
- アレサで?
- 吉田
- うん,アレサで.
- 鈴木
- すごいですね.
- 吉田
- みんな信じられないっていうけど,「おかしいな,俺」って思うぐらいすごい.
- 鈴木
- なんかシーンとしてますね.
- 光一
- 僕らもついていけない.
- 鈴木
- 声ですか?
- 吉田
- いや,体つき.
- 鈴木
- アレサ・フランクリンっていうのは,とてもワイルドな女性でね.
- 光一
- そうなんですか.
- 吉田
- 昔ね,ちょっと古い話なんだけど,僕が初めてアメリカに行った頃は,まだベトナム戦争とかのちょっと前の頃で,まだ人種差別とかアメリカにあったんですよ.だから,黒人しか入れな店とか,白人しか入れない店とか別れてるわけ.絶対に黒人の店に入ってて,朝まで盛り上がってた.
- 鈴木
- 1967〜8年ですか.
- 吉田
- 思い入れいっぱいある.
- 光一
- じゃあ拓郎さん,最近のコギャルみたいのは?
- 吉田
- 好きだな,だからああいうの.
- 剛
- なるほどね.
- 吉田
- なんかね.
- 光一
- 口唇は白いんですけどね.次いこう.
- 鈴木
- これはクルミちゃんですね.
- 光一
- この姿は想像できないですね.
- 鈴木
- これは23歳とか4歳ぐらいですね.
- 剛
- これは犬に対しての座り方ですよ.
- 鈴木
- ちょうど散歩に出て,「よしよし」って.
- 光一
- そういう時の写真.貴重ですね.これは?
- 鈴木
- これは今うちにいるアンコちゃんっていう犬なんですけど.黒パグなんですど,みなしごハッチの格好させてるんですけど.
- 剛
- 可愛い.
- 光一
- なんでまたそんな格好を?
- 鈴木
- いや,なんか似合いそうだったんでね.さっきのクルミちゃんは老衰で亡くなっちゃって.それから歴代犬を飼ってるんですけど,この子は2年目ですね.
- 光一
- 動物はいいな.すいません,これは何ですか?
- 鈴木
- いちおうLOVE LOVEなものということで,田代まさしと鈴木雅之なんですね.ちょっとした企画があって,スティーヴィー鈴木とマイケル田代っていう.いちおうマイケル・ジャクソンを意識してるんです,田代は.それで撮った写真で.これももう15年ぐらい前ですかね.いつも二人であんな格好してるわけじゃないですよ.
- 光一
- これはまた,なんでこういう格好を?
- 鈴木
- 二人でちょっと架空の人物みたいな形で,スティーヴィー・ワンダーっぽい鈴木と,マイケル・ジャクソンっぽい田代みたいな.そういうのを写真で撮ろうと.
- 光一
- ただ撮ろうという話になったんですか?
- 鈴木
- それだけで.
- 光一
- 秘めたるものをマーチンさんは持ってるで.
- 剛
- なるほどな.
- 光一
- マーチンさんにとって田代さんはどんな存在ですか?
- 鈴木
- そうですね,もちろん親友でもあるわけだし.彼はバラエティというか,そっちに行ってるでしょ.お互いに良きファンであり,理解者じゃないかなって.お互いに言い合うしね.例えばあいつがステージを見てくれて,「ここが良かった」とか,「ここはどうしてそういう感じだったの?」とか,そういう話までしますからね.意外と一番の理解者かなってお互いを見てますね.
- 光一
- 拓郎さん,そういうのは?
- 吉田
- みんなシャネルズとかって同じ出身地でしょ?
- 鈴木
- そうですね。
- 吉田
- そういうのすごくうらやましいよね.僕は広島だから,当時のバンド作った仲間とかみんな広島に残ったりするじゃない.一人歯医者になってて,「どうだった?最近の俺の歌は」っ言っても「歯,見せに来い」って言われるだけで,ぜんぜんもう関心持ってません.
- 光一
- 拓郎さんが応援団にいた頃の先輩は,何してるんですか?
- 吉田
- 運送業をやってる人がいて.怖いですよ,すごく.なんで俺にそんなこと聞いてるの?
- 光一
- そうですね.それではLOVE LOVE相性チェックいきたいと思います.これはですね,女性芸能人300の中からマーチンさんにいちばん相性の合う方をコンピューターで割り出しましたので,参考までに.まず,3位はこの方.
- 剛
- よしみちゃんです.
- 光一
- ナメ天童ということでね.「曲がったことが大嫌い.一途な思い込みで現在までやってきたマーチンさんだから,あなたにはこの方.義理人情に厚い,まさにジャパニーズソウルな女性です.でも,酒の席では要注意」.84パーセント.
- 鈴木
- お会いしたことないですけど,とてもファンキーな方みたいな感じしますよね.
- 光一
- 2位はこの方.斉藤由貴さん.86パーセントです.「なかなか人に心を許さない彼女.でも,ついつい女性に頼ってしまうあなたですから,彼女の心をつかむのも時間の問題.だってあなたは案外ウブで純粋なのが彼女にわかってしまうからです」.
- 剛
- あらららら.
- 光一
- なんて書いてますけど,どうですか?
- 鈴木
- 当たってるかもしれませんね.
- 光一
- マーチンさんがちょっと純粋でウブなとこ見せたら,女の人は「あら?」って.これもまた作戦だな,こりゃ.やられたな.
- 吉田
- やられたなって.
- 光一
- 第1位はこの方.加賀まり子さん.89パーセントです.「わがままで一人よがりな言動で周りをふりまわす女王様な彼女.でも,あなたには相性バッチリ.あなたの温かい包容力とフィーリング.何よりも,じつは思い切り似た者同士.最高のカップルです」.ちょっと意外な結果になっています,ご参考にして下さい.
- 鈴木
- 何の参考するの?
- 剛
- 何がどうなるかわかんないですからね.
- 光一
- それではガチャガチャマシーンです.これを回して下さい.
- 鈴木
- 回せばいいんですね.
- 光一
- この光景,この光景.鈴木さんが回してる.
- 剛
- これは見られへんな.今のはちょっと嬉しかった.
- 光一
- 読みましょう.埼玉県にお住まいのオオハラサナエさん.「生き様がバラードな鈴木雅之さんに質問です.その歌唱力を何か良からぬこと,例えばお姉さんを口説くようにことに使うことはあるのでしょうか?」.
- 鈴木
- 口説くって言っても,そうですね,どうでしょう?
- 光一
- 口説けますって.
- 剛
- カラオケとか,「君のために曲を作ったよ」的なことはないんですか?
- 鈴木
- そういうのはないですけど.子供の頃は自分の声に対するコンプレックスっていうのはあったんです.初めてテープレコーダーに自分の声を録って聞いた時には,小学校3年だったんだけど,「うちの親父がなんで俺と同じこと喋ってるんだろう?」って思うぐらいにコンプレックスみたいのがずっとありましたね.だけど,小学校の高学年から中学ぐらいになって,わりとR&Bとか聴き始めたりするでしょ.その時の黒人の声とか聴いてる時に,「いいなぁ.自分に合ってる」みたいな気持ちになって.そこから自分でヒアリングして,でたらめな英語で一緒になって歌ってみたりっていうことをずっと繰り返してて.それからは自分の声に対するコンプレックスはななったけど,子供の頃はメチャメチャあったからね.それで誰かに対してっていうのはほとんどね,なかった.やっぱり高校ぐらいからですよ,口説き始めたのは.
- 光一
- どういった手口で?
- 鈴木
- やっぱり必ずチークタイムとか,みんなでパーティー開いて.そういう時は必ずチークタイムになると誘いに行ったりするわけ.これは多分,田代もこのLOVE LOVEに出た時に,あいつも多分言ったかもしれないけど.
- 剛
- あ,なんか.
- 光一
- 言ってました.
- 鈴木
- チークタイムっていうのは,強制的に行かされるナンパの試練みたいなとこがあって.そこで必ずお気に入りの彼女を誘って踊るわけですね.田代の場合は音楽を聴かせることによって踊るけど,俺はそこで音楽を流しながら耳元でも同じように歌ってステレオ放送みたいにさせてやるみたいなところが.
- 光一
- なるほど.参っちゃうな,そんなのそされたら.それはもう大ワザですよ.ともえ投げぐらいですよ.さあ,もう一個回して下さい.
- 鈴木
- もう一個ですか.
- 光一
- いい光景なんですよ.岐阜県にお住まいのヨシダマミさんです.「サングラスの憎いやつ,鈴木雅之さんに質問です.ずっとサングラスをしていると,外す時に恥ずかしくないですか?」.
- 鈴木
- 恥ずかしいっていうのは,やっぱり自分のステージとか,ヴォーカリスト鈴木雅之で出てる時っていうのは,これはファッションのアイテムの一つでもあるけど,自分の一部みたいなところがありますからね.だから,そんな外す時に恥ずかしいっていうことはないですけど,ステージで外すっていうことはないですよね.
- 光一
- 今はずすっていうこともなすと.
- 鈴木
- ないですね.
- 光一
- これは俺らがズボン脱いでるぐらいの勢いや.
- 鈴木
- メチャクチャだからね,小学校の頃は恥ずかしがり屋だったのね.もうね,運動会なんか恥ずかしくて走れなかったんだから.
- 光一
- 走るのが恥ずかしい?
- 鈴木
- 人が見てたりとか.あと,水泳なんかでも泳げなかったです.でも,好きな子が見てると思うと,頑張れるようになって.
- 光一
- います,います.マラソンとか走ってたら女子の前だけ急に速くなる.
- 剛
- 俺ですよ.
- 光一
- おまえか.
- 剛
- だいたい好きな子の前では速くなります.
- 鈴木
- 最初は照れ隠しみたいなところもね.でもやっぱり言えてるかもしれない.サングラスして歌わないと恥ずかしくて歌えないってあるかもしれないね.
- 光一
- なるほど,拓郎さんもそうなんですね.
- 吉田
- 僕はね,一つにはね,年齢とともに眉毛が薄くなってきたなと思ったわけ.眉毛が薄くなると,自分ではもうちょっと締まりがあったはずなんだけど,ポイントがなくなった気がして,なんかポイントを作ろうと思ったんですよ.で,サングラス似合わないと思ったんだけど,サングラスかけるとポイントが出来るなと自分で思い始めたんですよ.それから離せなくなっちゃったな.すごくね,まつ毛とかもね,少し本数が少なくなってきた.
- 光一
- 目が疲れないですか?
- 吉田
- 疲れなくなった.だから夜でもかけてるじゃない,最近.
- 光一
- マーチンさんは,外す時はどんな時です?
- 鈴木
- お風呂入ってる時もかけてると思う?
- 光一
- いや,イメージ的には.
- 剛
- すごいですよ,そこまでしてたら.
- 鈴木
- そういうイメージなんだろうけど.外す時って,いわゆるプライベートな時っていうのは外してますよ.素通しの普通の眼鏡だったり.
- 剛
- 気合い入れるというか.
- 光一
- そういうのあるんですね.俺らそういうのないな.
- 剛
- ないな.
- 光一
- コンサートでは必ずスパッツをはきます.でないと踊りよるんでね.
- 鈴木
- そのほうが気合い入る?
- 光一
- 締め付けとかないと気合い入らないです.
- 剛
- やっぱりボクサーパンツとかはいてると中で踊りますから.
- 光一
- ワンテンポ遅れで.
- 剛
- 裏でね.
- 光一
- さあ,それではLOVE LOVEな歌にいきたいと思います.
- 剛
- はい,いきましょう.
- 光一
- マーチンさんがお選びになった歌は,こちらになっております.「メリージェーン」.
- 鈴木
- この曲はね,僕が中学2年生とかそのぐらいにつのださんが「ストロベリーパス」っていうバンド名義で出したアメリカがあって,その中の一曲なんですよ.
- 光一
- そうとう思い入れがあると聞きましたが.
- 鈴木
- やっぱり中学ぐらいからフォーク系のフォークロックとかそういうグループを作ったりとか,いろいろしてましたから,その当時から.やっぱり中学の2年生ぐらいからローリング・ストーンズとかのコピーもやってくなかで,「メリージェーン」を初めて聴いた時につのださんの声を聴いて,すごいカッコいいなと思って.俺も絶対つのださんのようになろうと思って.つのださんはドラム&ヴォーカルだったんだけど,自分もドラム叩きながら「メリージェーン」を歌ってみたりとか.だから,この曲がなかったら,もしかしたら自分が今ミュージシャンとしていないかもしれない.
- 光一
- そのぐらいの大切な.
- 鈴木
- そしてもちろん,チークタイムの時は,必ず「メリージェーン」が流れて.その時は必ず耳元でっていう高校時代.田代はその頃,マイケル・ジャクソンの「ベンのテーマ」曲があったんですけど,あれはあいつのテーマソングみたいなもんで.俺はやっぱり「メリージェーン」っていう感じがありましたね.
- 光一
- なるほど,わかりました.今日はこれを歌っていただきますんで,スタンバイのほうよろしくお願いします.
- 剛
- よろしくお願いします.
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