八嶋智人さんインタビュー/遠藤賢司役

久しぶりの『HERO』の撮影は、いかがでしたか?
「楽しかったです。僕には、新規で参加したメンバーも馴染みある方たちばかりだったこともありますね。“この人とは初めてかな?”という人はいなくて…みんながそれぞれの意見を共有する環境もありましたので、それもリラックスできた要因かもしれません。何と言っても収録が始まったばかりの時に、木村(拓哉)くんがみんなを焼き肉に食べに連れて行ってくれて、ワーッと盛り上がったのも良かったと思います」
それでも、前回からの空白は長かったと思いますが…。
「13年経っていますけど、遠藤は何も変わっていませんからね(笑)。ただ、13年前の連続ドラマから映画を経て、その後、児玉清さんが演じられた鍋島次席が亡くなって…という流れがあっての今回、となっています。ちゃんとつながっているんですよ。1話のエンドテロップでスペシャルサンクスとして児玉さんがクレジットされていたのが嬉しかったです」
福田(靖)さんの台本も変わらずに面白いです。
「そうですね。とにかくセリフのリズムが良いんです。噂では、ご自身も声を出しながらセリフを書いていると聞いたことがあります。僕のセリフなんか、“はいはい!”“なになに?”なんて、ほとんど内容のないものばかりなんですけど(笑)。でも、そんな僕も含めた事務官たちのやりとりで、上手く状況が説明されてしまうんです。ひとりで説明できるセリフを、何人かの会話にすることで気持良いリズムが生まれるんですね。ですから、一見意味のないセリフも相手が聞いていることで活きてくるんです。そして、そんな僕たちの芝居を鈴木(雅之)監督たちが、さらに面白く撮影してくださるので…。監督たちを支えるみなさんのスタッフワークも相当良いと思います。MA(音声編集)にしても、メインの芝居の後ろで僕らが入れている茶々なんかも、ものすごく上手に組み込んでいるんです。ですので、放送ではさらに奥行きが出ていると思います。その上、今回は足かせのように、何かを食べるシーンがあって(笑)」
食べていましたね(笑)。
「僕(遠藤)がピンチの回も、みんな散々食ってました(笑)。何より、木村くんがリハーサルから思いっきり食べるんで、みんなも釣られちゃうんです。小日向(文世)さんもリハーサルから"本イキ"で食べちゃって、本番で辟易していると…何年この仕事してるんだ? って、ことも(笑)」
改めて、遠藤はどのようなキャラクターだと思われますか?
「全く変わってはいないんですけど、細かい変化はあります。合コン好きは相変わらずですけど、立ち位置が違います。これは、遠藤が逮捕される回を見ていただいた方はわかったと思いますけど、前回は若い女の子と…という形だったんですけど、もはや一緒に臨む仲間も若い男の子。絶対に遠藤の友達じゃないんです(笑)。恐らく、前はそういう男仲間で行っていたのが、今はネットかなんかで調べて若い子に混ぜてもらっているんですね。こうなると、もう恋人探しとかではなく、遠藤は合コンに取り憑かれているんじゃないか? と。もう、お見合い会社とか始めればいいのに(笑)」
事務官としての遠藤は?
「13年間…ですから、それ以上、事務官を続けてきているので、ルーティーンのように仕事は染み付いていると思います。だから、サポートについた検事が何か動くより先に、始めている…という感じの芝居も心がけています。察する…それも、合コンでも培われた遠藤の能力ですね(笑)」
遠藤とコンピを組む田村検事役、杉本哲太さんとは?
「哲太さんとは『救命病棟24時』(第1シリーズ)でご一緒しています。その時も…また、みなさんの印象では骨太なイメージがあると思うんですが、とってもひょうきんな部分も持つ方です。今回は非常に野心家の田村検事ですが、サポートする遠藤は、そこに面白さを感じでいるんじゃないかと思っています。“こうしたら、コイツ喜ぶな?”と、やってあげて、それを陰で笑っていると(笑)。そういう雰囲気が哲太さんとの間に生まれれば良いなとやっていて、何となく出てきたと思うんです。哲太さんとの早いセリフのやりとりは、いろいろと面白いですよ。最終回では、哲太さんが初めて考えたセリフのやりとりが出てきますので…哲太さんらしい芝居を探してみてください」
木村さんは?
「僕は、とにかく木村くんの芝居が好きなんです。特に、セリフがないところでのやり取りと言うか…アイコンタクトやちょっとした仕草で上手にパスを出してくれるんです。こっちが、どんどん芝居がしやすくなるんです。芝居では久利生公平として、ですけど、普段の木村くんも同じ13年前よりも、もう一歩僕たちの距離が近づいたからなのかもしれません。今後も、何度でも一緒に芝居をしてみたいですね」
八嶋さんにとっての『HERO』とは?
「でた! その質問!(笑)。これはもう13年変わらず、俳優としての木村くんがすごく好きで…。リラックスしていながら、高い集中力を保つことは選ばれた人にしかできません。しかも、ずっとトップスターとして居続けています。こんな人が、他にいますか? 誰よりも忙しいのに、僕たちへの気配りも忘れません。俳優の中での英雄。ヒーローです。幼いころは、父親でした。親戚一同で海に行った時、子供たちが波にさらわれたんです。その時、他の大人たちがパニックになる中、僕の父親だけが飛び込んで助けに来てくれました。単純に命を助けられたこともありますが、“僕の父親だけが”という方が大きいですね。自分も親になったので、いざという時は子供を守ることができる人間でありたいと思っています」
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。
「正義とはなんなのか? どんな小さなことでも間違ったことがあってはいけない職業を僕たちが演じる検事や事務官が行う以上は、愚直な作業をしていくしかありません。それを、誰よりも久利生がやっています。そういう姿にドラマを通して触れる中、みなさんの中にもそんな“正義”を育んでいただきたいと思っています」

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