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FACTORY721 CS0027 :
SOUL FLOWER UNION インタビュー - オリジナル

オリジナル | 幾千里のがれきの町に立つ海行かば 山行かば風が唄にたゆたう物語


中川敬 中川
そやね,はじめすごいストーンズが好きで,やってんけどね.どうも,周り見ると同じこと,まあそっから今のとこ始まってんけどね,「周りと同じことやってもしょうがないな」みたいなね,感じがあって.まあいわゆるルーズなロックンロールみたいなね,それを日本人がね,日本風の解釈をしてね,こう演る感じのね,ああいう世界がねぇ,逆に格好悪いなぁと思うのね18ぐらいの時,なぜかね.なんやろね,偽物臭い感じがしたけどね,日本のものはね.ともかく,「物真似をしてんねんな,この人たちは」って思ったけどね.まあ,今もやってる人がおるからあんまりね,言ったげるとかわいそうかもしれんけどね.でも,そういう感じでしたよね,何かね.偽物臭い感じがしたね,日本のポップ・ロックは.なんか,当時.なんかどうしてもひねくれてんねぇ,何かみんなとちゃうことがやりたくなってくるみたいなね.
オレはボガンボスとジャガタラが大きかったな.スタイルじゃないねんね,なんかね.いろんな音楽が最初からそこにあるということをね,自然な形で音楽が出来ないかなと思い始めてね.元々,自分の中にローリング・ストーンズが好きやとか,ビートルズが好きやとか,モータウンが好きやったとかいう要素がね,むくむくと出てきたね,89年ぐらいに.なんかね,それまでと違うことが起こっている感じがしたね,オレの中に.日本のいわゆるロックシーンっていうかね,ジャガタラとかボカンボス見てると,「明らかに違うレベルのことが起こってるな」と,「オレもそういうのがやりたいな」と.物真似じゃないヤツね.もちろん,向こうのミュージシャンにすごい影響受けてね,みんな演ってるわけなんやけど.それでも,もっと自分らの…なんて言うかな,抱えてるもの?今まで見てきたものが本当にたくさんミクスチャーされてる感じでね,ちゃんと音楽として立ち上がってくる,そういうものをまず見せてもらった感じがするね,ボガンボスとかジャガタラとかに.
奥野
奥野真哉だからいろんな音楽があっていいと思うんやけど,片寄り過ぎてるなと思う部分もあって,若い人がチョイスして聴く音楽ももうちょっと幅があってもいいんじゃないかって客観的に思いますけどね.なんか手ぐせだけで作る音楽っていうのにはあんまり興味がないかな,今は.別に西洋のロックを意識的にやらんとこ,とかそんな気持ちはまったくないんですよね.自分たちには,変な集団やから,なんかきれいな音楽を作っていこうっていう,そういう気持ちはありますね,すごく.
中川
それとでかかったのは出会いやね.「ミュージック・マガジン」の誌上で,ビリー・ブラッドっていうシンガーソングライターがいて−イギリスの.オレは彼のことが本当に好きでね,最初の初来日,1985年かな,そのときからずっと見に行ってるっていうぐらいずっと好きやってんけど.まあ,対談することがあって.「なんでここまでアメリカナイズされてんね,日本の音楽は」っていうことをズバリ言うのね.彼だけじゃなくてみんな言うよね.なんか,なんか腹立つよね.オレはそんなつもりなかったんけど,でも,そう聞こえる要素をまだ持ってるだろうと感じてたからね.
まあ,あとは沖縄のミュージシャンやね.チャンプルーズであるとか,知名さんのやってるネーネーズであるとか大工哲弘であるとか,あの沖縄のミュージシャンたちのたくましい感じね,ネイティブなものとつながっていて,なおかつどんどんどんどん次に向かっていくという感じね.あの感じって何かヒントをくれた感じがした,そのときね.そのときはすごいそんな感じがした.
河村
結局ね,そのときはそれを見て格好良かったんですよね.チャンプルーズの演奏なり,大工さんの演奏なりがすごく格好良かったんですよ.自分らの土地のもの,要するに自分らのものと,その後入ってきた西洋のものとをミクスチャーしてってことなんですけど.それが結局格好良かったから,「俺らにもできるんや」って.そういう出会いがなかったら自分がロックのアルバムとか民謡とかのアルバムを分け隔てなく同じような感覚で聴けるようにならなかったと思うんですよ.本当に宝物だと思いますね,その出会いは.
伊丹
結構私ら淡々とやってきたけれど,はじめ民謡とかをって言い出したときはみんな「ええっ」って,みんな引く感じがものすごいあったもんね.なんか「沖縄のものは許せる.でもヤマトのものは許せない」っていう感じってのはいったいなんなんやろなと思うけどね.国じゃなくて自分が住んでる場所を愛するっていうか.だから,その自然のリズムから生まれたもんでしょ,トラッドっていうのは.私らはそれが一番得意で当たり前だと思うけどね.
なんかその海外の人であるとか,そのつき合うときに「おまえの歌を唄ってくれ」と言われて唄えない自分って言うのはいったいなんなんやろと思った時期があったね.うん,すごく恥ずかしいと思った.
中川
まあ,やりはじめのころはね,違う楽器を持つとかね,民謡を歌うっていうのはやっぱりコンセプチュアルな感じはしたけどね,やり始めの頃はね.今はね,あんまり大きな違い無いねんね.いわゆる民謡の筋とは全然,違うものになるわけやし,オレの歌とか唄い方とか,のどの響き,持ってるものってのはもう明らかにパンクロッカーのって気がするからね,客観的に聴くとね.こういう形態になんねんね. ダンスミュージックに過ぎないっていうか,いろんな苛立ちが込められててね.まあ,みんなが踊れたりとか,腹立ったりとか,いろいろ思える音楽,うん.踊ることもできるよ,みたいな.
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