吉田羊さんインタビュー/馬場礼子役

『HERO』は今作からのご出演となりましたが、ここまで撮影に参加されていかがでしたか?
「前作のファンが多い作品で、私自身もその中の1人でした。ですので、前作とメンバーが変わったことについて評価される部分もあると思って、プレッシャーと責任を感じていました。でも、実際に収録に入ってみるとチームワークも良く、とても素敵な雰囲気でした。『HERO』という作品を色付けているものは、もちろん木村(拓哉)さん演じる久利生公平の存在です。それとともに、久利生と関わる城西支部メンバーのチームワークも重要だと思います。ですから、今、現場で私自身が感じているチームワークの良さが、みなさんに伝われば、きっと前作同様、愛していただけるドラマになるのではないかと思っています」
前作をご覧になっていた時に感じられた『HERO』の魅力は?
「今回、第1話の城西支部フリースペースの収録で、鈴木(雅之)監督が“ここはメンバーたちの日常です。日常を見せたいんです”と、おっしゃいました。まさに、私が前作を見ていて好きだったのは、そんな検事や事務官たちの日常を彷彿させるシーンです。人の日常って無意識じゃないですか? 例えば家庭なら、母親が“あんた体操着入れたの?”と聞いたら、娘が“そういえば、今日の体育何だっけ? お父さん、学校まで車で送って”。すると父親が“そう言えば、明日からガソリン値上げだ”なんて言い出したり(笑)。相手の質問を聞いてないようで聞いていて、なんとなく会話が成立しますよね? それが日常の無意識な会話だとすると、城西支部のフリースペースの会話も、それぞれが意識はしていないけど聞いていないわけではない…なんとなく会話が成立しています。しかも、ドラマですので、役者さんたちが芝居をしながらそれを成立させているんです。すごいことですし、これが『HERO』の魅力のひとつだと思います」
そのフリースペースでの会話に実際に加わってみて、いかがですか?
「ものすごい集中力が必要です。あの雰囲気を出すために、基本的に一連で撮影するんです。そうすると誰かが間違えると、もう一度最初から撮影しなければなりません。ですから、フリースペースのシーンは毎回、ものすごく緊張しています」
そんなシーンでも、木村さんは台本を現場に持ち込みませんよね?
「そうなんですよ。本当に困ります(笑)。木村さんがお持ちにならないので、私たちも触発されてしまうんです。でも、座長自らが示してくださることで、芝居に対する集中力は自然に高まりますね。台本だけでなく、木村さんの現場での居住まいは勉強になります。あれだけのスターで、お忙しいにも関わらず、誰よりも周囲に気を配っていらっしゃいますし、ムードメーカーですし…。“だからこそ、木村さんはスターなんだ”と、毎回の収録で感じています」
馬場礼子検事は、どのようなキャラクターと捉えていらっしゃいますか?
「礼子は気が強くて、プライドが高いですね。ですので、一見取っ付きにくい感じなんですけど、どこか気品が漂う“できる女”。女性が憧れる“女性像”なのかな? と、思います。だから“怒られたがりの男性”に親しまれているんじゃないか? とも(笑)。でも、礼子は仕事においてはプロで、犯罪にはそれぞれ背景があることも理解した上で、“罪は罪”として被疑者にきちんと自覚をうながします。“正義は正義である”ということを体現しているのではないでしょうか。客観的に見ていて、私も彼女の仕事っぷりは、胸のすく思いがします」
特に男性には…。
「厳しいですよね(笑)。まだまだ男社会の中で、がんばって生計を立てようとしている女性なので、それぐらいの気概がないと負けてしまいそうだから…かもしれません。だけど、プライベートではお酒に弱い面もあるんですよ(笑)。思ったことは全部言っちゃうタイプですし、裏表がないチャーミングな女性でもあると思います」
礼子の恋愛模様も面白いですね。礼子を好きになる男性はM(マゾヒスト)っぽい人物が多いようですが…。
「そうですね(笑)。でも、礼子が付き合ってきた男性はMではないと思うんですけど“だめんず”が多いんです。礼子自身は、ダメ男好きなのかな? だから、礼子の本性がS(サディスト)かMかが、分からないんです。ダメな男と付き合うと、結果、自分もダメになってしまうじゃないですか? もし、礼子がそれを良しとするならMなんですよ。反対に、ダメな男を叱る自分が好きならSになりますよね? 話によって、そんな場面での礼子の表情が違うんです。ですので、ストーリーが進むごとに私も礼子の新たな一面を知るので、楽しんで演じています」
礼子は中村美鈴検事(大塚寧々)と知り合いだったんですね?
「私も4話の台本をいただいて知ったんです(笑)。収録では、やっぱり前作の『HERO』出演者の大塚さんが加わることで、違う空気感が生まれました。八嶋(智人)さんや、小日向(文世)さんは浮き足立った感じでした(笑)。木村さんも、同じ空間に前作の仲間が来た安心感を感じていらっしゃるんじゃないかな? と、思いました。私は“あっ! 美鈴さんだ!”という、視聴者のみなさんと同じ気持ちでした(笑)」
検察官という職業について、どう思われますか?
「以前、『傍聴マニア09』(日本テレビ系)というドラマで検察官の役を演じたことがあるんです。“クールビューティー”という異名を持つ、Sっぽい検事でした(笑)。タイトルにある“傍聴”ということを体験してみようと思って、何度か裁判所の傍聴に行ったんです。すると女性検察官もいらして、すごく淡々とした雰囲気でした。ドラマのような劇場っぽくなく、事実だけを淡々と伝えていく、クールなイメージです。人間なので被疑者に同情したりすることもあると思うんですけど、それを越えて正義を貫こうとする姿…その仕事は相当な気力と体力が必要なのだろうと感じました。この人たちがいるからこそ、社会の正義が保たれているんだとも思いました」
改めて、収録現場の雰囲気はいかがですか?
「とても素敵な雰囲気です。八嶋さんが率先して新旧メンバーをつなげてくださって、その上で木村さんがまとめてくださっているので居心地がとても良いんです。私は、もう2話を収録している時から撮影が終わってしまうことが寂しくて…。“ああ、もう終わっちゃう!”と言ったら、マネージャーさんに“まだ早いよ!”と突っ込まれました(笑)。それぐらい、離れ難い現場ですね。木村さん始め、共演者のみなさんが達者な方たちなので、私が台本にないセリフを言ったとしても、しっかりと受け取ってくださる。だから“何をやっても大丈夫”という安心感がハンパじゃないんです。芝居中も、空き時間も全てが楽しくて仕方ないです」
吉田さんにとっての『HERO』とは?
「子供のころは母でした。学校でイヤなことがあって帰ると、まず“何かあったの?”と気づいてくれて、打ち明けたことに的確なアドバイスをくれました。そのおかげで、私は毎日学校に行けたし、前を向いて歩んで行けました。今は、どうかな? 大人になると自然と処世術も身についてきて、意外と誰かにアドバイスを求めることもなくなってしまって…。だとしたら、今の私のヒーローは、気持ちを前向きにしてくれる人かもしれません。そういう意味では、私と関わってくださる全ての方々ですね」
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。
「礼子はお酒が入ると本音が出てしまいます。普段、凛としている分、ちょっとだけ出てしまう可愛らしい部分にも、ぜひご注目ください。そして、13年前と変わらないけど新しい…そんな2014年版『HERO』を最終回まで、ぜひお楽しみください」

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